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17話 夏休み ニューヨーク市場で暴れる天使と白百合


 大学入学後、初めての夏季休暇中、耀と麗央は『利益を稼げるだけ稼ぐぞ』と燃えていた。


「もう、春休み中にデイトレで調子に乗って3000万稼いでしまったから、来年も扶養から外れることは確定していますし……。国民の義務を支払う分まで、元を取ってやります!」

「ヨウ…。国保には上限はあるが……。累進課税制度って、知ってるか?」

「……うわーん!」


 耀はノートパソコンの前で頭を振り乱しながらも、グラフが表示されている画面を睨みつけた。


「やれるだけやってやります!」

「俺も付き合うよ。ヨウとなら、どこまでも行ける気がする」


 2人は夜中もオンラインで繋いで会話しながら取引を行っていたため、帰省中も昼夜逆転して親に怒られていた。ドライアイ気味にもなった。


「受験生の時はお父さんと相談して保険料とかは払ってあげるって言ったけど、自分で払うからって生活を疎かにしてまで打ち込むことじゃないでしよ!?」

「ごめんなさい、お母さん。今いいところだから、後1週間くらい待ってください」

「耀ちゃん!!」


 麗央は耀の母の本気の怒りを画面越しに感じた。麗央の母も、『弟達に悪影響なんだけど』と、最近は冷めた目で麗央を見ていた。


「……ヨウ。必ず1週間後には規則正しくしよう」

「ええ、分かっています。そんなわけで、朝ごはんはお昼に食べます。おやすみなさい、お母さん」

「もー!!」


 2人は1週間後には規則正しい生活を送ったため、新学期には体内時計は元に戻せたが、引きこもり生活の影響で同級生の中で目立つくらいに色白になっていた。


「日、日差しがキツい……。溶けちゃいそうです」

「ああ、そうだな。日傘使うか?俺は折り畳みの兼用も持ってるから」

「助かります〜!ありがとうございますっ」

「日焼け止めもあるぞ。念のため塗っとけ」

「さすがレオ!私も帰りに買いに行きますね」

「日焼けのピリピリで判断ミスするのはもったいないしな」


 夏季休暇中はデイトレで2人合わせて8000万稼ぎ、新学期が始まるとスイングトレードに切り替えた。だが、講義中に保有していた業界の株価が暴落し、1200万溶かしてしまった。


「ううー。悲しい……」

「良いタイミングで損切り出来なかったんだ。仕方ない。高い勉強代だったが……」




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