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12話 麗央の誕生日と恋の進捗確認


 11月10日。


 耀はカバンからシルバーのリボンが結ばれている小さな箱を取り出し、麗央に手渡した。


「レオ。16歳のお誕生日、おめでとうございます。気に入ってもらえるかは分かりませんが、似合うと思って…」


 麗央が開けてみると、ペン先とクリップが金色の、ネイビーのボールペンが入っていた。ペンの軸部分には名前も入っている。


「ありがとう。……前に、ヨウは小遣いは全て純金積立に全額つぎ込んでるって言ってなかったか?」

「うん。今月は積立ませんでした。レオの誕生日の方が大切なので」


 麗央は微かに微笑んだ。


「そうか……。大事に使わせてもらう」


 そう言って、早速ペンケースにボールペンをしまっていた。


(喜んでもらえて嬉しい)


「じゃあ、話の続きに戻ろうか。この間の利益を使って、次の投資先を決めたいんだが」

「そうですね。私は、こことか良いかなと思うんですけど……」


 作戦中、中村くんがビニール袋を持って佐藤先輩と教室に入ってきた。


「百合宮くん、誕生日おめでとうございます!シュークリームパーティーしましょう」

「購買で賞味期限が今日までのを値引きしてもらったから、1人60円ね」


 2人がみんなにシュークリームを手渡していく。


「百合宮くんおめでとう!主役は徴収無しよ。次のパーティーの主役は美澄さんだから、その時にお願いね」

「大丈夫です、参加しますよ。佐藤先輩」


「ちょっと聞きたいんですけど、美澄はどうやって倹約してるんですか?お小遣いが積立で無くなってるのに、交際費とかどうしてるんですか?」


 耀が中村くんに小銭を渡すと、質問された。


「中学までのお小遣いやお年玉の残り、お弁当ない日のランチ代の余りを使っていますよ。

服はおさがりで十分ですし、本は基本的に図書館で借ります。学校行事や授業に必要な分とか、勉強に必要な本代は出して貰えます。文房具とかの消耗品は誕生日にまとめておねだり予定ですっ」


 由佳里が佐藤先輩に小銭を渡しながら耀に微笑んだ。


「私も修吾さんに良いお嫁さんイメージを持ってもらえるように、今から倹約してみようかしら。参考にさせてもらうね」

「兄とは今どんな感じなんですか?私や家族が聞いても照れて真っ赤になっちゃうんです」

「もちろん大学生になるまでは、週1くらいのペースで連絡を取るくらいで我慢するわよ?負担をかけたくないし、未成年がからかってるだなんて好きな人には誤解されたくないもん」


 その場にいた同好会メンバーは、少し口を尖らせながら頬を染める彼女を見て、『柿本さんと美澄のお兄さん。もう付き合っちゃえよ』と内心思っていた。



 みんなが食べ終えた頃、麗央は静かに呟いた。


「お祝いして貰ったし、来月は確実に利益を出すぞ」


 それを聞いた面々は、表情を切り替えて投資モードになった。



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