No.67活動記録:ジャンク品の鑑定会と、十五階層のジュラシック
No.67活動記録:ジャンク品の鑑定会と、十五階層のジュラシック
私とおっさんAIが、ずっしりと重い買い出し袋を抱えて待ち合わせ場所に戻ると、三人はすでにワゴンセールの人だかりから少し外れた広場で、今か今かと私たちを待っていた。
「ごめん、お待たせ!」
私が小走りで近づきながら声をかけると、スズカが軽く手を上げた。
「んにゃ、待っちゃいねぇよ。大体時間通りだ」
「そう? そっちのお買い物の方はどう? 良いのあった?」
「まあ、各々これだろってやつを見つけた感じだな」
『ほうほう、それは楽しみやな! ほな、会計を通す前に、わてが責任を持って一通り鑑定しまひょう。誰の掘り出し物から行きます?』
「オレから行かせてくれ。あとになればなるほど、恥ずかしくて出しづらくなりそうだからな!」
スズカがそう豪快に宣言すると、サクラとヒマリも「どうぞどうぞ」と促すように笑って頷いた。
「よし! オレが選んだのは、こいつだ!」
スズカが懐から勢いよく取り出したのは、一本の細長い棒。いや、よく見るとそれは、細工された薄い竹の板が何枚も精密に重ね合わされたものだった。
『ほう……扇子かいな。これまたなんと言うか、ランスを振り回すスズカはんらしさが微塵もない、雅なチョイスやな』
「へへ、そう言われると思ったから、あえて奇をてらったもんにしたんだよ。意外性ってやつだ!」
『なるほどな。そんなら遠慮なく鑑定しまっせ。どれどれ……』
おっさんAIがカメラレンズをカチカチと収縮させ、赤外線のような光を扇子に照射していく。
『……うん。まぁ、薄々わかっとったことやけど、極めて平和的な日用品レベルの魔道具やな。効果としては、パタパタと扇げば「良い匂いのする風」が出るっちゅう代物や。一応、精神安定の効果があるみたいやな。極めて微量やけど』
「スーちゃん、それどんな匂い? サクラ、嗅ぎたい!」
「良いぜ、ほらよ」
スズカがサクラに向けて、バサッと扇子を開いてパタパタと風を送る。
サクラと、その隣にいたヒマリが揃って鼻をひくつかせた。
「……うにゅ? なんか、おじいちゃん家のお線香の匂いがする」
「ふふ、白檀の香りですね。サクラちゃんには、少し馴染みが薄くてそう感じてしまうかもしれません」
『まぁ、持っといても損はないアイテムやけど……残念ながらサクラはんの「強化の魔道書」は、魔道具そのものの出力を底上げすることはできひんからな。せいぜい、強化して「匂いがめっちゃ強くなる」くらいが関の山やないやろうか。……周囲に強烈なスメルハザードを巻き起こすだけやな、多分知らんけど』
「ちょっと、それはただの異臭騒ぎじゃない……」
私が頭痛を覚えて額を押さえると、おっさんAIがレンズをサクラに向けた。
『まぁ、今回は使用者のサクラはん本人の直感に決めてもらいましょ。サクラはん、これどうする?』
「んー……! スーちゃんがサクラのために一生懸命選んでくれたものだから、サクラ、これ持ってる!」
「最終的には全員が選んだものを全部引き受けることになると思うけど、ちゃんと実用性も考えて選びなさいよ?」
「はーい!」
「では、次は私が出してもよろしいでしょうか?」
ヒマリがサクラに確認を取ると、サクラは「うん!」と元気に頷いた。
「では、こちらです」
『ほう、今度はバッグか……』
ヒマリが差し出した、刺繍入りの小ぶりな肩掛けバッグをおっさんAIがスキャンしていく。
『ほうほう、これは所謂「マジックバッグ」の超簡易版やな。中身の容量が、外見よりもバッグ一個分だけ広くなる程度のもんや。ジャンクワゴンでの価格設定としては、極めて妥当な線やな。桁をもう一つ二つ上げれば、四次元ポケット並みとは言わへんけど、そこそこ入る高級品もあるで』
