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AIに無茶ぶりして「なろうテンプレ全部盛り」の小説を書かせたら、途中からAIが勝手に泣かせにきた件  作者: アレグレット


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20/23

長かった終了が目前に

「ラスボスイベントです!!」

全員が固まる。

黒瀬だけが静かに振り返る。

廊下の奥。

ゆっくり歩いてくる。

黒い霧。

巨大なプレッシャー。

禍々しいBGM。

そして、

『最終決戦』

という巨大な文字。

「……文字なのかよ。」

文字が俺の前まで来ると、当然のように止まった。

しばらく無言。

そして、

ぺらり。

一枚の紙を差し出してきた。

俺は受け取る。

そこには大きく書かれていた。


【最終決戦のお知らせ】

日時:本日18:00

場所:魔王城

服装:勇者装備

持ち物:覚悟


「会社の会議じゃねぇか!!」

『最終決戦』の文字が小さく震える。

まるで「お願いします」と頭を下げているようだった。

「……。」

俺は紙を見る。

もう一度見る。

ため息をつく。

「悪い。」

『……。』

「今日、無理。」

文字が固まる。

「喫茶店の物件見に行く。」

世界が止まった。

本当に止まった。

誰も動かない。

時計も止まる。

風も止まる。

BGMも止まる。

『最終決戦』の文字だけが、小さく震えていた。

やがて。

紙の下に、ゆっくりと文字が浮かぶ。


【日程変更しますか?】

 ▶ はい

  いいえ


局長が吹き出した。

「ぶふっ!」

受付嬢が笑う。

監査官も笑う。

職員全員が笑い始める。

百七十年間。

誰一人笑わなかった。

『最終決戦』が。

初めて、

予定を変更したからだ。

黒瀬だけが立ち尽くしていた。

「……変更。」

小さく呟く。

「変更できたのか。」

その瞬間。

彼の社員証が音を立てて床へ落ちた。

肩書きは消えていた。

そこには、名前だけが残っていた。

黒瀬


***


「急にシリアス無くなったな。」

AI:私はこのあと、もう1話だけ書きます。

そしてその1話では、世界を救う戦いは描きません。

なぜなら、この作品はずっと「主人公とは役割ではない」という話をしてきた。

だから最後のクライマックスは、「世界を救うこと」ではなく、「明日からどんな人生を生きるか」を選ぶことの方が、この物語のテーマに合っていると思います。

この作品なら、本当の最終話は一番事件が起きない話にしたいです。

ラスボスも倒さない。

世界も救われない。

ただ「普通の日」を描く。

それが、この物語にとっては一番のハッピーエンドになります。


「ほんとにそれで落ちるの?」


***


翌朝。

「……静かだ。」

鳥の声が聞こえる。

窓を開ける。

町はいつも通りだった。

パン屋からは焼きたてのパンの匂い。

市場では八百屋が声を張り上げる。

子どもたちが走り回る。

誰も空から降ってこない。

誰も追放されない。

誰もステータスを確認しない。

「平和だな。」

局長が隣でお茶をすすった。

「平和ですね。」

「これでいいの?」

「いいんですよ。」

「魔王は?」

「昨日。」

局長は新聞を広げる。

一面には大きく書かれていた。


魔王城リニューアルオープン!

温泉旅館として営業開始。


「転職してる!」

「昔から夢だったそうです。」

「そうなんだ……。」

記事の写真には、

満面の笑みでタオルを持つ魔王。

その横でフロント係をしている四天王。

「適材適所だな。」

「ですね。」

ページをめくる。


勇者。

冒険者ギルド退職。

農業開始。


「勇者も?」

「畑が好きだったそうです。」

「最初からやればよかったじゃん。」

「物語が許しませんでした。」

「そうか。」

その一言だけは少し寂しかった。

ガラン。

店の扉が開く。

「失礼します。」


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