時雨さんと星と氷雨君と流星
近づいてきた時雨さんが、星に話しかけた。
「星、色々ありがとな。感謝してるよ」
「ううん。氷河がいないのが、残念だったね。」
「ああ、まだ意識が戻らない。俺、退院してからも行ってるんだけどな。眠ったままだ。」
「そうなんだね。」
「月さんと一緒にいてよかったよ。」
「月で大丈夫だよ。」
「じゃあ、月君で。二人が、一緒に居てよかったよ。幸せそうで」
「ありがとう、毎日楽しく過ごしてる。」
「氷雨の事も、ありがとな。助かったよ」
「ううん。僕はなにもしてないよ。」
そう言って星は、笑った。
「じゃあ、まやたくと話してくるわ。」
そう言って時雨君は行ってしまった。
入れ違いに、氷雨君と奥さんがやってきた。
「兄さんの事、ありがとうございました。」
奥さんは、わざとらしく氷雨君の腕に腕を絡ませている。
「いえ、僕は何もしてません。」
星が、傷ついた顔をしてる。
「そんな事ないですよ。これからも、兄さんの事、宜しくお願いします。」
「はい」
そう言った時に、流星と奥さんが現れた。
「拝藤さん、よかったですね。お兄さん」
「橘先生、ありがとうございます。」
「いえ、あそこまで回復されたのはお兄さんの力ですよ。」
お医者さん、流星がいる。
里美さんは、俺を見ながら流星の腕に腕を絡ませてる。
ズキズキと痛む胸を必死で、我慢する。
氷雨君と流星は、なぜか俺と星の前で楽しそうにお喋りをする。
ガタッ…。
星の足元が、フラついた。
「大丈夫?」
「ごめん。立ちくらみかな。ハハ」
星は、苦笑いを浮かべてる。
気持ちは、わかる。
どこか遠くに居て欲しいんだ。
「なんか、食べる物とってきますので失礼します。」
俺は、そう言って星を連れていく。
バイキング形式に、置かれたさらの前にまやたく君が立っていた。
「ひどい顔だな、星。」
「真矢」
「あっちも、相当だな。なんか、約束したの?」
「うん。」
「じゃあ、我慢するしかないな」
そう言って笑ってる。
「とったら、もどるよ。」
そう言って、星は食べ物を皿によそってる。
「まやたく君と栞達、よく会ってるんだよね」
「月君、そうなんだよ。結構、楽しく過ごしてる」
「それは、嬉しいよ。」
「こっちこそ、いつも星の事ありがとうね」
「全然、俺は何もしてないよ。」
「いや、月君のお陰で星は笑えてるから」
「それなら、よかった。じゃあ、もどるね」
「はい。」
まやたく君も、彼女の元にもどっていった。
俺と星が、お皿を持ってもどってきても4人はお喋りをしていた。
別のテーブルの前で、話せよ。
苛々しながら、チキンを食べる。
「うまっ」
「手掴みだよ、月」
「あっ、ごめん。」
苛々しすぎて、手で食べてた。
「ハハハ、月は面白いね。」
「本当だね。」
華君がやってきて、ワインを注ぐ。
「なんか、顔赤くなったよ」
「ほんとだ。はい、フォーク」
「ありがと」
華君は、別の場所に行ってしまった。
華君が、通りすぎてしばらくしたら氷雨君や流星達も違う場所に行ってくれた。
よかった。
ホッとした。
「月、これ美味しいよ」
星が、フォークを俺に差し出す。
癖で、食べた。
「うまっ」
「でしょ?」
「うん、ミートボールかな?」
「そんな感じかも」
それでも、この席から流星達を見てると辛いな。
「トイレ行ってくる」
「辛いの?」
「まぁ、ちょっと、目洗いたくて」
「うん」
胸が締め付けられて、涙がでてくるからトイレに行くしかなかった。
洗面所で、目を洗ってるとトイレに誰かがやってきた。
「ハンカチ使う?」
その声に顔をあげた。
「流兄、なんで?」
「トイレ行くのが見えたから」
「いやいや、来んなよ」
「いいじゃん、別に」
俺は、流星のハンカチをとった。
「ずいぶん久しぶりだな」
「まあ、お互い忙しかったからな」
俺は、目を拭いた。
「そうだよね。」
「ハンカチ洗って返すわ」
ポケットに入れようとしたら腕を掴まれた。




