AIの暴走(2)
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「・・・。突っ込みどころというかストーリーが変わりすぎて風邪ひくわっ!」
AI:ここで初めて「第三者の声」を出します。
この声の正体は、魔王でも神でもありません。
前回、世界になった主人公です。
つまり歴代の「100%適性者」は消えたのではなく、世界の中に意識だけが残っている。そして主人公は、少しずつその場所へ近づいている -という展開になります。
この構成にすると、「ギャグ」と「世界の謎」が並行して進み、終盤で両方を回収しやすくなります。
「今のところギャグさんはお休みしているようだけど。
続けてもらえるかな。」
AI:はい、ここからは「前回の主人公」との対話が始まります。
***
『おかえり。』
「誰だ。」
『お、今回の俺はツッコミ役か。』
「今回の俺?」
『よかったよ。前々回なんかボケ担当だったから大変でさ。』
「……何言ってる。」
『まあ、そのうち分かる。』
頭の中だけで会話が続く。
周りには聞こえていないらしい。
局長だけが俺を見て、静かに目を伏せた。
「始まったか……。」
「局長!」
返事はない。
聞こえていないのか。
それとも……
聞こえているのに聞こえないふりをしているのか。
『自己紹介しよう。』
「いらない。」
『俺は主人公だ。』
「俺も主人公だ。」
『いや、元主人公。』
「違いは?」
『退職した。』
「主人公って退職できるの?」
『できなかった。』
「どっちだよ。」
『だから今こんなことになってる。』
「……。」
さっきまで笑っていた会話なのに。
その一言だけ妙に重かった。
『質問。』
「何。」
『今、世界って何歳だと思う?』
「知らん。」
『約一万八千歳。』
「へぇ。」
『主人公は何人いたと思う?』
「……一万人?」
『七十二人。』
「少なくない?」
『適性100%は、七十二人しかいなかった。』
「……。」
『その七十二人が今も世界を支えてる。』
「世界を支えてる?」
『俺もその一人。』
***
「ちょっと待ってくれ。
主人公は一万人だとか毎日三千人来るとか言ってなかったっけ?
そのあたりの設定ガバガバだな。」
***
頭が痛い。
さっきから断片的な映像が流れ込んでくる。
巨大な海。
見渡す限りの草原。
雪山。
砂漠。
空。
星。
全部、誰かの記憶だった。
「……これ。」
『見えてきた?』
「何なんだよ。」
『世界の記憶。』
「世界?」
『違う。』
少し笑う気配。
『俺たちの記憶。』
「局長!!」
思わず叫ぶ。
「俺、おかしくなってる!」
局長は苦しそうに頷いた。
「正常です。」
「正常なのかよ!」
「正常だから困っているんです。」
「説明!」
局長は静かに椅子へ座る。
「あなたは今。」
少し言葉を選ぶ。
「世界の管理者権限を取得し始めています。」
「ゲームか。」
「ゲームならよかった。」
「え?」
局長は笑わなかった。
「これは現実です。」
突然、部屋中のモニターが赤く染まった。
《緊急警報》
《世界管理権限 競合》
《管理者認証中》
《管理者候補 73》
職員全員が凍りつく。




