1話
“特報!”
The world was wrapped in zombies. Everyone struggled at first. But zombie was no longer a threat once you get used. The rather weak! Beings will compete. Who can kill the zombies in the most acrobatic!
(世界がゾンビに包まれました。誰もが最初は苦戦しました。あなたが慣れるしかし、ゾンビはもはや脅威ではなかったです。かなり弱いです! 人間が競合することになります。人は、ほとんどのアクロバティックでゾンビを殺すことができます!)
“『アメイジング・ニンジャ』のシャドウ・リッパーを殺したスタジオと”
「伝説の女優のゾンビ?」
“『ドクター・アーソン』『アシッド・アンド・ゴア』のスタッフが送る”
「100万ドルの懸賞金が掛けられている」
“ゾンビアドベンチャー最新作!”
「ファッキィ!」
「マズイ、おい伏ッせろォ!」
KABOOM!
「もう、兄さんたら古いんだぁ!」
「そいつは出来ない相談だ」
「お目が高いわぁ~」
“伝説の女優のゾンビを巡り”
“全ゾンビキラー大集結!”
「わたしのプライドが許さない!」
「勝利という言葉はリアルアメリカンのためだけにある!」
「ザ・ミッキー・ローリネイティスの前に平伏せ!」
“そしてついに姿を現す……”
「Kikiki……」
“最強のサイコ野郎 キュンストレーキ!!”
「兄さん……」
「これが最後の殺しになるかもしれない」
“全米が笑って泣いたエクストリームゾンビアクションコメディ!”
「気にしないで、独り言よ」
Evan Wight as Miranda Rachel Norman!
「おい見ろよ。まるでT‐レックスと12ラウンド戦ったみたいにボロボロだ!」
Jesse Lincoln as Charles Dean Norman!
「金金金金金~!」
Koji Takathuki as Dr.Imagawa!
「伝説の女優のゾンビは見つけ次第わたしがブッ殺してやる」
Emma McAdams as Bellatrix Sunderland!
<California zombie killers>
coming soon……
「ようミランダ」
「あなたの名前は確か、ウディ・トラボルタ」
「ああ、覚えてくれてありがとよ。例のブツだ」
ミランダはゴテゴテのレザージャケットに身を包んだ怪しい親父から怪しいブツを受け取りニヤッと笑った。まさかミランダ……。君もかい!?
待ちきれないのかビリビリと包み紙を破いてウキウキ気分でリビングへ。
「兄さん! マイケル・マッキントッシュの新作よ!」
「よぉしきた。ちょっと待て。ビールを冷蔵庫から出してくる」
ノーマン兄妹の評価を一気に押し上げた立役者マイケル・マッキントッシュ。しかしその番組のクオリティは宝石のような右腕を持つ日本製ピッチャーのスプリットフィンガーファストボールより急降下していた。それじゃあノーマン兄妹最大の推薦者の信用が落ちる。
「さぁ、スタートだ」
再生ボタンをClick!
「やぁ、マイケル・マッキントッシュだ。カメラマンはもちろん、ホセ・エステバン」
「ザッツラィッ」
「今日はカリフォルニア某所で目撃情報が多発している化け物、“モスマン”を見つけ出すぞ!」
チャールズは頭を抱えて頭痛の種をビールで喉の奥へと洗い流した。
「今回はインチキ企画か」
マイケル・マッキントッシュの番組にはインチキ風味とガチ風味があり、どっちにしろヤラセだが初期は『路上チェスで10連勝するまで絶食』『48時間耐久キャンプファイアー』『オーロラを見るまで帰れない』などまだ現実味のあるものだった。しかし最近では『チュパカブラとのタイマン』『食人族十番勝負』『沼に沈んだ三つ首龍』など明らかなインチキが増えていたのだ。そういうインチキ企画もモキュメンタリ―として悪くはないが、全てがインチキだと思われるとノーマン兄妹の活躍と実力も視聴者からは疑いの目を向けられる。
「こんな近場で撮影をしてたならハンバーガーぐらい奢ってやったのに」
「もう少し前だったらチーズバーガーだったのにね。モスマンなんてバカバカしいわ」
「おい見ろよ。あの町、この間通ったところじゃないか。モスマンの噂なんて聞いたか?」
「いいえ。モスマン目撃情報自体がでっち上げなのね」
Ding Dong!
