クーデター(3)
ヴィヴィ視点に戻ります。
私はルーナの背から王都のメイン通りを駆け抜けるオリヴェルト様を見ていた。
銀色の髪をなびかせ颯爽と馬で駆けるオリヴェルト様はとても格好いい。その姿は私の記憶のおとうさんとはまったく結びつかないのに、なぜか(ああ、おとうさんだ)と実感してしまう。幼い頃の記憶のおとうさんは髪の色は茶色だったし、馬に乗っている姿も剣を持っている姿も見たことは無かった。だけど幼い私にとっておとうさんは何でもできるスーパーヒーローだった。
登ったはいいけれど降りられなくなった高い木から降ろしてくれたのも、庭にブランコを作ってくれたのも、読み書きを教えてくれたのもおとうさんだった。
そのおとうさんが多くの仲間を引き連れて颯爽と大通りを駆けて行く。
虐げられた人々を救うために駆けて行く。
王宮の門を突破し、彼らが王宮に踏みこんで行くのを私はルーナの背からじっと見ていた。
王宮の中では凄惨な戦いが待っているのかもしれない。オリヴェルト様はそこに私たちが踏み込むことを断った。
これは自分たちの戦いだからと。
今現在ヴェルヴァルム王国の人間である私たちは上空で威嚇してくれるだけで十分だと。
オリヴェルト様たちが王宮の中に消えて小一時間、夕闇がかなり濃くなってきた。
と......
「あ、火が......」
王都の一角、多分富裕層が住んでいるあたりから火の手が上がった。
私は迷わずルーナを急降下させる。
ジークの黒竜イグナーツが後を追おうとしているのを見て一旦降下をやめてウォンドで光の魔術を打ち出し、大きくバッテンを作った。ジークはわかっただろうか? イグナーツが元の位置に戻っていく。
うん、ジークはハラハラしているだろうな。それは分かっているけれど、黒竜だけでも王宮の真上で威嚇していてもらいたい。それに王都の外壁に設けられた五つの門、その門を見張ることも頼まれている。門を突破しようとする輩がいたら信号弾を打ち上げる手はずになっている。そこに急行できるのは上空で待機している私たちだけだ。
イグナーツが戻ったのを確かめて私はまたルーナを急降下させる。
一人じゃないよ、私の後ろにはアロイスの青竜がいる。
火の手が上がっているのは割と大きなお屋敷だ。
貴族の屋敷ではないと思う。貴族街はもう少し王宮に近い辺りだ。
屋敷の上空でルーナを停止させると、私はウォンドから勢いよく水を噴射する。建物が密集している場所ではないけれど、この混乱の最中、早いうちに消火しなかったら風向きによっては大火になるかもしれない。
私が水を噴射するのに数秒遅れてアロイスもウォンドで水を噴射するのが見えた。
私は魔力量だけは自信がある。そりゃもう、ものすごく自信がある。だからドバドバと大量の水を噴射して十分ほどで鎮火することが出来た。
「あら? やりすぎちゃったかしら?」
上から見下ろすと泥の中に何人かの人が座り込んで茫然とこちらを見上げていた。
その時にまた別の方向で火の手が上がる。
フィル兄様の竜、ウルバンがそちらに急降下していくのが見えた。
ジークとジークを守るエル兄様は上空で王宮と私たちを見守ってくれている。
また北の方で火の手が上がった。私はアロイスとそちらに向かった。
後日判明した火事の原因は大体が、民衆の放火だ。リードヴァルム王国軍が西大門からなだれ込んだことで王都の人間はクーデターが起こったことを知った。
今まで甘い汁を吸ってきた者たちは戦々恐々としていたが、大多数の民衆は不安と期待を織り交ぜて静観していた。だけど、一部の虐げられて限界がきていた人たちや、この混乱をチャンスだと思った人たちは肥え太った豪商や貴族の屋敷に襲い掛かったのだ。
大貴族は私兵を持っているが私兵のいない貴族や豪商の屋敷で略奪が行われたり、火を放たれたりしたのだ。中には雇った用心棒に金品を奪われた悪徳商人もいたらしい。
そんな火事を五件ほど鎮火して、私はまた次の場所に向かう。
今度は貴族街の割と端の方、端の方だけど、その中では一際豪華なお屋敷から火の手が上がっている。
駆けつけて(飛んで)上空からドバドバと水を放出して鎮火するともう大丈夫かな? と私は周囲を見回した。
「あれ......何?」
屋敷の裏手、その馬車はやけに目を引いた。
