カード型の発動具
僕が爆発を使えなかった理由は分かった。
余分な強化を行っているので消費精神が多くなりすぎ、呪文が使えないのだ。
では、どうすれば余分な強化を行わない爆発が使えるのだろう?
「爆発の呪文は点火の呪文や火炎弾の呪文と同じ火系魔法だから
どちらかの魔法で感覚を掴めばよい。」
と、キュアさんが教えてくれる。
だが、僕はどちらの呪文も知らない。
感覚と言っても知らなければ掴みようが無いのだ。
「キュアさん。僕はどちらの呪文も知らないのですが?」
僕は少しがっかりした様に肩を落とした。
「・・・・・そうか、
ニコラは特殊な憶え方をしたので呪文の数が少ないのだな。
教えることは吝かでもないが・・・。」
キュアさんは顎に手を当て考えている。
「本当ですか?!教えてもらえるのですか!!」
教えてもらえると聞き、僕はすかさず聞き返した。
これが良くなかった。
キュアさんはニヤリと笑い僕の肩に手を置いた。
「ニコラ君、教えてもらうのに無料と言いう事は無いよね?
君は商人の徒弟だからその辺りはよーく判っていると思うけど、
具問だったかね。」
「・・・お手柔らかにお願いします・・・。」
キュアさんは部屋に戻ると机から一枚のカードの様な物を取り出した。
白銀色長方形の板で幅70mm高さ150mm厚さ5mm。
長方形の板の角は丸く削られており、尖った角が無い。
重さは金属にしては軽く、100g程度だろうか?
一方の表面はつるつるして何もないが、その裏側、
もう一方の表面には複雑な模様が刻み込まれている。
「キュアさん。これは?」
「カード型の発動具だ。
魔法をよく知らないなら発動具も知らないだろう。」
「発動具、魔法使いの杖と言う物ですか?
マロリオンは杖を持っていない気がしますが・・・」
「マロリオンの発動具は指輪だからな。
まぁ、使う者によって杖、本、水晶球など様々だ。」
そう言うと、キュアさんは机の上に杖、本、水晶球、指輪を置いた。
杖は長さが50cm位の小型の物、本は百科事典のサイズ
水晶球は子供の頭ぐらいの大きさがあった。
「今言った魔道具だ。
この他には動物の骨を使う者もある。
魔法を使う者の好みによると言ってもいいだろう。
魔道具はそれぞれ一長一短がある。」
キュアさんは杖を手に取る。
「例えば、オーソドックスな杖だが、これはよく使われるには理由がある。
精神消費低減、呪文発動補助、呪文強化のボーナスが付く。
特に呪文強化は拡張スキルを持っていなくても効果が高いし、
持っていた場合、累積する。」
キュアさんは次に本を手に取った。
「これは呪文の書と言われる物だ。
精神消費低減、のボーナスが付く。
特に精神消費低減は他の発動具に比べ倍以上の差がある。」
「次に指輪、これは精神消費低減だけで他の発動具に比べ呪文に対する効果は低い。
だがこれは極めて小さい発動具でもある。」
「そして水晶球。
これは精神消費低減のボーナスが付く他、
特定の魔法系列、索敵系や占術系の呪文を使う時に魔法強化が付く。
その強化の度合いは杖以上だ。」
索敵系魔法をよく使うマロリオンは水晶球を使っていない。
疑問に思った僕はキュアさんに尋ねてみる事にした。
「杖以上?では索敵系は水晶球が良いのですか?」
「そうとも限らない。
見ての通り、水晶球は大きく重い。
固定して使わない限り持ち運びには不便だ。」
確かに冒険者には不向きの発動具だ。
大きいだけで持ち運びには不便だし、重いとなるとなおさらだろう。
「ではこのカード型の発動具は?」
キュアさんはニッコリ笑い
「呪文発動補助の他、初級呪文を三つ付与できる。
ニコラ君にはこのカード型魔道具の試験をしてもらいたい。」




