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第39話 戦いの最中

――ドッシィィィィン!!


「マジかよ…!」


ファフニールの言葉に若干動揺しつつも何とか医療施設の付近に着地したのだが…!


「何があってこんなになってんだ!?」


それは医療施設とは言えぬほどのものになってしまっていた。

火が立ち上がり、瓦礫がそこら中に転がっていてオールイーターと戦うARMORたちが見て取れる。こんなに大群が…!!


「クソが…ファフニール、やるぞ!」


そうファフニールに声をかけたと同時に


「がぁぁぁっ!!?」


情報が流れ込み、反動で全身に巡る痛み。

けど…知ったこっちゃねぇよ!

背面のホルスターから大剣を取り出して、鍔迫り合いをしているオールイーターとARMORに突撃する。


「おぉらぁ!!」


大剣をオールイーターを目掛けて振り下ろし、一撃で葬る。


『何だおま…まて、ナンバーズか!?』


オールイーターを叩き潰した後、助けたARMORから通信が入る。


「ナンバーズ、鴉羽零亜だ!他のナンバーズももう少しで到着する!」

『助かる…だが』

「だが…どうした?」

『医療施設内の患者や医師の避難が終わっていないし、未だにオールイーターは医療施設を目掛けて攻めてきている!なんとか時間を稼げないだろうか…?』

「分かった、ここは任せてくれ」

『期待してるぞナンバーズ!』


そう言い残し、ARMORは医療施設へと向かっていった。


「時間を稼げ、か」


先程の言葉をもう一度、言いながらオールイーター達の方を見る。

AT学園の前橋やレ・ゾーンに比べても明らかに今回は数が多い…一体、どういう理由で出現するんだコイツらは。

人が多い場所か?いや、そうなると珊瑚さんのライブの時もかなり人が集まってきたはずだ。だが、そこに向かったオールイーターは蟷螂一匹のみ。


(どういう理由でここを襲ったんだ…?)


なんて考えていたら


『ナンバーズ、ソフィーハントを含め八神斑琥、アウローラ・ヴァルティ。現着しましたわ』


俺の後ろに3機のARMORが着地した。

ロビンフット、ヴィオーラ、紫苑…言わずもがなナンバーズだ。


『どういう状況だ?』

「先程、他のARMOR”sに聞いたところ医療施設は未だに避難は完了しておらず、オールイーターは進行してきているとのことです」

『何故ここを…』

「分かりません、ですが時間を稼いでほしいと」

『まぁそうだろうな…流石に避難させるのが最優先だ』


と納得したかのような声を出す八神さん。


『となると、アレを何とかしないといけませんね』


アウローラさんが見た方向には大量のオールイーターとそれと戦っているARMOR”s達。


『現在の状況を見る限りではARMORの大破も何機か出ており、パイロットの何名かは既に撤退済みです。喰われた人はいませんが…戦力は減りつつあります』

『私たちだけでどれだけ減らせて、どれだけの時間を稼げるか…』

『とにかく、やるしかないだろ。まぁ今回は鴉羽っていう最前線最強の矛も居る』

「そこまで期待しないでくださいよ…」

『期待はしなくても、一機増えただけで充分ですわ』


そういいながらロビンフットは動き出し、弓を構える。


『では…始めましょうか、ナンバーズの戦いを。アウローラ、八神、そして鴉羽零亜』

『はい』

『あぁ』

「わかりました」


そういいながら俺たちは、大群のオールイーターの方へ視線を向ける。


(ファフニール…前の話だが、今の俺ならリミッターは外せるか?)


…まだ無理か。

ファフニールの見解としては俺はまだ専用アビリティのS/Overlordの負荷に耐えられない。

ただ、耐えれるようにはなってきているとのこと。

そのおかげで多少の情報量の負荷に耐えやすくなり、同時に多少は出力を上げられるみたいだ。

およそムカデとの戦い時で出力の限界を超えたくらいまでは出せるとのこと。

なら、出力を上げよう。


「ファフニール、頼む」


そう告げた瞬間、黒い枷が変形し、赤黒い光と黒い粒子が放出された。

そして


「ぐうぅっ!!!ふぅっ!ふぅっ!!」


元々あった情報が全て更新され、網膜投影されたパラメーターも引きあがるが…激痛が走る。けど…ムカデの時に比べて耐えれてる!

大量出血で死にかけるほどじゃない!