「スイちゃんの言う通り、これからサクラちゃんの魔道書が一気に増えるとのことでしたので。少しでもサクラちゃんが持ち運びや管理をしやすいようにと思って、このバッグを選んでみました」
「チョイスの方向性としては完璧ね。さすがヒマリ、気が利くわ。……で、サクラはどうする?」
「持つー! これに新しい本いっぱい入れる!」
「はいはい。……じゃあ、最後にサクラね。一体どんなキワモノを選んできたのかしら」
私が半ば身構えながら尋ねると、サクラは「へへん!」と胸を張った。
「サクラが選んできたのはねぇ、これ!」
サクラが両手を差し出して見せてくれたのは――手のひらにちょこんと収まるほどの、木彫りの和風な小さな人形たちだった。全部で八体。よく見ると、和服を着ていたり、厳めしい鎧兜を身にまとっていたりと、それぞれ微妙に姿形が異なっている。
「……こう来たか。サクラ、一応確認するけど、これは……何?」
「可愛かったから選んだの! ……やっぱり、実戦の役には立たなくて、ダメだった?」
きゅるん、と効果音がつきそうな上目遣いで、サクラが不安そうに私を見上げてくる。
「うっ……」
ダメとは言えない。さすがにこのウルウルした目で見つめられたら、私のメンタルでは一刀両断に却下することなんて不可能だ。しかし、どう見てもただのミニチュア人形である。
「だ、ダメってわけじゃないんだけど……おっさんAI、助けて」
私は耐えきれず、判断をおっさんAIに丸投げした。
『ほんま、毎回毎回わての予想を軽々と飛び越える斜め上の選択肢を出してくるお嬢さんやな。……よし、一応を確認するで。……あー、なるほど。これ、完全に「趣味用の玩具」やな』
「おもちゃ? どういう効果があるの?」
『これはな、「将棋の駒」を擬人化した魔道具や。なぜか駒数が決定的に足りひん理由はわからんけど……盤面で打つ時に、棋士が自分の手で駒を動かさんでも、音声指示を出すだけで勝手にトコトコと盤上を歩いて定位置に移動する、っちゅう極めてニッチな仕様やな。サクラはん、これパーツはこれで全部やったか?』
「うん! この木の箱の中に、この子たちが全員入ってただけだよ」
サクラが見せてくれた小さな木箱には、他の駒はおろか、対局に必要な肝心の「将棋盤」すら入っている気配はなかった。
『どっかのダンジョン階層から出土した玩具のロストテクノロジーなんか、それとも器用な個人職人が道楽で作った一品ものなんか……。まあ、サクラはんが持つと何が起こるかわからんからな。うん、正直わてもこの先どうなるかようわからんわ。スイはん、これどないする?』
「……はぁ。ここでサクラのだけ『役に立たないからダメ』って買い取らないわけにはいかないでしょう。三人分まとめて、全部買い取っていきましょう!」
私は大きくため息をつきつつも、どこか楽しそうなみんなの顔を見て、財布の紐を緩めた。
五冊の魔道書に比べれば、ジャンクのワゴンセール価格なんて可愛いものである。こうして私たちは、それぞれの「掘り出し物」を買い抱え、会計へと向かうのだった。
ストレージマーケットでの買い物を済ませた私たちは、そのままダンジョンにとんぼ返りすることはしなかった。今回の探索はここで一旦区切りとし、翌日以降に、新しく購入した魔道書や魔道具の効果検証を行うことにしたのだ。
そして数日後、再び装備を整えて十一階層へと足を踏み入れた時のこと。
『そんなら、十二階層の次元門に向けて移動を開始しようか』
宙に浮かぶおっさんAIが、レンズを前方に向けながらさらりと言った。
「え? 待って、魔道書の効果検証は? 安全な場所でやるんじゃないの?」
『移動しながらでも十分に検証はできるやろう。わざわざ時間を割くより、道中で襲ってきたモンスターを実験台にして試せばエエねん』
