無題
本当にご無沙汰しております。
生きております。
いつぶりの投稿なのかも覚えていません。
また読んで頂ければ幸いだと思います。
「君にVRハードを渡した理由はね……色々と条件が当てはまったからなんだ。」
「条件って?」
さっきまでの崩れた口調とはうって変わって、男は語り出した。
「君がchange the worldで使用しているアバターは、私がこの時の為に作った存在しないアバターなんだ。
しかし魔族のアバターというのはHMGが管理をしているデーモンだけ、普通なら即ブロックされて終わりだ。
だが、奴らに気付かれても転送さえしてしまえば、すぐには手は出せない。何故なら違法ハードだからね、使用者にどんな負荷が掛かるがわからないからだ。だから転送を邪魔されない為にも進行をよりスムーズにさせなければならなかった。その為に私の作ったアバターと体格が似た人物が必要だったんだ。」
「それが僕やったわけ?でも僕以外にも似たような体型の人なんてめっちゃおるはずやで?」
いきなりの情報量に言っている事の半分ぐらい理解出来ない。
「あぁ、確かに似た体型の人間は君以外にもいた。だが、それだけじゃ駄目なんだ。親族の有無・周りとの交友関係、極力孤独に慣れた人物でないと一人で魔族として進行していくなんて耐えられないと思ったからだ。すまないが君の事は調べさせて貰ったよ、君は私の知っている中で一番の適合者なんだ。」
確かに高校を卒業してから人と交流する機会は減った。じいちゃんも死んでもて、人と話す事なんて駄菓子を買いに来た子供か、年に2回あるイベントの時ぐらいや。
「メールでは連絡取り合ってるし」
イベントで知り合った数名とだけやけど。
「じゃあなぜ電話にしない?なぜメールなんだ?」
……痛い所をついてくる。
唯一の見栄が瞬殺された。
「……」
「まぁ何も言い返せないだろう、君はコンプレックスにより人とコンタクトするのが苦手みたいだからな」
なんで、そんな事まで知ってるんよ。
確かに、僕は人と会うのがあまり好きやない……どっちかと言えば苦手や。
出来ることなら、電話も使いたくない。
僕は自分の容姿にコンプレックスを持ってた。
子供の頃にからかわれて、極力人と関わる事を避けてた。
高校生の時に、良い出会いがあって多少マシにはなったけど、初対面の人に会う時は今でも体がすくんでしまう。
「孤独に慣れた君だからこそ、私の計画に適任だと思ったのさ。」
計画……急に厨二臭い事を言い出しましたけど、この人!!大丈夫なん??
「計画ってなんなんよ……??」
とりあえず、計画が何なのか聞いてみる。
この骨のアバターは、このおっちゃんが作ったみたいやし、怪しいこと企んでたら梅村さんに報告しやなアカンからな。
「説明したいのは山々だが、話が長くなるのでね。君ももうすぐ目覚めてしまう、話は次回にしようか。」
「目覚めるって、何よそれ……って、あれ?」
気づけば体が半透明になっていた。
心なしか体の動きも悪くなっている。
「ちょっと待ってよ!僕、結局ボッチって言われただけやん!!めっちゃ損やん!!」
「そう言われればそうだな。すまないね、お詫びに特技か何か付けとくから許して欲しい」
文句を言おうとしても、声が出ない……
「最後にこれだけは覚えておいて欲しい」
意識が段々遠くなっていく、次目が覚める時は現実の世界なのかゲームの世界なのか……。
「人族も魔族も命は平等だ、それを忘れないで欲しい」
この言葉を聞いて、僕の意識の糸は切れた。




