4話
「ちょっと待ってトウさん。今の音は何!?」
「随分と古典的なやり方ですな。そんなので私の気は散らせんよ」
「聞こえなかったの? 爆発音よ!」
アイシャのカフェのベルがガランガランとけたたましい音を立て、高級なスーツを着たエージェントたちがやってきた。
「久しぶり、アイシャ・セントーン」
「キース・ケント・ナイトリー……」
Keith Kent Knightley。
トウと同じ組織に所属する元神父だ。トウの前任者で、コーラルフォレストの再開発に挑戦していたが、アイシャに何度も計画書を叩きつけられてこのゲームからは降りてしまった。
神父だったクセにトウよりも気が荒く、今の組織に入ってからはロザリオもキャソリックも捨てた。初めてコーラルフォレストに来た時こそ神父の恰好だったが、それはアイシャやモーガンを油断させるためのハッタリだ。神父の恰好をしていれば、立てこもりの強盗だって気を許す。なんという冷静で的確な判断力なんだ! きっとニンジャやアシュラやバッファローやナチ……まぁいろいろ従えることが出来るだろう。
無知、無学な子羊相手の口八丁は得意だが、地上げに関してはカカシ同然のトーシロであり、キース以上に冷静で正確な判断力を持つアイシャには全く敵わなかった。だがトウとキースが違ったのは、やっつけられてアイシャにホの字になった後、暴力で訴えてきたところだ。
「スシ・アワーは終わりのようだ、アイシャサン。キース、何をしに来た?」
「ボスがその気になった。終わりだアイシャ。コーラルフォレストは我々が頂戴する」
アイシャに敗れ、そして恋をしたキースのストレスとジレンマはどんどん募っていき、精神に乱れが生じ始めていた。アイシャかコーラルフォレスト、どちらかを手に入れないと終われない。そんなキースにボスは力を貸した。
実際、ボスにとってはコーラルフォレストやアイシャなんてどうでもいい。アイシャ・セントーンというハイスペックなインテリシンデレラに多少興味はあったが、組織にインテリは自分一人でよいと考えていた。組織に大事なのは、自分への敬意と忠誠だ。キースの望みを叶えてやれば、キースはますます自分をリスペクトするだろう。それに、最終的に暴力を使おうと、人が獣のように自らの欲望に忠実になる様を見るのがボスの最大の趣味だった。
「絆されやがって、ジャップが」
「まさか日本人まで差別するとは思わなかったぞ、KKK。何をする気だ?」
「ゾンビを解き放つ。コーラルフォレストは終わりだ。ブッ壊した後、ニュー・コーラルフォレストとしてリニューアルする。“天国”にふさわしいのは、我々のようなインテリの“天使”! さぁアイシャ・セントーン。今までよくも私の計画を邪魔してくれたな。チェックメイトだ。だが一つだけ選択肢がある」
キースがトウを突き飛ばし、アイシャの頬に触れた。
「私の妻になれ、アイシャ・セントーン」
「……」
「私の妻となり、ボスのためにその力を使え。君が今までやってきたことはSerious brief of etiquette。甚だ礼を失する行為。GHQを通さず直接ワシントンに講和の交渉をした占領国ジャパンのようなものだ。ジャパンの名産品はスシ、ニンジャ、アニメだが、コーラルフォレストはメシ、景色、女だろう? 植民地に過ぎんのだよ。我々に任せろ。今に君の目にはドナルド・トランプさえホームレスに見える程の金持ちにしてやろう」
「GHQ? Go Home Quicklyの略かしら?」
アイシャの顔は氷で出来たジャパニーズ・ノウメンのようだ。キースが触れている頬からも体温を感じない。それは激しい拒否を意味する。
「……。いいだろう。次は町を木っ端微塵にしてやる。あのアクアマンの船のように!」
「あの船? ハークのこと……ハークのこと!?」
アイシャの頬に赤みが刺す。キースの指先も少し熱くなってきた。
