5話 白百合式中間テスト対策
ゴールデンウィークが明けてから初めての同好会活動日。耀は、みんなが集まったタイミングで、にこにこしながら口を開いた。
「みんな、投資資金100万円を援助してもらえたよ!これで実際の投資ができることになりました」
「え!?」
「どういう事?誰から??」
みんなが混乱している中、耀は答えた。
「私のお祖父様達からです」
すると、たまたま顧問として様子を見にきていた数学教師がポツリと呟いた。
「さすが、経営者と医師の孫…」
「ええ!先生、それ本当ですか!?」
「美澄。マジ、ブルジョワじゃん」
こうして資金も集まり、順調に進められると思いきや…。
ーー1週間後。
「やばい、中間テスト範囲のところが全然わからない」
「私も…」
「俺も…。同好会に参加するのが難しいレベルだ」
みんなが頭を抱えているのを見て、耀は困った顔をした。
「どうしよう…。みんなの力が無いと、1人では活動が出来ない…」
すると、両手に参考書の山を抱えて、1人の男子生徒が入ってきた。
「俺が見る。2年生の先輩は、教科書と副教材を見せてください。テストに出そうな重要なところに付箋を貼ります」
「百合宮くん…!!」
実は麗央は入試結果が2番目の成績入学した生徒だった。彼はいつも無表情だが、それはマイナスにはならず、どことなく高貴な雰囲気を身に纏っていると周囲から認識されていた。
「百合宮くん、私、去年の過去問を持ってくるよ。1年生のテスト勉強に役立ててね」
「え、佐藤さん、去年のテスト用紙とかまだ取ってるの?私もう捨てちゃったよ」
彼は1年生メンバーにホッチキスでまとめたプリントの束を手渡していった。
「ありがとうございます、佐藤先輩。…各教科の予測した箇所をそれぞれプリント3枚にまとめたから覚えろ。佐藤先輩の過去問と照らし合わせて問題を解けるようになれ。部活を掛け持ちしているメンバーは、部活がテスト休みに入るまでは通学時間や昼休みを活用しろ。睡眠時間は削るな、俺たちはまだ成長期だ。7時間は寝ろ」
1年生メンバーは、歓声を上げた。
「さすが、白百合の君!」
「神様ですか?貴方は神様なんですか!?」
(授業中にクラスメイトの反応を見ていたから、このまま放置してたらまずいと思っていたんだよなあ……)
耀は、プリントをパラパラとめくってから、天使の微笑みを浮かべた。
「…すごい。すごいよ、百合宮くん。今までずっと努力してきたんだね。本当に尊敬するよ」
「俺は…そんな事、クラスメイトに初めて言われた」
(今までだったら、おべっかの中にマイナスの感情を滲ませてくるものだと思ってたのに。…美澄はそうじゃないのか?)