チャイムが鳴ったのでドアを開けるとまたあの男だ。
「やぁミランダ。またウディだ」
「どうしたのウディ。またマイケル・マッキントッシュの新作? 内容が謝罪だといいけど」
「さっきの新作、受け取りのサインをもらうのを忘れたんだ。すまんな」
「OK」
大丈夫だ大丈夫! ウディは怪しいロリコンやヤクの売人ではない! ゾンビ現象で仕事をリタイアして財産と大型バイクを持て余し、全米中をバイクで走り回りながら郵便業を請け負っている団塊ボーイズと呼ばれるナイスなオッサンたちで、マイケル・マッキントッシュの新作を届けてくれるしミランダのバイクも見てくれる。
「そういえばウディ。インファントって町に行ったことある?」
「インファント? ああ、オレンジからそう遠くない田舎町だな。ミランダのバイクなら一晩で行けるぞ」
「モスマンの噂は?」
「それが最近、インファントには近づくと危険だって情報が出回ってきてる。怪しいモンスターが出るそうだ。若いころのメル・ギブソンの髪型みたいにフッサフサだが色はクリストファー・リーみたいに真っ白らしい」
「だってよぉ、兄さん!」
ガシャガシャしたガレージの開く音とバドワイザーのビンにキスするのをやめるキュポンという音が答えだ。
拳銃をホルダーにセット。クギバットを包んで助手席に乗せ、クーラーボックスにはミッキー&マロリー社のチキンブリトーが一杯だぁ! そしてマイケル・マッキントッシュの新作はウディからモスマンの噂を聞いただけで新たな旅の準備をスタートさせるほどつまらなかった!
「モスマンのゾンビを殺すと何点だ?」
CZK5 18-1-A
「エヴァン! まだ生きてる冷蔵庫が見つかったぞ!」
「本当にジェシー!? 中に入ってるは、えぇ~と」
「クラウン・コーラだ! それもキンキンに冷えたのが何ダースも! 両手じゃ数えきれないぜ!」
「Awesome! 今日からクラウン・コーラパーティね!」
クラウン・コーラ 全米のイチバンマーケットにて大好評発売中
CZK5 18-1-B
インファントの村の看板のペンキははげかけていた。体長2メートルはあろうかという謎のカメのガイコツが転がり、とても人が住んでいるようには思えなかった。インチキテレビマンがモスマンの着ぐるみを着せた役者を暴れさせるにはうってつけの過疎の村だ。
「クーラーボックスを持ってきてよかった。まともな飯は食えそうにないな。今日はキャンプだ」
「オエー。チキンブリトーと同じクーラーボックスのコーラとバドワイザー?」
「ちゃんと別に持って来てある。……ミランダ」
「ええ」
ミランダは背中のジャパニーズサムライソードアンブレラのストラップを外し、チャールズはクギバットを包んでいた新聞紙を剥がして狂暴なゾンビ殺しマシーンの乱杭歯を風にあたらせた。
「CHEERRNT!」
その時飛び出した白い影……。7フィートを超える長身に凶星である火星と同じく真っ赤な複眼だ! そして昔のメル・ギブソンぐらい毛むくじゃらでクリストファー・リーくらいの真っ白!
「いきなりヒットだ! 構えろミランダ!」
キラキラ。月光とキャンプの焚火が乱反射する。鱗粉だ。この鱗粉攻撃はまず、チャールズより1フィートも小さいミランダの体に奇妙な影響を及ぼした。
「モスマン……。死にさらせぇ! モスマン! 死ね! モスマン! 死ね! モスマンモスマンモスマン……」
「どうしたミランダ!? お前らしくないぞ! 落ち着け!」
「CHEERRNT!」
モスマンのWWEスーパースターじみたキックがチャールズをクモの巣の張った廃屋に蹴り込み、ガラスが鈍い音を立てて砕け散った。続いてモスマンはにわかに正気を失ったミランダの腕をGrap! Throw! 同じ廃屋に投げ込んだ! アーノルド・シュワルツェネッガーが教えを乞うほどのパワーだ!
「イッテェ……。目ぇ覚めたかよミランダ」
「ええ、何よあいつ」
「ケガはないか? 飛ばされたのが偶然ベッドの上で助かったぜ」
Crank!
「カットォ! ナイスだ! 迫真で最高のアクションだよ!」
「『California Zombie Killers』シーン27、テイク1でOKでぇす」
「Yes」
おお、なんということだ……。チャールズとミランダが偶然にも投げ込まれた廃屋の中は……外よりも広いというのか!? 直視できないほど眩しい照明器具、ディレクターズチェアに座った何人もの人物、ヘッドホンの人々……。カチンコの心地よい音で我に返った兄妹は、自分たちが着地したのがベッドではなく分厚いマットであることに気が付いた。拾い上げたガラス片はペラペラしたゼラチンの塊のようだった。二人が振り返ると、窓枠の向こうはインファントの廃村ではなかった。どこか立派なデパート……? ショッピングモールのような建物のショーウインドーで、のぞき込むとベニヤ板のハリボテだったのだ。
「モスマンは?」
「さぁな? ここはどこだ?」
「あ、でも見て兄さん。あそこに座ってるのはキャップじゃない?」
ディレクターズチェアに座って隣の人物と話しているのはキャプテン・カリフォルニアのように見える。しかし見覚えがあるのはキャップだけじゃない! 照明器具を操作しているのはバドワイザー基地のベックマン、スケッチブックに何かを描き込んでキャップに見せているのはストーンヘンジ兄妹の妹サンバック・ストーンヘンジ、キャップと話し込んでいるカリアゲの女性はあのタイガー・マザー、ユキコ・ミナミだ。
「……どうなってる?」
Bang! 急に一斗缶が蹴り上げられてメガネをかけた男が地団太を踏んだ。彼のことはよく知っている! スタンリー・ストーンヘンジだ! 死んだはずの彼が何故!?