「私と一緒に来るかね? あの職人にも仕事を与えよう。アクアマンにもな」
「……約束して。コーラルフォレストには、そしてルクスには絶対に危害を加えないって」
「んん~? 魔法の言葉が足りないな。魔法の言葉が。“Please”が足りんぞ」
「……お願いします。コーラルフォレストとルクスに危害を加えないでください」
「“これ以上”はな。ホランドの小島で待つ。お前も来い、トヨタ」
〇
チャールズとハーク、そしてハークの手下たちがバーから出ると、既にZのお客が何人かいらっしゃっていた。ゾンビ危機に晒されたことのないコーラルフォレストには、ゾンビ殺しの経験がある者は少なく、恐怖も強い。もしかしたらイビサのDJ野郎はコーラルフォレストに来る前にゾンビ殺しをしたことがあるかもしれないが、ハークやハークの手下たちにその経験はなかった。
「ハーク、お前のジャンパー、随分と古いな? そろそろ新しいのが欲しくないか?」
「何を言ってるんだチャック! ゾンビが、ゾンビが来てるんだぞ!? コーラルフォレストが終わっちまう!」
「んああ、わかってる。だからお前のジャンパーを寄越せ。漁師が着てるもんだ、防水もバッチリだろ? だから早く寄越せ」
「ああわかったよ! こんなボロキレくれてやらぁ!」
ハークはカニみたいに泡を食ってジャンパーを脱ぎ、丸めてチャールズに投げ渡した。そしてチャールズはハークから受け取ったジャンパーをグリッと拳に巻きつけて即席のグローブを作り、生前はヒステリックな数学教師だったアルバート・バースティン(享年34歳 ゾンビ年齢1歳)の顔面目掛けて拳を叩きつける。
「Suck it!」
THUNK!
首より上の全ての骨が砕け、死後も続いたアルバートの居残り授業が遂に終わる。糸の切れたマリオネットのように地面に転がり、痙攣もせずに動かなくなった。次にチャールズは元バンドマンのジェロ・プホルス(享年22歳 ゾンビ年齢0歳)にパラシュートのようにジャンパーを投げ、ジャンパー越しにジェロの頭部を掴んで握り潰した! よかったなジェロ。他のメンバーももう二度死んでいるから、あの世でバンド再結成だ。
「と、ゾンビなんてこんなもんだ。お前にも出来るぞハーク。セブンイレブンかイチバンマーケットはあるか? あと、ブティックの場所もわかるな? 新しいジャンパーを買わなきゃいけないもんな。それとも“鮫”のハークは本当に鮫と同じでタマナシか?」
〇
「もう、嫌んなっちゃうわ。せっかくルクスとデートしてたのに。残念。ルクス、悪いけどこれからゾンビとデートするわ。それにあなたには本命がいるし」
「いつまでもアイシャイジリしてんじゃねぇぞオ子チャマ」
「で、どうする? わたしはゾンビの数を減らせるならどこに行ってもいいわ。あなたがアイシャのところに戻るんなら、ついていってあげてもいい」
「じゃあ頼むわ。ハークのヤツも来るはずだ。こいつを渡さなきゃな。ん?」
ルクスはツタンカーメンのお面を車の後部座席に投げ込んだ。
「どうしたの?」
「いや、気のせいか? 今、アイシャが遠ざかっていくような気配がした」
「ほとんどビョーキね、あなたのアイシャ好きは。シーラカンスはどうする? これが入るくらい大きなクーラーボックスはないけど、ここに捨てていくのはもったいないわ」
「シートに乗せちまえ。こんなボロ車はさっさと買い替えたかったんだ。それにアイシャがシーラカンス・スシ・ロールを作ってくれるだろう。ハハッ、ハークのヤツにも見せてやらなきゃな。あいつもシーラカンスを見るのは初めてのはずだ」
ルクスはポーチからお手製のスリングショットを取り出し、歩いていた小ガニを弾にして港をうろついていたオットー・グラブス(享年98歳 ゾンビ年齢0歳)にブルズアイ! ミランダは口笛を吹いた。
「おぉ、当たるもんだな。よくやったぞシザーハンズのエドワード」
シーラカンスを後部座席に放り込み、キーを回してカフェに戻った。