「ええっ!? 『安全第一』がモットーだったはずじゃ……!?」
『お嬢さんらも、この階層のモンスター相手ならもう十分に余裕を持って戦える実力がある。誰かがヘマをこいても、周りのみんなでフォローしながら行えば何の問題もない。自分らの強さに自信を持ちぃな』
おっさんAIのその言葉を信じ、私たちは次の十二階層へと繋がる次元門に向けて歩き出した。
すると早速、前方から徘徊するモンスターの影がこちらに気づいて急接近してくる。
「サクラ! 足止めをお願い!」
私はすかさず、短い単語でサクラに指示を飛ばした。
「うにゅ! ええっと、これじゃなくて……こっちでもなくて……!」
サクラはヒマリに選んでもらったばかりの肩掛けバッグから、バタバタと魔道書を取り出そうと焦っている。
「あ、これだ! ええーい! ペラペラ~、からの、ペラペラ~!」
サクラが新しく購入した初級魔道書を一冊、勢いよくめくる。さらに、サクラが持つあの規格外の『強化の魔道書』のページも続けて重ねるようにめくった。
刹那、サクラとモンスターの間の空間に、青白いピリピリとした稲光のような魔力が走る。それに直撃したモンスターは、ビクビクと激しく体を痙攣させたかと思うと、そのままパタリと地面に倒れ伏した。
スズカが警戒しながら近寄り、愛用する穂先のないランスの先端でモンスターをツンツンとつつく。
「……おう、完全に動きが止まってやがるな」
『よし、麻痺がしっかり効いとるみたいやな。威力もやっぱり中級クラスに引き上がっとる。そんならサクラはん、次は「毒」の魔道書も続けて重ねて撃ってみてくれへんか?』
「わかった! ええっと、これじゃなくて……えーっと、こっち! ペラペラ~、からの、ペラペラ~!」
必死に本を引っかき回すサクラの後ろ姿を見ながら、私は心の中で静かにメモ帳へ書き留めた。
(……あのバッグの中の魔道書、早めにどれが何の魔法か一目でわかるように、インデックスか目印をつけさせといた方が良いわね)
今回は検証だからいいけれど、実戦の、それも命がけの激化した戦闘中に「どれだっけ?」とのんびり本を選んでいられたら、前衛で身体を張るスズカやヒマリちゃんはたまったものではない。
『……うん、毒魔法の方も問題なく継続スリップダメージが入っとるな』
おっさんAIが冷静に観察を続けている間に、毒のダメージを受け続けたモンスターは、そのまま光の粒子となって消滅した。
「あ、光になって消えちゃった」
『よしよし。これで「睡眠」「麻痺」「毒」のバッドステータスをローテーションしながら敵を安全に無力化・削り倒す搦め手ルートが確立できたな。とは言え、この状態異常系は生体(生物系)のモンスターにしか効かへんことが多いから、過信は禁物やで。機械系やアンデッドには効かんからな』
「はーい、わかった!」
おっさんAIの親身な忠告に、元気よく返事をするサクラ。
……けれど、あの返事はどっちだろう。半分わかっていて、もう半分は「よくわからないけど、はーい!」って言っている時の雰囲気な気がする。その辺りの相性問題についても、後でもう一度私からしっかり釘を刺しておかなくては。
その後も私たちは道中のモンスターで様々な魔道書の組み合わせを試しつつ、順調に次元門を目指して進み――ついに、次の十二階層へと繋がる次元門に辿り着いた。
「よし、これでいよいよ十二階層ね。みんな、ここまでの道中で疲れとかは大丈夫?」
「モンスターの数がそんなに多くなかったし、サクラが全部先手で無力化してたからな。戦ったっていうより、ただ歩いてただけだ」
スズカがランスを肩に担ぎながら不敵に笑う。
「本当だね。お外を歩いてるだけだったから、なんだかみんなでピクニックに来たみたいだったよ!」
