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収納力ゼロ、僕の空間収納で物は収納できません。  作者: 士口 十介
スキルの習得

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それについては私から説明させてもらうよ。

もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふ


頭と手に柔らかな感覚が伝わってくる。

それに何だかいい匂いもする、何だろう?

薄目を開けてみるが、目の前がぼんやりしてよく判らない。

一体何に頭を乗せているのだろうか?

もう少し手探りで探ってみよう。


もふもふもふもふもふ


「ふみゅ!」


ふみゅ?


上の方で何か聞こえる。

咄嗟に声の方へ顔を向けとその主と目が合った。


「……ジュリアさん?」


目の前には顔を真っ赤にしたジュリアがいる。

ジュリアは少し安心した顔をした。


「やっと目を覚ました。ここへ来たらニコラが倒れていてびっくりしたんだよ。」


どうやら僕は魔法の訓練中に倒れてしまった様だ。

でもなぜ倒れていたのだろうか?

ゆっくりと体を起こすが、頭に霞がかかった様でよく思い出せない。

少しぼんやりしているとジュリアか薬瓶を差し出した。


「はい、これ。精神回復薬よ。少し楽になるわ。」


精神回復薬?

少し疑問に思ったが言われるまま飲み干す。

数秒もかからない内に頭の中がすっきりしてきた。


「精神回復薬! そうか精神を消費しすぎて気絶してしまったのか。でも何故、精神が無くなったのだろう?」


「キュアさんによると、呪文を使った時に精神を一気に消費した為と言っていたわ。」


精神を一気に消費した?

あの時使ったのは火炎弾(フレームアロー)だ。

カード型発動具に付与されているとは言え、消費精神は2のはずだ。

一度にすべてを消費できるとは思えない。


「それについては私から説明させてもらうよ。」


いつの間にかキュアさんがやって来ていた。

手には僕が使っていたカード型発動具が握られている。

キュアさんはそのカード型発動具を指で指し説明を始めた。


「このカード型発動具には三つの呪文が付与できるが、その時の個々の部分を見てくれ。」


魔道具には複雑な模様が彫られており、その一つが火炎弾(フレームアロー)を表していた。

キュアさんが指さしたのはその隣の部分だ。

そこには小さのボタンが付いていてそれがどうも“ON”になっている様に見えた。


「このスイッチは、呪文の連射スイッチで、“ON”にすると連続して自動的に呪文を使う。」


キュアさんの言う通りなら、連射スイッチのおかげで呪文を連射したのが原因だろう。

でも僕はこの様なスイッチは無かった気がするのだが?

その事をキュアさんに尋ねてみると。


「ああ、呪文を構成する回路が連射するようになっていたので、それを“ON”“OFF”するスイッチを急遽付けたのだ。」


どうやらこのカード型発動具は開発中の物の様だ。

その動作テストの為に僕に白羽の矢が立ったという事だった。


「と言うわけで、終わればカード型発動具はあげるからよろしく頼むよ。それとこの冒険者カードも渡しておこう。」


僕はキュアさんからカード型発動具と冒険者カードを受け取る。

どうやらこの冒険者カードにも改良を加えた様だ。


「スキル類は普段は見えない様に別ページに変えたよ。」


これでうっかりスキルが知られてしまう事態は回避できたようだ。

と、僕は冒険者カードのステータスを見てある事に気が付いた。


「キュアさん。僕の精神の値は30だったと記憶していますが、これを見ると31になっています。何故でしょうか?」


僕が指で示した場所には“31”と言う数字が書かれていた。

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