「ルクス! どこに行ってた!?」
アイシャのカフェにミランダとルクスが戻ると、二人の兄、そしてリベット兄弟の父モーガンがそこで待っていた。コーラルフォレストは混乱しているが、ハークの手下たちが先導して組織的ゾンビ殺しを進めている。
「アイシャがさらわれたぞ!」
「アイシャが? 誰がやった!?」
モーガンは計画書の束にタバコの火を押し付け、丁寧な字で書かれた置手紙をルクスに渡した。
「怪しい地上げ屋だ。ハーク、ルクス。お前たちには言っていなかったが、アイシャにはずっと再開発の反対を任せていた」
「再開発の反対? どういうことだ親父」
「まさかルクスにも話してなかったとはな。アイシャはたった一人で、地上げ屋と戦っていた。だが戦わせたのは他ならない、ワシじゃ」
「親父ィ……。なんでアイシャにそんなことをさせた!?」
「フン、話してもらえなかったのは、お前がアイシャに信用されてなかったからではないか?」
「クソッ、どいつもこいつも口を開けばアイシャアイシャとうるせェな! 放っといてくれ! アイシャのことも! 放っておいてやれよもう!」
ルクスが頭をかきむしり、地団駄を踏む。店の中の工芸品が泣くように音を立てた。
「そうはいかん。お前のことなどどうでもいいが、アイシャはみんなの人気者だ。そのアイシャにふさわしい者でなければみんな納得せんよ。のう? ハーク」
「あ、ああ」
「悪いが手紙は読ませてもらった。アイシャは今、ホランドの小島にいる。お前が迎えに行け」
「でも親父、船は全部爆破されちまったぞ」
「ボートがあるじゃろ。今日は風が強い。帆を張れ」
「帆? このテーブルクロスでも使うか?」
「ルクス。お前が家にヒソヒソ作っているものは? くだらんものなんて言われたくなければ、それを使え」
CZK4 12-4-A
「ミランダ! まだ生きてる冷蔵庫が見つかったぞ!」
「本当に兄さん! 中に入ってるは、えぇ~と」
「クラウン・コーラだ! それもキンキンに冷えたのが何ダースも! 両手じゃ数えきれないぜ!」
「Awesome! 今日からクラウン・コーラパーティね!」
クラウン・コーラ 全米のイチバンマーケットにて大好評発売中
CZK4 12-4-B
ルクスがセコセコ作っていたアイシャのためのウェディングドレスを帆に、二組の兄弟と乗せたボートはホランドの小島に向かう。
「ルクス」
「なんだハーク」
「シーラカンスを釣り上げたんだって?」
「釣ったのはミランダだ。アンタの船が爆発したショックでカンスの野郎が気絶しただけさ。よかったなハーク。カンスが釣れるとなりゃ、釣り人用の遊覧船も客が増える」
「いや、そうはいかねぇな。釣れるのはきっと“ルクスの場所”だけだ。あそこはお前の場所だろう? 漁業組合なんて作らせねぇぞ」
ノーマン兄妹は何も言わない。この後、殺すことになるのはゾンビじゃないかもしれない。ミランダは不慮の事故以外で人を殺したことはまだほとんどない。チャールズには人殺しの経験があったが……。
「ミランダ」
「何?」
「俺とハークが行く。それが兄貴の務めだ」
「かっこつけすぎよ。でもわかったわ」
ミランダはウェディングドレスを見上げる。きっとアイシャなら似合うんだろうな。ガタン。どうやらホランドの小島に着いたようだ。
「そぅらおいでなすった」
Zの面々がお出迎え! チャールズのクギバットは次々とZ-MENをナメローのように叩き潰す。
「本当にアイシャがここに? 何か奇妙だぞ」
「そうね兄さん」
ミランダもボートから降りて周囲を見渡す。ホランドの小島は既にZアイランドだ。
「相手がZならわたしも来てもいいでしょう?」
「そうだな。でも何かにおうぞ。よく考えてみろミランダ。ゾンビをコントロールする術がチキンブリトー以外にあるか? こんな小島で、エージェントやアイシャだけ襲わせずにゾンビをコントロールする。不可能だ。なんてこった! クイズだけで一〇〇万ドル稼ぐジョージア州のミスター・スミスでも解けねぇクイズが今、解けた! つまり、ここにアイシャはいねぇ!」
