再会
クリスマス当日ー
俺は、星より先に家を出てタクシーに乗った。
月の星公園のモニュメントにつくと、もう流星はやって来ていた。
「はやいね。」
「楽しみすぎて」
そう言って笑ってる。
「ごめん、急に言って」
「別に大丈夫だよ。妻には、宇宙兄さんの結婚式のかわりにでると話したから」
「それなら、よかった。」
流星は、俺の手を繋ぐ。
「歩きながら行こうか?」
「うん、そうだね」
俺は、流星の言葉にモニュメントから離れた。
「ありがとね。店予約してくれて、お金払うよ」
「いいよ、彼には月がお世話になってるから」
そう言って、流星は笑った。
「結婚式終わったら、連れていきたい所があるんだけど…」
俺の言葉に流星は、ニコニコと笑っていた。
「そんなに嬉しい?」
「嬉しいよ。月とクリスマスに会うなんて二度とできない。」
そう言って、目を伏せてる。
「俺との約束ちゃんと守ってる?」
俺の化け物が、少しずつ動き出すのを感じた。
やっぱり、生きていたのだ。
胸が、ドキドキとし始めた。
「覚えているよ。」
立ち止まった流星は、俺の髪を撫でる。
「自販機で、コーヒー買おう」
俺は、恥ずかしくて近くの自動販売機でコーヒーを買った。
ベンチに座る。
朝早いのに、まばらだけと、カップルの姿がある。
抱き締めあったり、キスをしてる。
誰も、俺や流星に気づいていない。
「はい」
俺は、流星にコーヒーを渡した。
流星は、となりに座るとフワッと優しく俺を引き寄せた。
おでこをくっつけてくる。
「こんな日を夢見ていたよ」
そう言いながら、微笑んだ。
ほら、食べていいぞ。
俺は、化け物に話しかけた。
流星といると決めてから、罪悪感は消えた。
どこまでもいきたいと思った。
どうせ、最後ならって思っていた。
「月は、時々俺を思い出してくれてるの?」
そう言って、流星はカッターシャツの隙間から俺のネックレスを引っ張った。
俺の体温で温められたネックレスを流星は唇にあてる。
ドキンと胸が締め付けられる。
時々なんて、レベルじゃない。
俺の体は、流星の指も手も唇もきちんと覚えている。
常にそこに寄り添っていて、見つけなくてもあるのだ。
「そうだね。」
俺は、流星を見ないように言った。
「ちゃんと目を見てよ」
そう言って、流星は自分のネックレスを取り出す。
「俺は、いつも月を思い出してる。里美にこうする時も」
その言葉を言った瞬間、流星は俺の唇に唇を重ねた。
心臓の鼓動が、早い。
それと、同時に涙が頬を流れた。
ずっと、こうされたかった化け物が俺を喰うために暴れ始めた。
俺は、星とお揃いの腕時計を握りしめる。
流星は、唇を離した。
「どうして、泣くの?嫌だった?罪悪感?」
俺は、流星の言葉に首を横にふる。
流星は、俺の手を握ってくる。
ダメだよ、まだちゃんと落ち着けてない。
鼓動が早い、胸の奥を下から抉られるような痛みが突き上げる。
「流星、もっと」
俺は、痛みから解放されたくてそう言ってしまった。
ダメだ。
これじゃあ、化け物に餌を巻き始めただけだ。
じゃあ、俺は何で流星を呼んだんだ。
クリスマスの日、カップルだらけの公園、結婚式まで時間がある。
何で、流星を呼んだんだ?
最後までしなくても、キスするぐらい望んでいたのではないか?
雰囲気に飲まれて、そうするつもりだったのではないか?
化け物に水を与えてどうするのだ?
「もっと、キスしたいの?」
俺は、首を縦にふった。
「月、素直だね」
流星は、笑ってキスをしてくれた。
俺の手と自分の手を重ねる。
そして、その手をゆっくりコートの下のカッターシャツの胸に持っていく。
冷たい手が、温められていく。
流星の鼓動なのか俺の鼓動なのかわからない程に手がズキンズキンと音を感じる。
また、唇を離した。
離された瞬間から、冷たく冷やされる。
それをわかってるのか、流星は何度も唇を重ねた。
冷たい、温かいを繰り返されて、頭の奥がじんじんと痺れてる。




