心機一転
ブレイブのパーティが壊滅してから3日経過していた。
アリアさんからブレイブや命を落とした冒険者達、アークデーモンの風貌や特性は関係者に通達され、その後冒険者達に大々的に公開された。
だが、異世界の勇者の存在は冒険者達にいらぬ混乱を及ぼすとして秘密となった。
しかし、ブレイブのパーティを壊滅させ、数々の腕利きの冒険者達を全滅させたアークデーモンは刺激しないようにと、討伐に関しては禁止命令が出された。
俺達は相変わらずいつもの面子で酒場に集まっていた。
「あのブレイブさんが死ぬなんて・・・。」
バナザードはブレイブの死を知ってからずっと、落ち込んでいる。
「バナザード・・・毎日同じ事言ってる~。」
「しかし、最強の冒険者パーティが壊滅ですか・・・面倒な事ですねぇ。」
酒の席なのにみんな落ち込んでいて、お通夜状態である。
そして酒場全体も暗い雰囲気で、いつものようなウルサ・・・いやにぎやかさがない。
「アル、アリーシャさんは元気だったんだよな。」
「はい・・・とはいえアークデーモンと対峙したので、精神的にはまいっていましたが・・・。」
「居場所・・・教えられないんだよな?」
「ええ、酷く怯えて精神的に不安定な状態なので教えられません。でも、アリアさんが責任をもって面倒を見ているので心配しないでください。」
アリーシャさんと面会した後、アリアさんの要望で療養している場所を秘密にする事になった。
理由としては、精神的に不安定なアリーシャさんを守るためらしい。
「パーティに同行させてもらった時、アリーシャさんには色々と面倒見てもらったから、会いたかったが仕方ないよなあ・・・。」
「アリーシャさんも会いたがってましたよ。」
「そうか・・・。」
最近はいつも同じ質問をされては返すの繰り返しである。
「よう!しけた面してるじゃねえか!」
誰かが声をかけてきたので振り向くと、見知らぬ男が話しかけてきた。
俺は返答に困ったが、男は引き連れてきた2人の男達と共に勝手にテーブルに座ってきた。
「バナザード、死体回収の仕事が終わったからきたぜ。」
「・・・ああ、ルイ―ドか。」
「久しぶりだな。俺達を呼ぶなんて珍しいな。」
彼はバナザードとの挨拶が終わると、俺達に自己紹介をし始めた。
「俺の名はルイ―ド、戦士レベル19だ。よろしくな!」
そういうと彼は俺達全員に握手を求めてきた。
プックルもゼルも、そして俺も彼の強引さに負けて握手をしてしまう。
そして、他2人の自己紹介もこちらの意向などお構いなしにし始めた。
「それと、右から神官スタリオンと魔術師ダンタリオ、どちらもレベル19だ。」
他2人も挨拶軽く会釈をして挨拶が終わった。
初めはあっけにとられたが、彼らの名前には聞き覚えがあった。
3人とも俺が作ったキャラクターで、迷宮で全滅した時の死体回収役で作ったキャラ達だ。
急遽作ったので、下級職で能力にも突出したものはないが、使っている間にいつの間にか育って、結構実力者に成り上がったキャラ達だ。
装備もメインパーティのお古だが、結構良かったりする。
「これから一緒に迷宮に潜る仲間だ!よろしくな!」
(ん?一緒に迷宮に潜る仲間?)
「プックル、ゼル、これからブレイブさんを助けるための力をつける。そのために彼らと組み、6人で積極的に迷宮に潜るつもりだ。」
「え~そうなの?そうなの?」
「そんな事を考えていたとは・・・面倒な事になりましたねぇ・・・。」
バナザードはただ飲んだくれていると思っていたが、色々考えて下準備していたようだ。
(しかし6人?・・・という事は?)
「おい、アル・・・貴様は首だ。足手まといの荷物持ちはいらねえ。」