サクラが嬉しそうにバッグを揺らす。
「ふふ、私は疲れはありませんね。スイちゃんの方は大丈夫ですか?」
「私も全然平気。――じゃあ、今回は地上へは戻らずに、このまま一気に十二階層の探索を進めていきましょう!」
「「「おー!」」」
サクラの万能なコントロール魔導師としての第一歩を確認した私たちは、確かな手応えを感じながら、十一階層を突破してさらに深き十二階層へとその足を踏み出していくのだった。
サクラの新たな戦術が見事にハマり、私たちはそのままの勢いで十二、十三、十四階層と、これまでにないほど順調に攻略を進めていくことができた。
「……はぁ。サクラのデバフ支援があるとはいえ、本当にびっくりするくらい楽な戦闘が続くわね。なんだか拍子抜けしちゃうくらい」
『だから最初に言うたやろう。お嬢さんらの装備品やステータスは、すでにそれなりの領域に達しとる。自分らのスキルの扱い方もエエ感じに熟知してきとるしな。これでヘマこくのは、よっぽど実戦に向いとらん性格の人間だけや。十階層以上を平然と突破していくトラベラーの「資質」ちゅうのは、こういう精神的な余裕も含まれとるんやで』
「褒められてるんだろうけど、『戦いに向いてる性格』って言われると、なんだか野蛮な人間だって言われてる気がして微妙な気分だわ……」
『意味合い的には野蛮になってまうかも知れへんけどな。わて的には「胆が据わっとる」っちゅう最大の賛辞のつもりや』
「どっちにしても、女子高生への褒め言葉としてはあんまり嬉しくないわね……」
『まぁ、受け取り方次第やな。――さて、お喋りはここまでや。お嬢さんら、ここ、十五階層からはちょいと「要注意」やで』
おっさんAIの言葉に、スズカがランスの柄を握り直す。
「要注意? 何か厄介なトラップでもあるのか?」
『いや、罠やなくてモンスターや。今までの階層にも肉食系が居らんかったわけやないけど、この十五階層からは、中型から大型にかけての「本物の猛獣」の類いが出てくるようになる』
「やべぇ相手なのか?」
『せやな。フィジカル的な意味合い、つまり純粋な筋力とタフさの暴力や。真正面からノーガードで力比べなんかやったら、確実にミンチにされるで』
「狼とかなら今でもいたじゃない。今度出てくるのは何よ? 虎? それともライオン?」
『――恐竜やな』
「……はい?」
『恐竜や』
おっさんAIは、合成音声のトーンを一切変えずに二度繰り返した。
「……恐竜って、あの、ジュラシックな映画とかに出てくる、あの古代の巨大生物のこと!?」
『まぁ、あんな感じをイメージしてもらえれば相違ないわ。正確には「コンプソグナトゥス」っちゅう小型の群竜でな。基本的には縄張りから出てこんはずやから戦闘を避けることは可能やと思うけど、初見でパニクられて背中を晒したら大変なことになる。そういうヤバい奴らもこの先におる、ちゅうことだけは頭の隅に置いておいてや』
「……ハァ、スー、ハァ、スー……」
私はちょっと頭の整理が追いつかなくなり、深く、何度も深呼吸を繰り返した。
落ち着け、スイ。ここはダンジョンだもの。ファンタジーな世界だから。魔物も幽霊も動く骸骨もいるんだから、今さら恐竜の一匹や二匹、居て当たり前じゃない。
「恐竜か……。生で見るのは初めてだな、さすがにテンション上がるぜ!」
スズカが不敵に笑う。
「ちょっとスズカ、『生きた恐竜をこれから見られるんだ』なんてワクワクした顔で言われて、普通の女子高生の私はどう返せば良いのよ……」
「スイちゃんスイちゃん! 恐竜だって! すごい、見に行こう! サクラ見たい!」
サクラが目をキラキラ輝かせて私の袖を引っ張る。
「行きません! 私たちは二十階層の移動遺跡に行くっていう目的があるんだから、わざわざ寄り道して危険な猛獣の群れに突っ込む必要はないの!」
