一ヶ月前と結婚式
一ヶ月前ー
俺はここに来ていた。
「一人は、珍しいね」
「話がしたくて」
「僕に会いに来るって事は、化け物に喰われたくなったの?」
「よくわかったね」
俺は、華君に笑いかけた。
「コーヒー、どうぞ」
「ありがとう」
晴海君が、コーヒーを持ってきてくれた。
「クリスマスに元カノの結婚式があってね。一番愛してる人を連れていく約束をしたんだ。でも、俺はそれをすると自分の中の化け物が暴れそうで怖いんだ。」
華君は、俺に優しく笑ってくれる。
「いいんじゃないの?ご褒美をもらっても」
そう言って、俺の頬の傷を撫でる。
「でも、そしたら化け物に」
「月君のお兄さん、あれから結構来てくれるよ。でも、化け物をうまく手なずけてるよ。だから、大丈夫。それに、月君が化け物に完全に喰われたら星君の元に帰ればいいだけ。それとも、星君にもプレゼントをしたいの?」
「俺だけが、幸せを感じるわけにいかない」
「星君の彼も、あれから来てくれてるよ。彼の化け物も手なずけられてる。ただ、月君と星君の化け物は大人しくなりすぎたぶん。解き放たれた後が大変だよ。暫くは、苦しみと痛みが襲うと思う。二人で対処出来なかったら会いにおいで。僕が助けてあげるから」
「華君、化け物に身を委ねてもいいの?」
華君は、優しく笑いかけて俺の髪を撫でてくれながら言う。
「あの日のご褒美をもらえばいいよ。僕にはわかるよ。それは、今までで一番幸せで、今までで一番の喜びになる。その為には、化け物に全て預けてしまえばいい。」
「本当にいいのかな?」
「いいよ。そのかわり一つだけ約束してくれる?」
「何?」
「全てが終わったら、別れを惜しまずにすぐに帰る事、それだけは約束してくれる?」
「わかった。約束する」
星に、メールしとかないといけなかった送信しといた。
結婚式ー
「楽しみだな。結婚式に月と出れるなんて」
「浮かれすぎだよ、流星」
「当たり前だよ。初めてだよ。人生で嬉しくて嬉しくて堪らないよ。」
「それ、いくら包んできたの?」
「月は?」
「10万」
「あっ、俺のが多かったな。30万」
「スゴすぎないか、それ。真子知らないだろう」
「本当は、100にするつもりだったんけど…。やりすぎかなって思ったからやめた。」
「なんで、そんなに」
「感謝だよ。月を支えてくれたお礼だよ。」
「ありがとう、流星」
「じゃあ、かえようか?名前かえようか」
「いいよ、別に」
「ダメだよ。そこはちゃんと月をたてなきゃね。兄さんとして」
そう言って、流星は袋の中身を取りかえてくれた。
「はい」
「ありがとう」
「全然。呼んでくれたのが嬉しいから」
そう言って、手を繋いで歩く。
会場につき、結婚式は無事に終わった。
「月、来てくれてありがとう」
「真子、すごく綺麗だった。幸せになれよ。」
「ありがとう。」
「じゃあな」
「月、またいつか会おうね。今日一日お幸せに。」
そう言って、手を振ってくれた。
「ありがとう、真子もお幸せに」
そう言って、結婚式場を後にした。
俺は、流星を連れてきたかった場所に連れてきた。
「ここ」
「女の子の初デートに連れてきたらひかれるよな。」
「絶対ダメだよ。あからさまだから」
そう言って、流星が笑った。
手前にカフェがあるから、ハードルが低く連れてこられるけど。
高校の時から、ここにはすごく興味があった。
天の川カフェ、その奥にはラブホテルが建っている。
ここに連れてこれたら、結ばれるって話。
「流星、何食べる?何飲む?」
「俺を食べるんだよね?」
「は?何言ってんの?ここは、あんみつがうまいらしいよ」
俺は、テンパってた。
高校生みたいにあからさますぎた。
「だって、あれラブホテルだよね。」
「違うから、天の川ってカフェだから」
「月、そうなりたいんだよね?今日は、そのつもりだったんだよね。」
「だから、違うから。カフェ行こう」
俺は、流星をカフェに連れて行った。




