表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/18

13話 先輩の過去の因縁


 卒業式が終わって3年生が全員卒業した、数日後。

麗央が自室で読書をしていると、クラスメイトから電話がかかってきた。


「百合宮、突然電話してごめん。B組の友達が、美澄は精神的に不安定になっていたりしないか、大丈夫なのか心配していて連絡しました」

「…特に変わらないが、どうかしたのか?」


 彼とは図書委員繋がりで、たまに雑談やメッセージのやりとりをしていたくらいの仲だ。電話をかけてくることは、今まで無かった。


「その友達はテニス部なんだけど。卒業式で美澄が白石先輩にお花を渡しているのを、部活の先輩が見た瞬間から動揺していたのが気になって、昨日理由を教えてもらったらしいんだ……」

「その理由がヨウに関係するのか?」

「うん……」


 彼は言い淀みつつも、理由を説明してくれた。


「えっと、『白石先輩は卒業されたし、もう時効だろうから』って教えてくれたらしい。彼女、高校2年の時に1つ上のテニス部のエースで模試A判定常連だった先輩を笑顔でおかしくさせて、秋には休学に追い込んだらしいんだ」

「なんだって……!?」


(花を渡すべきか悩んでいたヨウに、後悔の無いように渡せと言ったが……。俺は無責任な発言をしていたのか)


「そのエースの先輩は復学後も痩せてて、体育をよく見学していて、受験も失敗したらしい。卒業は出来たんだけど、海外に行ったきりなんだって」

「ひどいな…」


(白石先輩に近づいたら傷つけられてしまう。ヨウが連絡先を交換出来ていなくて良かった)


「教えてくれてありがとう。ヨウのこと、しばらく注意して見るよ。助かった」

「俺も百合宮が美澄のこと見ててくれて、安心だよ。だって春休み期間になったら、同好会メンバーくらいしか見守れないし」

「まあ、気持ちの折り合いをどうつけるかは、ヨウにしか決められないけどな…」

「うん、そうだね」


 それからは、最近読んだ本をお互いにおすすめしあってから電話を切った。


(念の為、柿本さんに伝えておこう)


 麗央は柿本さんに電話をかけると、数コールの後に出てくれたので、その話を彼女に伝えた。


「知らなかったけど、私達が直接美澄さんに何か言ったとして、意固地になっても困るわね……」

「ああ。複数人で見守る方が、何かのサインを見落とすことも減りそうだし、柿本さんもヨウを見ていてくれると助かる」

「分かったわ、未来の義理のお姉ちゃんとして見守ります」

「ありがとう」


(柿本さん、ちょっと先走ってるな。……だけどいずれそうなるだろうし、指摘するのは止めておこう)


 麗央は電話を切った後、心を落ち着けるために紅茶を淹れた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