秘密兵器
後半ボロボロかもしれません……。
アイツは雄叫びと共にやってきた。
恐らくあのデカイ棍棒やろう……そこらじゅうに叩き付け、大きな音を出しながら動いているようや。
まるで自分の場所を、僕に教えているように感じる。
俺はここにいるぞ、早く出てこい卑怯者。
僕にはそう言っている様に聞こえる。
僕に片目を潰された事を怒ってるんやろう、でも先に襲って来た赤ゴブの方やからな。
正当防衛やろ、これ?
僕は2本のハンターナイフを構え声をあげる。
「うるさいねん、さっきから!もっと大人しく移動出けへんのか、ボォケェ!!」
正直、何でこんな事言ったんかわからんかった。でも、アッチから襲ってきた癖に、何で僕が怒りの対象にならなアカンねん。
何で僕がビクビクしやなアカンねん、腹立つ。
僕の声が届いたのか、騒音は聞こえやん様になった。
その代わりに、足音がドッドッドッと聞こえてきた。足音は段々大きくなってきた。
正面から赤い物体が見えてきた。向こうもこちらを目視出来たようで更にスピードを上げる。
「グワァーゴォ!!!」
残り10メートル辺りで、赤ゴブは高く飛び上がった。同時に持っていた棍棒を振り上げた。
標的は僕、己の体重と降り下ろす力の全てを僕にぶつけて来た。
僕はそれを急いで赤ゴブの死角、左側に避ける。ちなみに僕が刺した方は右目な。
ハンターナイフで一撃お見舞いして、その場を離れたんやけど、あまり効いてなかった。皮膚が分厚いのか、ほとんど血も出ていなく赤ゴブを更に怒らせるだけになった。
「グォォォオル……。」
赤ゴブは再びこちらに向かって走ってくる。
今度は飛び上がる事はなく、一撃二撃と棍棒を降ってくる。
僕はそれを避けつつ赤ゴブの左側へ、左側へと避けて、二撃三撃とハンターナイフで反撃していく。
「ダメージ受けてないやん……。」
正直、ここまで防御力があると思わんかった、地道にダメージを与えたら倒せると思うけど、どんなけ時間が掛かるやろか。
赤ゴブの攻撃を避ける、そして反撃する。
赤ゴブもこのパターンに馴れた様で僕の攻撃を避けてくるようになった。そして、パターンの違う攻撃を繰り出してきた。
「う、うそん!!がっ!」
僕が赤ゴブの攻撃を避けた瞬間、赤ゴブは攻撃の反動を利用して、僕の頭蓋骨に裏拳を繰り出した。
砂袋で殴られた様な衝撃が頭蓋骨にくる。脳がなくて本当に良かったと思う。あったらそのまま脳震盪で起き上がれやんかったと思う。
カランカランと二本のハンターナイフが手元から離れる。
僕はすぐに体勢を整え、アイテムボックスから新しいハンターナイフを取り出すが赤ゴブの追撃がそれを許さない。
新しいハンターナイフを取り出した僕にドロップキックを放ってきた。
「ふべぷ!!」
何度目やろう、この赤ゴブには吹き飛ばされてばっかりや。またハンターナイフを手放してしもたし。
かなりヤバイ。
赤ゴブは止めとばかりに高く跳躍し、棍棒を振りかぶっている。
そのまま己の全てを棍棒にのせ、僕に襲いかかってくる。ほんま恐いわ……。
でも僕は負けへんで、加瀬ちゃんは君の為に……。
僕はアイテムボックスから秘密兵器を取り出し、立ち上がり赤ゴブを迎え撃つ。
ガン!カランカランって音が洞窟内に響き渡る。
この場にいるのは僕と赤ゴブ。
だけど、さっきと違う。
赤ゴブの手元には棍棒がなく、僕の手元には秘密兵器。
秘密兵器が赤ゴブの渾身の一撃に打ち勝った。
「用意してほんま正解やったよ、赤ゴブ君。」
僕は強化した大腿骨を赤ゴブに向ける。
「魔剣 大腿骨の鉈で、返り討ちやで。」
この日初めて、赤ゴブの焦った様な顔をみた。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。
本当に久しぶりの更新になります。
僕、生きています!
時間が空きすぎて、内容におかしな部分があるかもしれませんが、お許しください。
今後もちゃんと更新していく予定なので、よろしくお願いします。




