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戦闘開始

騎士ブレイブのパーティと不老不死の魔導士の軍団が睨みあう。


「では・・・そろそろ始めるか。」

彼は皺くちゃの老人とは思えない透き通った声で、戦闘開始の合図をした。


騎士ブレイブは交戦状態になった途端叫ぶ!

「マリーシャ放て!先手必勝だ!」


すでに魔術師マリーシャの魔術は完成しており、指先に光が収束している。


「すべての敵を殲滅せよ・・・メテオブラスト《爆裂》!」


指先から一筋の光が放たれる。

光線はバンパイアの集団まで到達すると、突然膨張し振動と共に大爆発を起こす。

広範囲を破壊する魔術師最強の呪文だ。

普通の魔物なら一撃ですべて終わるが・・・奴らはそんな玉ではないだろう。


「もう一発いきますよ!すべての敵を殲滅せよ・・・メテオブラスト《爆裂》!」


賢者アウグストが間髪入れずに魔術師最強の呪文をぶっ放す。

賢者は魔術師の魔術と神官の奇跡をどちらも覚えるが、習得スピードが非常に遅い。

普通なら最強呪文など覚える事自体厳しいのだが、彼は高レベルのためすべてを使いこなすのだ。


「やったか?・・・ってやってないよな!」


敵の戦力を確認すると、まだ不老不死の魔導士とバンパイアロードはもちろん、それ以外にも2人残っている。

高位の存在は常時障壁を展開しているため、魔術攻撃を軽減もしくは無効化してしまう。


「やはり簡単にはいかないな。だが、だいぶ減らした。・・・切り込むぞ!ルキリア頼む!」


神官ルキリアがその言葉に反応して、奇跡の力を発動する。

「我が友を守れ・・・プロテクション《防壁》!」


パーティ全員の体が淡い光に包まれる。

物理攻撃を軽減する中級の奇跡だ。


「ウォオオオオオオ!」

騎士ブレイブは盾を構えたまま敵に突進する。

目標はバンパイアとなった哀れな冒険者の賢者だ。

戦いにおいて、魔術を使える存在が一番やっかいだ。

特に私達は魔術に対する抵抗力が基本ない。

だから呪文を封じるか、とにかく早く倒すしかないのだ。


当然、敵も魔術攻撃の有用性は理解している。

すぐさま、武人のバンパイアが賢者を守るように立ちふさがる。


武人は切り味鋭い刀で鎧の隙間や急所などを的確に連続攻撃してくるので、下手をしたら一人だけでパーティを半壊させる能力を秘めている。


「だが守りにおいては、てんで素人だな!」


相手が刀を振り下ろして撃退しようとするが、プロテクション《防壁》と分厚い鎧を一撃で切り裂く事は、伝説の名刀以外不可能だ。

足を止めず、盾を前面に出した突進・・・止める手段を持たない武人はそのまま吹っ飛び地面に転がる。

しかし、そのせいで勢いが潰され足が止まる。


その隙を見逃さずに、賢者は手をかざし魔術を放とうとする。


「グゥウウ、スベテをコオらセヨ、ブリザー・・・グゥワ!。」


だが、魔術が完成する前に喉に深々とナイフが突き刺さる。

後ろに隠れていた、盗賊ミリアムの投げたナイフがクリーンヒットしたようだ。


普通ならそれで絶命するはずだが、自ら抜こうとナイフを引っ張る。

もう彼らは人間ではない・・・バンパイア、不死の魔物なのだ。

奴らを消滅させるには特殊な奇跡か、体が再生不可能なほど大きく損傷させるしかない。


「賢者ヒース・・・引導を渡してやる、安らかに眠れ。」

その決意の言葉と共に渾身の力で剣を振り下ろす。

彼は真っ二つになり灰となって消えた。


「ミリアム援護すまないな。」

「私、戦いは苦手なんだからやらせないでよね。」


「フン、それなら後は任せておけ・・・でゴザル。」

声の方向を見ると、武人ザンゲキがゆっくりと歩いてきていた。

足元には武人のバンパイアの首が転がっている。


「倒したのか?」

「いくら達人であろうとも体勢を崩した相手など簡単・・・しかし、残念でゴザル。武人ユキムラ殿とはこのような決着をつけたくなかった・・・。」


私達は残った二人の敵の方を向き戦闘態勢を整える。


「やはり強い・・・レベル50は伊達ではないようですね。」

「余裕だな。ただ見ているだけとは・・・もう貴様達2人しかいないぞ。」

「2人だけだって・・・周りを見てみなよ。」


殺気を感じ、周りを見てみると大量のバンパイアに囲まれていた。


「バンパイア・・・いや、冒険者達の成れの果てが、まだこんなにいたのか?」

「さて第二ラウンドといきましょうか?」

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