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最初で最後のクリスマス

あんみつと抹茶を平らげた。


「美味しかったね」


「うん」


流星は、ニコニコ笑ってくれた。


お会計をする。


「庭の入り口は、あちらです。お帰りはあちらです。どちらでも、好きな方を選んで下さい。」


そう言って、店員さんにお辞儀をされた。


庭に案内されるのは、向こうは、まだ満室ではないという合図だとネットで調べてきた。


「流星、行こう」


俺は、流星の手を取って庭に向かう。


男同士ではいる事の出来るラブホテルは、この街では限られている。


「すごいね、この庭」  


「ああ」


クリスマス使用にかわっている庭は、電飾がたくさんついている。


まだ、明るいので何も綺麗ではない。


「帰りは、ゆっくり見れるかな?」


「流星、それは無理だよ」


「なんで?」


「最後にゆっくりと流星と過ごすと俺は流星と二度と会えない気がする。」


流星は、寂しそうな表情を浮かべながら笑った。


「ごめん」   


「ううん、行こうか」


手を繋ぎながら、庭を抜けた。


部屋番号のパネルを押して中にはいる。 


「うわー。すごいね」


「初めてじゃあるまいし。そんな感動するか?」


「するよ、月とは初めてだよ。それに、ここはすごい綺麗だね。」


「確かに」


壁一面を使ってこの街の絵が(えが)かれている。


(つき)(ほし)。」


ベッド側の壁を見ながら、流星が言う。


「コート脱ごうか?」


俺は、流星のコートをもらってかける。


「お風呂はいる?」


「嫁に怒られないか?」


「別に、たいした事ないよ」


そう言ってスーツのジャケットを渡してきた。


流星は、お風呂をいれにいく。


少しずつにしろよ。俺は、化け物に話しかける。


壁の天使の羽根の絵を撫でる。


「お湯、ためてるから行こう」


「わかった、流星スーツ脱いでかないと。」


「バスローブあったからもってきた。これ、着て」


「ああ」


流星は、スーツを脱いでる。


エアコンは、調度いい温度に保たれている。


流星が、着替えて先にお風呂場に行った。


俺も着替えた。


お風呂場に行くと数種類の入浴剤の入ったかごを持ってる流星がいた。


「どれかいれるの?」


「うん」


「これにする。」


そう言って流星は、入浴剤をいれた。


「先にはいってる。」


そう言って入っていく。


俺も、脱いでから風呂にはいる。


体を流してから湯船にはいる。


男二人でも余裕なぐらいのバスタブだ。


レモンイエローの湯船に流星がはいってる。


俺は、その隣にはいる。


流星は、俺に近づいてきた。


「カップルは、こんな場所でもするのかな?」


そう言って、俺の頬の傷を撫でる。


「さあな」


「傷って(さわ)られたらジーンとしない?」


そう言うと流星は、手の傷を見せた。


「治ったな?痕はあるけど」


俺は、指で優しく傷痕を撫でる。


…。




「ごめん。俺」


「優しくしたいのに、出来ないの?」


「うん」


流星は、俺の胸に耳をあてる。


「早いね。すごく」


「流星のせいだ。」


俺は、そう言って流星にキスをした。


………。


「あがろうか?」


そう言われて、体を洗ってあがった。


タオルで、体を拭いた。


バスローブを着て、ソファーに座った。


流星は、水を取って渡してくれた。


「お酒飲む?」


「うん。」


冷蔵庫にお酒がはいってる。


流星は、ビールをくれた。


俺は、隣に座った流星の腰に手を回した。


「どうして、二人になるとこうしたくなるんだろうな?」


「もう、肉体(からだ)が覚えてるからじゃない?」


あのカフェでは、自分を保てたのにもう無理なのだ。


「背中の傷、見てもいい?」


「ああ」


そう言ってバスローブをずらしてくれた。


俺のせいでつけられた、たくさんの傷…。


指で、一つ一つなぞる。


「今まで、どれくらいの人と体の関係になった?」


「うーん。妻をいれたら、10人だな。」


「そっか、俺はホストの時に遊びまくってたから、70人ぐらいにはなる。」


「月は、重ねた経験がすごいんだな。だから、俺はもどれなくなるんだな。」


そう言って流星は、ビールを飲む。


「あの頃は、流星の方が上だったか?」


「そうだな。」


「あの出来事を忘れるためには、自分が相手を満足させるしか方法がなくてね。」


「じゃあ、まだ俺に見せてない月がいるのか?」


流星が、俺を見た。


「どうかな?」


俺は、そう言って唇を重ねた。


化け物よ、ほら俺をゆっくりお食べ。



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