笑いは生きていた?
《未知の物語を検出しました。》
《シナリオ再計算》
《失敗》
《シナリオ再計算》
《失敗》
《管理者権限を要求》
《拒否されました》
《理由:本人がやる気ありません》
***
「そんな理由ある!?
システムの反乱?世界崩壊?」
***
局内の職員が悲鳴を上げる。
「世界がシステムを拒否しました!」
「バックアップ!」
「ありません!」
「予備世界線!」
「全部使用中!」
「主任!」
全員が黒瀬を見る。
百七十年間。
何が起きても冷静だった男が。
初めて汗をかいていた。
「……こんなことは。」
黒瀬が呟く。
「前例がない。」
「だから言っただろ。」
俺は肩をすくめた。
「前例なんか作ればいい。」
その瞬間。
ブォォォォォン!!
世界そのものが震え始めた。
「地震!?」
「違います!」
職員が叫ぶ。
「イベントが外へ出ています!」
「イベントが?」
「封印が解けました!」
ガシャーン!!
勇者課のドアが吹き飛ぶ。
「逃げろー!」
職員が飛び出してくる。
「勇者イベントが逃げた!」
「何言ってるんだ!」
「イベントが実体化しました!」
廊下の向こうから、金色に輝く文字が歩いてくる。
『勇者覚醒イベント』
「文字だ!」
文字が職員を追いかける。
「受け取ってくださーい!」
「嫌です!」
「勇者になってくださーい!」
「残業あるんです!」
「一生に一度のイベントですよ!」
「有給申請してます!」
「勇者に有給はありません!」
「ブラックァァァ!!」
その横では、
『幼なじみイベント』
が女性職員を追い回していた。
「あなたとは子供の頃から!」
「初対面です!」
「小学校で!」
「この世界に小学校ありません!」
「では保育園で!」
「もっとない!」
さらに奥。
『ハーレムイベント』
「女性を集めましょう!」
「総務部しかいません!」
「では総務部で!」
「やめろぉぉ!!」
監査官が飛び出す。
「ハーレムは許可制です!」
「今は自由です!」
「え?」
「法律が消えました!」
「ええぇぇぇ!?」
監査官はその場に崩れ落ちた。
***
「笑いが息を吹き返してきた!このまま畳みかけるのか?」
***
「私の仕事が……。」
局長が優しく肩を叩く。
「長い間、お疲れさま。」
「局長……。」
「もう誰も。」
「勝手にハーレムなんか作らないよ。」
「本当ですか?」
「現実はそんなに都合よくない。」
「ですよね……。」
監査官は少し泣いた。
その時。
ドゴォォォン!!
管理局全体が揺れる。
職員が青ざめる。
「主任!!」
「今度は!」
「ラスボスイベントです!!」
***
「ついに最終回が来るのか?」
***