「いえ、そうでもないわ」
ミランダはため息をつき、カラテのブラックベルトのトウ・トヨタ(享年32歳 ゾンビ年齢0歳)の頭を撃ち抜く。
「わたしたちを罠にハメる、ってとこまでは兄さんとジョージア州のミスター・スミスも正解よ。でも、罠にハメて島で一気にわたしたちを殺る気なら、島にゾンビを連れてこなきゃ。何かしらの手段でゾンビをコントロールしている可能性が高いわ」
「なるほど。お見事だ。一二〇万ドル」
「それに、ルクスは既に正解を知っているわ」
「ルクスが正解を? 教えてくれよミランダ」
「ヒントはツタンカーメンよ。でもこれは一五〇万ドルのクイズ」
ミランダはルクスにもらった改造ツタンカーメンを被り、服のポケットというポケットに石を詰めた。そしてそのままジャバジャバと沖の方へ向かって歩いていく。何をしてるんだミランダ!? 君は海底にも別荘がある怪獣王だったのか!?
「なるほど、海の中か」
シュノーケルと酸素ボンベが内蔵されたルクスの改造ツタンカーメンマスクのおかげでミランダは水中でも呼吸が出来た。ゾンビは泳ぐことが出来ない。つまり、水中は安全地帯! ルクスはそれを知っていたから、この改造ツタンカーメンマスクを作っていたのだ! そして、アイシャと敵も水中にいるはずだ! Zアイランドに厄介な人間を集めて一網打尽にするために!
そして、ミランダが水に潜ったことで、ボートより少し沖の場所で気泡が激しく弾ける。
「そこにいるのか? アイシャ!?」
ルクスがボートの縁から身を乗り出し、箱メガネで気泡のもとを探ると、具合の悪そうなシーラカンスと、アクアラングを装着してアイシャの首を絞めるキース・ケント・ナイトリーがいた! クレバーで乙女なアイシャは、酸素を放棄すれば気泡で自分の居場所を必ずルクスがわかってくれると信じていたのだ!
「ハーク、銛をくれ。あの野郎をブッ殺してくる」
改造ツタンカーメンと銛を持ったルクス、安全地帯と思われた水中をやってくるミランダ……。ミランダとルクス、二人のツタンカーメンが迫る! ルクスは水中で意識を失いつつあるアイシャに自分の改造ツタンカーメンを被せ、銛でキースを威嚇する。しかしキースも海賊サーベルであっという間にモヤシのルクスの銛を叩き落とし、アイシャを奪い返してサーベルを首筋に突きつける。ここまではキースの想定内だ。
BURBLE……。
キースの足元から海底火山の噴火のように激しく気泡が立ち上る! だがこれは恐怖と混乱でレディの前で失態を犯したんじゃない。
「ドライアイス!」
「なんだハーク!? 何が起きてる!?」
「野郎が水中でドライアイスをぶちまけやがった!」
「なんてこった! 今日のミランダは薄着だぞ!」
「全くいい兄貴だぜお前はよぉチャック! 兄弟に女の子がいるとそんなことしか思いつかねぇのか!?」
水中に仕込んだドライアイス……。キースが狙ったのは気泡の煙幕か? それとも低温での水で薄着のミランダを凍死させにかかったのか!? 炭酸ガスの霧が海面にどんどん濃く張られていく!
「このスモークがマイケル・ジャクソンの登場シーンやGodzillaのため息にでも見えるか!? このまま酸欠のルクスとミランダとアイシャが水から顔を出してガスを吸えば死んじまうぞ!」
「Fuck it!」
「ルクスのカーメンの酸素ボンベは全然量が足りない! ルクスのシュノーケルの高さじゃこの霧は超えられない!」
「クソッ、モスキート・ダイビング・トゥ・ベイルファイアだ! どうする、どうするチャールズ・ディーン・ノーマン!」
水中のミランダとルクス、そしてアイシャは絶体絶命だ。だいぶ呼吸が落ち着いたアイシャがルクスにカーメンを返した。キースの策が一枚上回ったせいで特にアイシャは酸素が足りない!