「はあぁぁぁっ…!」


操作レバーを握りしめ、息を思い切り吐く。

とりあえず、どうやって戦うのだろうと考えていると


『鴉羽零亜』

「はい…!」

『恐らく、貴方の戦い方的にも単騎で動いた方が動きやすいと感じます。なので命じましょう…ファフニールと鴉羽零亜の二人で暴れてきなさい』


ソフィー生徒会長は俺に対して、単騎で戦っていいと命じてくれた。

対オールイーターの基本戦術としてツーマンセルで動くのだが、俺はそれをしなくていいとのこと。


「いいんですか?」

『えぇ、むしろツーマンセルが枷になるかもしれません。それにナンバーズの戦い方はまだ知らないでしょうし、戻ったらコンビネーションの練習をしましょう』

「わかり…ました!」


帰ったらナンバーズとしてのコンビネーションの練習をすることを約束した。

単騎で潰すことを決意し、ファフニールの指示を頭の中で整理する。


『一応通信は切っておきますが、何かあったら連絡してくださいまし。では…暴れてきていいですわ』

『行ってこい鴉羽!他のARMOR’sの戦績を越えるくらい潰せ!』

『無理はしないでくださいね?』

「わかりました!行くぞ…ファフニールッ!!」


ナンバーズの三人に背中を押されると同時に全スラスターを解放し、大剣を握りしめて突撃していく。


「うぉぉぉぉぉっ!!」


接近してくる新しいARMORに気が付いたのか、一部のオールイーターがこちらに向かって突撃してくる。


「…そうだな、俺たちのすべきことは決まってる!」


ファフニールの意見と俺の意見は一致し、大剣の腹を前に出しながら突撃する。

そして、向かってきたオールイーターの攻撃の全てを大剣で受け止める!


――ドシィィン!


【ギャアォオッ!?】


4匹のオールイーターの突進を受け止めたまま…押し返しながら上に切り上げて宙を舞ったオールイーターを横の薙ぎ払いで吹き飛ばし、ぶった切る!


――ザシュアッ!!


肉片と黒い液体が周囲にまき散らされると同時に斬ったオールイーター達が動かなくなったことを確認して次の矛先を探す。


「があぁぁっ!!次は…!?」


全身に巡る痛みを自分の咆哮で紛らわしつつ、次の獲物を探す。


「ファフニール、次は…何処にいる…!」


激痛と共にファフニールの声が次の獲物を教えてくれた。


「ぐあぁぁっ!はぁっ!はぁっ…!そこかぁぁぁ!!」


そうだ…暴れるんだ。俺とファフニールで!

時間稼ぎも、敵の数を減らすのなら…俺たちでとにかく暴れたほうが都合がいい!

俺たちは魔龍だ。

飛翔する魔龍だ。

一匹残らず…!


「ぶっ潰すッ!!」


◇◇◇


『早速、暴れ始めたようだな。惚れ惚れする戦い方だ』


単騎でオールイーターの群れに突撃したファフニールと鴉羽の戦いを見てそうつぶやく八神。


「単騎戦力だけでは私たちと同等…いえそれ以上かもしれませんわね」

『…現時点で既に他のARMOR’sの討伐数を超えました。本当…すさまじい人です』



『負けてられないな…俺たちも行くか!』

「そうですわね。今回は相手が大群ですので私が広域殲滅しつつ、八神とアウローラで接近する敵や正面を切り伏せなさい」

『お願いしますね?』

『いつも通り援護は任せるぞ!』


八神と紫苑は腰のホルスターから太刀を抜き、アウローラとヴィオーラはシールドとソードを抜いて…鴉羽同様、群れに攻め入る。


【シァャッ!】

『ふん!』

『せい!』


ナンバーズの基本戦術はツーマンセルではなく、簡易的スリーマンセルで多数対3を想定した戦い方だ。

先陣を斬る紫苑と八神、ミドルレンジで八神とソフィーを守りつつ、殲滅するアウローラとヴィオーラ、広域殲滅しつつ二人の援護を行うソフィーとロビンフット。

殲滅、援護、守護を同時進行しつつ戦うのがナンバーズの三人の戦い方。

元々はこの戦術で数多のオールイーターを倒してきた。

更にその戦術を安定化させているのが…。


――ドッゴォン!


「うぉぉぉぉぉ!!」


今、三人から離れた位置で戦っているファフニールと鴉羽だ。

三人の戦術は安定かつ強固なコンビネーションで敵を殲滅する。それに一人で暴れている鴉羽が入るおかげでオールイーターはどちらかと戦うしかないので、大群が二つに分かれるしかない。戦力の分散が出来ている為、強固なコンビネーションが更に安定して出来るのだ。

片やコンビネーション、片や魔龍…どちらを選んでも地獄であることは間違いないだろう。


『え…!?て、敵総数が30%をきりました!』

『…早すぎないか?』

「私たちのスリーマンセルを一人でやっているのが居ますから」

『あー…それもそうか』


そうして…戦闘開始からおよそ13分後。


『か、完全に殲滅完了しました…』

『えぇ…?』

「…」


なんと…施設の避難が完了するよりも先に、オールイーターの殲滅が完了してしまった。


『小型しかいなかったとはいえ、あの量をこの速度で殲滅しきるのは…流石に早すぎるだろ。本当にレーダーにはいないのか?』

『八神…何回、レーダーを見直したと思っているの?』

『すまん…』

「何にせよ、私たちの勝ちですわ」


そう話していると


――ドッシィィィィンッ!!