「迫真で最高のアクションだって!? パァだぜ! ありがたくて涙が出るよ! よぉく見ろ! 照明に問題がある! パァだ! これで最高だって? おかげでセットがパァだ!」
「落ち着けスタンリー。モニターを」
「これで落ち着けるかってんだハーク! パァ! お前みたいな妥協主義者がそう言うのは当然だが俺はそうはいかねぇ! 酷すぎるぜあんまりだ! スピルバーグだって怒り狂ってファックって言いながらETを蹴り飛ばす光景が目に浮かぶぜ! こんなのを見せられた日にゃあルーカスだってこれがファッキンだってわかる! 怒りのあまりに一番重いブーツを履いてベイダーの股間を蹴り上げるだろうよ!! パァだ! パァ!」
「スタンリー! 口を慎め! すみません監督」
ベックマン? キャプテン? ハーク? 何故彼らがここに? しかもサミーは五体満足だしスタンリーに至っては生きているのだ! 生きて一斗缶をブラジル出身のサッカー選手の貧乏だった幼少期みたいに、「パァ!」と言う度に蹴り続けているのだ!
「一旦、ジェシーとエヴァンは休憩!」
コーラルフォレストのモヤシ男、ルクス・リベットがトランシーバーに怒鳴りつけると、同じくコーラルフォレストのアイシャ・セントーンがやってきて兄妹の手を引いた。
「アイシャ?」
「さぁ、お疲れ様。ジェシー、エヴァン。いつもの椅子に座って。メイクを落とすわ」
本物のアイシャはこんがりと焼けた小麦色の肌だったはずだ。しかしここではアイシャまでモヤシ! 青白い肌でチャールズとミランダをそれぞれ鏡台に座らせた。そこにはそれぞれ、メイクの手本のように決め顔や泥や血のりまみれのチャールズとミランダの写真が貼ってあった。
「おいアイシャ! おかしいぞ! 俺たちはジェシーとエヴァンじゃない」
「シィー……。静かに……。わかってる。でも、ここではあなたたちはチャールズ・ディーン・ノーマンとミランダ・レイチェル・ノーマンじゃないの。チャールズはハリウッドが誇る若手の大スター“ジェシー・リンカーン”。ミランダは史上最年少でレッドカーペットを歩いた元天才子役“エヴァン・ワイト”」
ムズムズムズムズムズ……。“ジェシー・リンカーン”という名前を聞いた途端、チャールズの心に何かただならぬ衝動が発生する。リビドー? また違う何かだ。少なくともU.S.Zでは味わったことのない、痛みより痒みに似た感覚に苛まれる。
「チャールズ……じゃなくてジェシーが欲しいのはこれ」
アイシャがすっとチャールズに差し出したのは、U.S.Zでは誕生する未来に到達できなかったステキな未来アイテム、スマートホンだ。チャールズはこの歴史的に極端ともいえる便利な発明品は見るのも触るのも初めてだが慣れた手つきでカメラを始動し、ミランダ……エヴァンと自分をフレームに入れてシャッターを切った。そしてSNSを起動し写真を投稿。即座にその写真へのコメントと好意的な評価がドラムロールで跳ねあがる。
「スゥッとした! まるで誰もいない荒野を裸馬に乗って疾走している気分だ!」
「ジェシー・リンカーンはSNS中毒のインフルエンサーだからね!」
「アイシャ。まともなのはお前だけだ。スタンリーはあんな暴言を吐くようなやつじゃない。ここはいったいどうなってる? スタンがいるってことは天国か?」
「確かにわたしは“天国に一番近い町”コーラルフォレストの愛娘、アイシャ・セントーン!! でもここではジェシーとエヴァンのパーソナルアシスタント兼メイク担当のスタッフなの。ここは天国じゃないわ。ここは『California Zombie Killers』という映画の撮影現場。あなたたちはモスマンによってここに転送されて来た“主人公たち”。そしてわたしは唯一、事情を知るガイドって訳。さぁ、台本を読んで。しばらくの間、チャールズは“Jesse Lincoln”を、ミランダは“Evan Wight”を演じなければならない」
CALIFORNIA ZOMBIE KILLERS
EP18 Freaky -M⇔E, C⇔J–





