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4話 同好会設立と祖父の支援金


 月日は戻って晴夏に鼓舞された翌日、耀はクラスメイト2人と共に、数学教師のところに同好会設立の為の相談に行った。


「投資同好会を作りたい?なんでまたそんな…」

「入学式のスピーチでお話した通り、この同好会で活動することが地域の未来のための第一歩となると感じたからです。2人は私の話に賛同してくれました」


 2人はお互いの顔を見合わせて、頷きながら口を開いた。


「まあ俺は地域のためというよりか、美澄といっしょなら学べる事が多そうだという理由の方が大きいですがね」

「私はボランティア部と掛け持ち予定〜。2つの活動を通して、活かせる事が増えるかなぁと期待しまして!」


 先生は、少し考えてから口を開いた。


「…俺も入学式のスピーチを聞いて、美澄が悪い奴じゃないことは理解している。メンバーを後5人くらい集めれば許可する。口座は俺名義で開設しよう。だが、会費は出ないぞ」

「先生…ありがとうございます!」


((なんだこの清らかオーラは!?浄化される…!?))


 

 1週間後、同級生4人と2年生3人が新たに入会してくれる事になり、同好会は発足した。週1回、空き教室からのスタートだ。


「最初の半年くらいは、図書館で借りた本を読んで、地域の身近な企業の分析をしつつ、会費を貯めようと思います。実際の投資は会費がたまり次第という事で」

「賛成〜!」

「事前知識は大切ですからね。さすが耀さんっ」

「私、良さそうな本選びを手伝います!」

「俺も本を運ぶのを手伝うよ!」


 4月はあっという間に過ぎて、ゴールデンウィーク期間中。耀は父の実家で、家族の集まりに参加した。母方の祖父母も参加してくれた。


「耀、高校生活はどうだ?順調にやっていけそうか?」

「はい、周りの皆さんにも恵まれて、楽しく通えています。本当にありがたい事です」


 耀がニコニコしながら答えると、父方の祖父は嬉しそうな表情をした。


「美奈子さんから、入学式の映像を見せてもらったよ。素晴らしい心構えじゃないか」

「あなたの成長した姿を見ると、小さかった頃を思い出して感慨深くなるわ」


 父方の祖母はそう言って、封筒を取り出した。


「あなたのお祖父様と相談して渡す事にしたの。50万円が入っているわ。投資の勉強に役立ててね」

「お祖父様、お祖母様…。ありがとうございます!」

「証券口座は自分で比較検討して選びなさい。…わからない事があれば、私や息子に相談するんだぞ?」

 

 母方の祖父も、封筒を耀に手渡した。


「遅くなってしまったが高校の入学祝いとして、こちらも50万円を耀に渡そう。…地域の未来の為に頑張ってくれよ?」

「ありがとうございます…。必ず、還元します!」


 それを見ていた耀の兄は忠告し、姉に宥められていた。


「これはお祖父様方からの先行投資でもあるんだ。学業も疎かにするなよ」

「耀ちゃんなら大丈夫だよー。お兄ちゃん、心配しすぎっ」


(…これを、同好会の投資資金に使おう!)


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