考えろミランダ・レイチェル・ノーマン!
「……」
酸素はある。自分たちを水中に引き摺り込み、水中戦の根競べを仕掛けたキース! 勝てる根競べを強要するということは、キースが有利、つまりキースの酸素を奪えば一石二鳥!
ジャキッ。
「……」
浮かんでしまわないように海底の岩を掴みながら、ミランダはキースに銃を向ける。ただしこの賭けは分が悪い。カーメン越しでは視界が悪く、水中で銃を撃つのは初めてだ。射程、射線も掴めない。アイシャやルクスに当たるかもしれない。この根競べ、キースは上等だ!
KABOOM!
ミランダたちの頭上で閃光と爆音が散った。
「さぁてどうやって帰るかな」
乗ってきたボートを爆破し、水面の炭酸ガスを散らしたチャールズは、燃え上がるアイシャのためのウェディングドレスに十字を切った。ルクスの技術、時間、想いの集大成は激しく燃え上がりながら海の藻屑となっていく。結局、アイシャ自身が彼女のためのウェディングドレスを見ることはなかった。
ハークもカーメンを装着し、水中にやってきた。長髪が水に溶け、いよいよアクアマンだ。そしてルクス特製のビヨビヨしたルアーをキースに突き刺した! キースが動くたびにルアーがなびき、魚が呼び寄せられてキースをつつく。このままでは鳥葬ならぬ魚葬は時間の問題だ。
BLAM!
トドメにミランダの銃弾が足を撃ち抜き、ジワーッと血が滲む。魚たちはエラをパタパタさせて興奮する。ミランダ、ルクス、ハーク。そして死にかけているアイシャ。キースも引き際を悟った。まだ自分は戦えるが、このままだとアイシャが死んでしまう。最後の最後に、キースもコーラルフォレストの愛娘に負けたのだ。水面に向かって急浮上し、肺一杯に空気を吸い込んでこう言った。
「弁護士を呼べェ! 私には、私には“大陸最高の弁護士”がついている!」
〇
SAN FRANCISCO 20XX
束の間のバカンスを終えたノーマン兄妹は、サンフランシスコに帰ってドクに旅の報告をしていた。
「最後にアイシャが淹れた頭のシビれるようなコーヒーでシャキっとしてゾンビを殺した。まぁこういう訳さドク。地上げエージェントには自殺か裁判か選ばせたが、ヤツの弁護士は来なかったよ。コーラルフォレストに興味を?」
「んみゃぁ。殺したのかにゃ?」
「んな訳ねぇだろ。魚がマズくならぁ」
「うん、それでそれで? コーラルフォレストの“天使”は?」
「天使? なんのことだ?」
「アイシャとルクス」
「んん? ンフフフ。コーラルフォレストは天国! 自分の目で確かめな。だがなドク。あそこの名産品が女だってのは、マジだったぜ。天使は現世にいる」
ミランダはドクのワイフのミスズちゃん、そしてミセスに結婚の時の話を聞いた。ワイフのミスズちゃんのジャパニーズ・ウェディングドレスの写真も見せてもらったが、何より美しかったのはミスズちゃんの嬉しそうな笑顔だ。ドクもハカマ・ウェアを着て二人で馬車に乗っていた。そんな珍プレイなのに、とても幸せそうだった。
「チャールズ!」
「そう急ぐなよドク。急ぐのはお前が結婚式の時に乗ってた馬車だけだ」
「グッ……あれはミスズちゃんが……。笑ってやる……。お前の結婚式だって指さして笑ってやる! ボクやベンジーがやられたみたいに!」
「ああそう。今度、サンフランシスコに新しくシーラカンス料理の店が出来るらしいな」
「そりゃあいい、お前の結婚式のメインディッシュとハネムーン先が決まったようだにゃ」
CZK4-13-1
『ザ・スカベンジャーズ -スカベンジャーズvsゾンビシャーク-』





