この世界の注意事項
6話
ピチャン……ピチャン……
どこかで水が滴る音が聞こえる。梅村さんの乾いた笑い声が木霊する洞窟内、水よ滝になって何も聞こえないようにしてくれと願っている僕。
「大丈夫ですよ……誰にもいいません。誰にだって人には言えないことはありますよ。」
「ちょっと待ってください!全裸なんは、洗濯してて替えのパンツがなかっただ--」
「本当に大丈夫ですから、安心して下さい。さて、change the worldの世界を堪能してもらう前に、加瀬さんの設定を少し弄りたいと思います。」
無理矢理話を逸らされた感が半端ない……。
ここは梅村さんの優しさとして大人しく引き下がるべきなのか……。
「設定を弄るってどういうことですか?あと、本当に趣味じゃないですからね!」
わかってますよ と、梅村さんは言ってくれているが、本当の所どうなんやろ。納得出来ていない僕の事など気にしないで、梅村さんは設定変更の話を始めた。
今のままの姿では、プレイヤーに襲われる可能性が非常に高い。そこで梅村さんは、僕をイエローマーカーに変更すると言ってきた。
イエローマーカー……プレイヤー達には〔黄色アイコン〕と呼ばれている物で、change the worldのCPU全てが、そのイエローマーカーなんやって。
イエローマーカーはプレイヤーに攻撃されない、攻撃したくてもできやん。でも例外もあって、CPUに敵意を持たせる事で、イエローマーカーはレッドマーカーに変わる。レッドマーカーの状態だと戦闘可能になるみたいや。
魔族も同じイエローマーカーやけど、彼らはプレイヤーや人族のCPUを見るだけで敵意を出すみたいで、場合によったら襲ってくるらしい。その逆もあるそうや。
「なので加瀬さんはプレイヤーに敵意を持たなければ、彼らに襲われる事はありません。普通に会話することも出来ます。気をつけて欲しいのは人族のCPUと魔物です。」
魔物……プレイヤー達の経験値の要。ギルド等の依頼の7割りはこの魔物の討伐なんやって。
魔物はプレイヤー・CPU関係なく襲ってくる。
魔物もCPUやけど、彼らには、グリーンマーカーが存在する。グリーンマーカーは魔物に敵意が無くても、攻撃可能の範囲に入れば攻撃できるみたいや。
「注意する所はざっとこんな感じですかね。何か質問はありますか?」
梅村さんはキーボードを打ちながら話てんのかな……なんかカタカタと何かを叩きながら聞いてくる。
「魔族と魔物の違いってなんなんですか?」
「知性を持っているか、持っていないかですね。我々システム担当が管理しているのは、プレイヤーと魔物になります。人族・魔族のCPUに関しては、上の部署が担当しているのですが、本当に凄いですよ。知性や文化も持って愛し合う事もする、本当に生きている様にみえて、異世界に迷い混んだのかと錯覚するほどです。」
運営側がそう言うって事は相当なんやろな、めっちゃ楽しみやで。
「わかりました、楽しみにしておきます。」
「何か問題があれば、こちらに連絡して下さい。通話履歴から、こちらにかけ直せますので。我々も何か分かれば加瀬さんに連絡しますね。あと、最後にアドバイスを……この洞窟を出ると近くに魔族の城があります。立ち寄るのは良いですが、近々イベントがあるので長居しないで下さいね。長居したら、多分巻き込まれちゃいますので。」
レベルが低いからやろかな?まぁ、初っぱなからイベントに参加するつもりもないし、多分敵はプレイヤーやから争いたくもない……。
「何から何まで、本当にありがとうございます。あと……友達に……伝言お願いしても良いですかね?」
これも重要な事やわ……伝言しやなめっちゃ心配されるやろし、会ったときに怒られるわ。
「大丈夫ですよ、こちらから聞くべき事なのにすみません。御友人のプレイヤー名と登録者の本名を教えて下さい。」
プレイヤー名だけじゃ、多すぎて特定できやん可能性があるらしい。
「プレイヤー名はラッカルです。本名は松江 中です。」
ここまで、読んで頂きありがとうございます。
次からやっと冒険にでます。