「ええ~、サクラ見たいのに~……」
『まあまあ、道中どこかしらで嫌でもぶち当たるやろ。あいつら意外と行動範囲が広いさかいな。言うとくけど、油断したからって負けはせぇへんだろうけど、相応の怪我はするで。いざ対峙した時に、あまりのド迫力にびっくりして体が動かんかった……なんて間抜けなことにならんようにな』
「そうね。そういう規格外の生物がいるって、事前に心構えができるだけでも全然違うわ。ありがと、おっさんAI」
おっさんAIの的確な忠告を受け、私たちは十五階層の次の次元門を目指して、慎重に歩みを進めた。
道中、やはりこの階層特有の初見のモンスターと数多く遭遇することになったが、サクラの正確なデバフ支援と、スズカ・ヒマリの鉄壁の前衛のおかげで、一度も危なげなく突破していく。
そして――。
『――あー、お嬢さんら。すまへん。どうやらあいつらの索敵に引っ掛かったようや。奴さん、こっちに向かって急接近しとるで』
「あー……もしかして、あれか?」
スズカが前方の地平線に目を向け、目を細める。
私たちも釣られるようにして同じ方向を見つめると、はるか前方から、巨大な土煙をモクモクと巻き上げながら、凄まじいスピードでこちらへ突進してくる複数の影が見えた。地響きすら伝わってくる。
『先制攻撃を仕掛けて、一気に仕留めてまうのが一番やな。はっきり言って、初見の見た目で驚くだけや。基本性能は今までのモンスターと何ら変わらん。遠距離からの物理攻撃をしてくるわけでも、高度な魔法を使ってくるわけでもないからな』
「ねえねえ、おっちゃんAI」
『なんやサクラはん。サクラはんがそういう風に、妙にキラキラした目で話しかけてくる時は、十中八九とんでもないことをやらかす「前振り」な気がするんやけど』
「んとね。この『サクラのメモ帳』と、この買った『新しい魔道書』と、ジェナちゃんにもらった『強化の魔道書』を組み合わせたら……新しい魔法ってできないのかな?」
『………………わからん』
おっさんAIは、レンズの光を点滅させながら、とても長い沈黙の後にそう答えた。
「え!? おっちゃんAIでもわかんないの?」
『そもそもやな、サクラはん。はじめからそうやったならともかく。異なる二つの魔法システムをリアルタイムで組み合わせる(合体魔法を放つ)なんて芸芸、本来は絶対にできんことなんや。例えば、水の魔法に後から火の魔法をぶつけて水蒸気爆発を起こせるかって言えば、双方のエネルギー量とタイミングがミリ秒単位で一致すれば理屈の上ではいけるけど、普通はぶつかり合って相殺するのが関の山や』
「でも、ジェナちゃんの魔道書ならできるよ?」
『……サクラはん。それはジェナはんの作った魔道書が「規格外」やからできる力技であって、普通の魔道書では絶対に不可能なんやで?』
「んー。でもでも、試してみなければわからないよ?」
『そりゃまあ……検証という意味では、確かにそうなんやけどな……』
「おーい! そこで漫才してるところ悪いが、そろそろ群れが目の前まで来るぞ!」
スズカがランスを構えながら鋭く叫ぶ。
『しゃあない、物は試しや。お嬢さんら! サクラはんがまた「おかしな真似」を始めるからな、不発に終わった時のために周囲は全力でフォローし合ってや!』
「おかしな真似じゃないもん! 大マジメだもん!」
おっさんAIの失礼な物言いに、サクラはぷくーっと少しだけ頬を膨らませつつも、目の前の魔道書をしっかりと見つめた。
そして、目前まで迫る土煙と、牙を剥き出しにした恐竜の群れをしっかりと視界に捉え、その小さな両手を差し出すのだった。
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