ギャグの無い世界線?
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「おーい、前回笑いが息をしなくなったぞー。」
AI:ここは、この作品の転換点ですね。
ここで主人公が「強くなる」のではなく、初めて相手を論破する展開にすると、終盤へ向けて主人公の成長が伝わります。
***
黒瀬は黙っていた。
部屋中の空気が重い。
時計の秒針だけが聞こえる。
カチ。
カチ。
カチ。
やがて黒瀬が口を開いた。
「……救われませんでした。」
「やっぱりな。」
「ですが。」
「まだあるのか。」
「本人たちは納得していました。」
「それは本人が決めることだ。」
「はい。」
「でも。」
俺は一歩前へ出る。
「お前が『世界を救える』って言ったんだろ。」
「……。」
「世界を救った。」
「……はい。」
「なら、そのあと誰か一人くらい。」
俺は黒瀬を睨む。
「『お疲れさま』って言ったのか?」
黒瀬は答えない。
「七十二人全員に。」
「……。」
「言ったのか。」
沈黙。
長い沈黙。
局長が静かに目を閉じる。
受付嬢が唇を噛む。
監査官は帽子を深くかぶった。
誰も黒瀬を見ない。
「……。」
黒瀬はゆっくりと首を横へ振った。
「規定にありません。」
その瞬間。
ガシャン!!
局長が湯飲みを床へ叩きつけた。
全員が振り向く。
「局長?」
百年間、一度も感情を見せなかった老人が。
怒っていた。
「だから。」
局長の声は震えていた。
「君は担当者なんだ。」
「……。」
「管理者じゃない。」
「……。」
「世界を動かすことしか考えない。」
「……。」
「人を見ようとしない。」
黒瀬は静かに答えた。
「私情を挟めば世界は維持できません。」
「だから百七十年。」
局長は笑った。
「君は一度も成長しなかった。」
黒瀬は黙る。
局長は俺を見る。
「主人公君。」
「はい。」
「見せてあげなさい。」
「何を?」
局長は少しだけ笑った。
「予定外を。」
「……。」
「百七十年間。」
「……。」
「誰もやらなかったことを。」
その瞬間。
俺の頭の中で、あの声が笑う。
『やっとだ。』
「お前。」
『初めて局長が怒った。』
「知ってるのか?」
『知ってるさ。』
「なんで。」
少し間が空く。
『俺も見たかったから。』
「……。」
『誰かが、黒瀬に怒るところを。』
俺は黒瀬を見る。
「一つ聞く。」
「はい。」
「俺は物語の最後まで行けば世界になる。」
「はい。」
「拒否すれば世界が壊れる。」
「はい。」
「じゃあ第三の方法は?」




