地下3階
ついに目的の地下3階に到達した。
バナザードが言った通り、ここから敵の凶悪さが一気に増す。
しかも落とし穴が設置されており足を踏み外すと地下4階に落とされて脱出が困難になるというおまけ付きだ。
しかし、今まで迷宮内を確認してきたが、俺の記憶と構造は同じなので油断さえしなければ落とし穴は回避できるはずだ。
「よし、地下3階の探索を始める。救出するのはアリアさんの後輩6人だ。特徴は最初に説明した通りだ。どういう状態かわからないから、退路確保のため出てくる魔物は全部倒すぞ。」
バナザード達はすでに完全なマップをすでに完成させているらしく、迷いなくこの階層を隅々まで順に確認していく。
「よし、まずはこの小部屋を全て確認する。配置されている魔物と戦う事になるがいつもの通りにすれば楽勝だ。」
ドアを体で押し込んで隊列を維持しつつなだれ込むように入ると、そこには巨大なクマが待ち構えていた。
一体だけとはいえ、日本で遭遇したら人間では絶対勝てないであろう巨体だ。
「ウォオオオオオオオ!」
バナザードがその勢いのまま剣で切りかかる!
その一撃は頑強そうなクマの体を切り裂く!
「グゥゥウウウウウウ!」
クマはその攻撃に少しひるむが、太い腕を振り下ろしバナザードを襲う・・・がその攻撃を盾を構えつつヒラリと避ける。
「ちっ!このなまくら剣め!通りが悪い!」
悪態をつきながら彼は次の攻撃の為に構えるが、すでにクマの喉には槍が突き刺さり絶命していた。
「おお、さすがアリアさん。」
「いえ、最初の一撃でふらついていたので簡単でした。」
(こんな化け物を倒すとは・・・レベルを上げれば俺でも可能になるのか?)
俺が感心していると、倒れていたクマの魔物の体が消えた。
「え・・・、魔物が消えた?」
「・・・魔物達は迷宮の特定の位置に定期的に召喚され配備されるようになっている・・らしい。だから死んだら召喚契約が解除されて元の場所に戻される・・・らしい。」
「らしい・・・という事は確定ではない?」
「冒険者達が勝手に考えた予想。実際はどうかわからない。真実は最下層にいると言われている不老不死の大魔導士に聞くしかない。」
ゲーム内では魔物にそんな設定はなかった。
(しかし、現実的に考えてみると定期的に魔物が復活するのには理由が必要ではある。それに殺した魔物が迷宮に放置されているなら腐って色々問題も出るだろう・・・と考えると食物連鎖や汚物などの事も矛盾だらけになるから・・・うんたらかんたら・・・。)
「どうしたの?」
「ああ、いやなんでもない。」
(しかし、アルテナはずいぶんと話してくれるようになったな。小さい声なのによく聞こえる・・・不思議だ。しかし隣の顔色の悪いエルフとは一切話していないな。まあ話す事もないけど。)
彼の方をちらりと見たが、ずっとダルそうで、何かしようとする気もないようだ。
まだ彼が何者かは判別出来ていない。
少しは話しかけて、冒険者カードを確認させてもらってもいいかもしれない。