黒と赤の機体が真っ黒に染められた…ファフニールと鴉羽が空から帰ってきた。


『ファフニールから殲滅が完了されたって聞いたんですが、早すぎません?』

『お前が言うなお前が』

『えっ、えっ!?』

『討伐数ナンバーワンは鴉羽とファフニールです。もうすごいですよ…先に戦ってたARMOR’sを軽々と抜く記録で…』

『えぇ…まぁ、殆どファフニールのお陰ですし』

「上昇志向でなによりですわ。とにかくまずは連絡を」


ナンバーズが集合し、ソフィーは他のARMOR’sに連絡をする。


『どうした?避難はもうすぐ終わるが』

「殲滅完了しました」

『…』

「…」

『え、もう?』

「もう、ですわ」


避難をおこなっていたARMOR’sも戦闘終了があまりにも早すぎて驚いている。


『…避難はゆっくりおこなっていいか?』

「構いませんわ、私たちも周囲の警戒をしておきます」

『助かる』


そうして通信は切れた。


『なんて?』

「避難をゆっくり行うとのことです。それで私たちで常時警戒を」

『わかりました』

『わかった』

「鴉羽零亜も、それでいいですわね?」


と、声をかけるソフィーだったが…鴉羽からの返答がない。


「鴉羽零亜?」

『あぁ…すみません、ぼーっとしてました』

「…出血で、ですか?」

『違います。確かに出力は上げて血は流しましたけど…そこまでじゃないので』

(血を流している時点で相当ですわよ…)


なんて心の中で鴉羽に指摘をするソフィー。

だが、鴉羽の心の中は…少し穏やかじゃなかった。


(相対するオールイーターは全て俺やナンバーズの三人を狙っていたし、敵対意識の無いオールイーターは中にはいなかった…どういうことだ?)


現在、鴉羽は敵対意識の無いオールイーターの反応はあるのに、オールイーターの反応がないという意味が分からない状況になってしまった。

戦闘の最中、敵対するオールイーターを倒しながらナンバーズの三人の方を見ていたが…戦っていない個体や逃げている個体を探していたが、見つかることはなかった。

同時にファフニールも探してくれているが、敵対意識の無いオールイーターの反応はあるのに何処にいるのかが分からないと頭の中で混乱している。

なんて考え込んでいたらソフィーの言葉に対して反応が遅れてしまったのだ。


(どうなっている…)


と考えつつも、ナンバーズの4機で医療施設の方へ向かっていく。

すると


『ナンバーズ、こちらの避難はあと一人の少女を避難させればおしまいだ。今回は本当に助かった』


4機に避難誘導をしている人から連絡が入った。

どうやらあと一人の避難をすれば、完全に避難が終わるとのこと。


「よかったですわ、なら我々は」


と任務の終了を宣言し、撤退すると報告しようとしたソフィー。

しかし


『ぐぅっ…!はぁッ!?マジかよ…!!』


何かを感じ取った反応をした鴉羽とファフニールは急にスラスターを解放して、医療施設の方へ進んでいく。


「鴉羽零亜!?一体どうし」

『連絡をしている人!今すぐ、その場から離れろッ!!』

『どういうことだ』

『医療施設の下に…!』




『オールイーターが!!』


そう鴉羽が叫んだが…


――ドッゴォォォォォンッ!!


遅かった。

医療施設を下から破壊しながら羽を大きく広げた蜂のようなものが出現した。

あの瞬間、ファフニールが感じ取ったのは…医療施設の下で眠っていたオールイーターが目覚めたという事だった。


『――ぐっ…ぐうぅっ!』

『い、生きてる!大丈夫ですか!?』


通信をしていた人の声が聞こえ、生きていることを確認したアウローラが無事かどうか声をかける。


『生きては…いるが…!クソ!少女を…持ってかれた!』

『どういう…』

『ソフィー!あの蜂を見ろ!!』


避難誘導をしていた人の言葉と、八神の叫びを聞いたナンバーズは全員、空を見上げ、蜂を見る。そして理解した。

その蜂の口に


「嘘…でしょう!?」


一人の少女が咥えられている事に。

誤字脱字、語彙力がほぼ皆無に等しいのでミス等がありましたらご報告お願いします


感想も待っていますので気軽にどうぞ!


超絶不定期更新ですがご了承ください…

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