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Yellow Marker~一人だけ魔族でプレイ~  作者: モチモチの木
8/52

レベルアップ

8話


「おめでとうございます。レベルが上がりました。」

 愉快な音と一緒に、脳内アナウンスが流れる。

初めてゴブリンを倒してから、どんくらいの時間がたったんやろ……。

 あれから僕は4匹のゴブリンを倒した、1匹で行動しているゴブリンに的を絞り、後ろから襲って行った。ゴブリン君、これも戦略なんよ。

 そのお陰でやっとレベルも上がったし、アイテムも少しずつ増えてった。そして何より僕の相棒 大腿骨(だいたいこつ)が+4まで合成する事ができた。魔力回復に結構時間掛かったけどね。

 +4の大腿骨は僕自身の大腿骨と比べて、こぶし一個分位長くなった。〔骨合成〕は太さも変えれる様で全体的に太くした。あの頼りなかった骨が……ここまで逞しくなるなんて、お母ちゃんホンマ嬉しいわ!!

 そんな訳で初めは不安やった冒険もなんとかなってきた。レベルアップしたのでステータス画面を早く確認したいんやけど、先にゴブリンがドロップしたアイテムを回収しやなあかん。早く回収しやな、消えてしまうねん。

「お金と牙と……巾着袋?」

 今までとは違う物が出てきた、なんか入ってるなこれ。

 巾着袋の口を開けてみると、中にはドングリみたいなのが6つ入ってた。触って確かめてみる。


シイの実

体力がほんの少しだけ回復する。

「ここにも神が!!」

 今まで自然治癒のみやったから、これはかなり助かる。不意打ちしても、一撃で倒せやんかったら反撃されるから困ってたんよ。 

 僕は試しにシイの実を食べてみる。

昔、小学校で食べた事あるけど、あんまり美味しいと思わんかった。噛んでみるとカリッと音がし、シイの実の独特な味が口内に広がった。骨格標本の身体に味覚があることに驚きながらもシイの実を食べる。味覚はあるけどもこの身体には食道や胃袋がない、食べたシイの実はそのまま地面に溢れていく。

 ……まじか、ご飯食べれやんのか……。

 冒険を開始して数時間、お腹が空くことも、喉が渇く事も無かった身体を不思議に思ってたんやけど、これで納得した。説明書には空腹感や満腹感が体験出来ると書いていたが僕は例外らしい……。そして回復の方も、ほんの少しやった……。


「僕はポジティブ、凄くポジティブ……」

 呪詛の様な歌が洞窟内に響く、こうでもしてやな、悲しくなるんよ……。

暫く歌った後、気持ちを切り替える為にステータス画面を呼び出す。どんなけ強くなったんかな?


名前/サウス

レベル/2

種族/bone

職業/骨使い


HP:今のレベルの中なら低い方

MP:普通より少し上

ATK:職業の割にはある!

DEF:頑張って避けよう!

DEX:まぁまぁ、でも、奇襲はうまい。

AGI:あまり速くない。

MAG:良かったね、取り柄があって♪







「僕はポジティブ~、凄くポジティブ~」

 現在僕は、単独のゴブリンを見つけては襲う、見つけては襲う事を繰り返してます。なんやねん、あのステータスは……小学生の通知表みたいやん!!バグや……絶対にバグに決まってる……。

 5匹目のゴブリンを倒し、少し気持ちがスッキリした。ステータスは、とりあえず気にしやんとこ……。今度梅村さんに言って、直して貰おうと心に決めた。

 シイの実を噛みながらドロップアイテムを回収していると、ゴブリンの群れに見つかってしまう。今回は5匹や……。

 相手はこちらへ走ってきた、僕は慌てて逃げようとした。けど思ってしまった……5匹も倒せば、レベルが上がるかもしれへん……って。

あのステータスには納得してへんけど、強くなりたい……。

僕は大腿骨を握りしめゴブリン達の方へ走っていった。囲まれるから駄目なんや、自分から向かって行って、1匹1匹として相手すれば問題ないんや!!

 僕の行動に驚いたゴブリン達は足を止めてしまった。

「今や!!」

 初めの1匹目は、側頭部目掛けてフルスイング。

1匹目はそのまま吹き飛ばされ、他のゴブリンにぶつかる。そして、光となって消える。

ぶつかられたゴブリンにもダメージが入ったんやろう、彼もまた突然の衝撃に尻餅を着いてしまった。僕はその瞬間を見逃さへん、全力で尻餅ゴブリンに向かって走り出した。

尻餅ゴブリンの頭の位置は、低い所にある。僕は大腿骨片手に、ゴブリンの顔目掛けて打ち上げた。

 鈍い音を洞窟内に響かせ、ゴブリンは綺麗な放物線を描きながら飛んでいく、洞窟の壁がそれを受け止め、ゴブリンだった物はそのまま落下し、そして消えていく。

光となって消えた2匹を見て、残りのゴブリンは恐れをなしたのか、慌てて逃げていった…….


 愉快な音と一緒に脳内アナウンスが聞こえる。

「おめでとうございます。レベルが上がりました。」


 ドロップアイテムを回収した後、溜め息をつきながらもステータス画面を呼び出す。

気にしやんって決めてた……ふざけるなと思ってた……けど、何が変わったのか気になる僕がいた。

「ふふっ。」

 文章が少し変わったステータスをみて僕は笑ってしまう。漠然としたステータスでも、少し強くなったとわかれば嬉しいもんや。


僕に、新しい楽しみが増えました。

 

ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

洞窟編はもう少し続くと思います。

冒険の進行速度が遅くて、申し訳ありません。 

これを持ち味として、楽しんで頂けると幸いです。


モチモチの木だけに……

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