特別豪華なわけではない普通の馬車。だけどそこに向かう数人の男女、運び込まれる荷物。特に真ん中で守られている男の人? 上空からではよく見えないけれど、豪華な衣装を着た人は歩き方から老人のように見える。この屋敷の当主なのだろうか、その老人? の傍にいるでっぷり太った男の人も豪華な衣装だ、その二人を守るような大柄な男の人が二人、そのすぐ後ろにドレスを着た女の人が二人とメイドや使用人風の男女が数人。彼らは焼け落ちた屋敷から逃げ出そうとしているようだ。
もうかなり暗くなっていたし、上空からだから細かな事はわからない。火事は鎮火したので数人の持つランタンの灯りに浮かび上がる人影からの判断だ。
そして豪華な衣装やドレスに気がついたのか、屋敷の周りで右往左往していた人々が何か叫び声をあげながらそちらの方角に走っていく。
私は迷った末に地上に降りることにした。このだだっ広い屋敷の前庭なら竜が一頭下りられるスペースがある。
ざあっとルーナが着地すると、というか、ルーナが地上に迫った時点で、この屋敷の前庭辺りでうろちょろしていた人たちは蜘蛛の子を散らすようにいなくなっていた。
うん、これなら安全に下りることが出来そうだ。地上に降り立って、念のために障壁を張ると、ルーナに上空からあの馬車を見張るように頼む。
ルーナが飛び立つと同時にアロイスの竜が同じ場所に下りて来た。
「おおー......」
さすがアロイス。竜が地上に着く直前に竜の背から飛び降りると、私の方へ駆け寄る。
「ヴィヴィ様! 勝手に地上に下りられては——」
「アロイス! この屋敷の裏手に気になる馬車がいるの!」
アロイスの言葉を遮って叫ぶと、私は裏手に向かって駆け出した。
アロイスも一旦お小言を引っ込めて駆け出す。
裏手に差し掛かると怒号や悲鳴が聞こえる。
「ええい! 放せ!!」
「悪徳貴族をやっつけろ!」
「金目のものを奪え!」
「旦那様! 助けてください!」
「しょうがない、こいつらは置いていけ!」
「陛下!! 見捨てないでください!」
「馬車を出せ! 早く!!」
駆けつけて空に向けて光線を放つ。
バシュッ!! という音と光に、そこにいたドレスの女性たちに群がっていた粗末な服の男たち、泣き叫ぶ女性、馬車から金目のものを引きずり出した男たち、それを止めようとしていた騎士らしき男、全ての人達が動きを止める。
「ヴィヴィ様、お聞きになられましたか?」
アロイスの言葉に頷く。
さっきの混乱時、確かに聞こえたのだ、『陛下』という言葉が。
この国で陛下はただ一人、トシュタイン王国の国王しかいない。
「その馬車に乗っている者——」
アロイスが声を張り上げた途端、その声を無視して馬車が走り出す。
私はウォンドを馬車に向け、光線を放った。
バシュッ! バシュッ!
一発は馬車の右側の車輪の辺りをかすったんだけど、そのせいで馬が驚いて滅茶苦茶に走り出す。
「ああー! 外しちゃったわ......アロイス、追い――」
「追いかけましょう、ヴィヴィ様」
アロイスの言葉と同時に走り出す。
馬車の方向はルーナが上空から見張っていてくれるからわかる。ルーナがピギャ――! と呼ぶ方向へ走り出す私たちを、襲われて宝飾品を奪われていたご令嬢も、金目のものを漁っていた民衆も、ポカンとして眺めている。
「あ! 女性に暴力を振るっちゃ駄目よーー! 盗みも駄目ーー! 新しい王様がちゃあんと悪い人は捌いてくれるからねーー!」
一旦立ち止まって彼らにそう叫び、空に向けてもう一度光線を放つ。
彼らが一斉に地面に臥せるのを見てからもう一度駆け出した。
今の言葉がどのくらい守られるかはわからないけれど、今は馬車を追いかけるのを優先する。
あの言葉が聞き間違いじゃなければ、この国の国王はどうにかして王宮を脱出してここに逃げているということだ。何とかして捕まえて オリヴェルト様の前に連れていかなくちゃ!
上空のルーナを見ながら走ると、いくらも行かないうちに横転した馬車が見えた。
さっきからルーナが上空から、というか、馬車すれすれまで下降して威嚇していたから、馬が怯えて横転したらしい。お馬さん、驚かせてごめんね。
御者をしていた騎士らしい男の人が、馬車の中から豪華な衣装の太った男の人、次いでやっぱり豪華な衣装の老人を引っ張り出すのが見えた。場所は貴族街と市街地を隔てる堀にかかる橋のたもとだ。橋の欄干によりかかる形で馬車が横転していた。
「ヴィヴィ様、障壁を張ってそこで待っていてください」
言うなり、アロイスが地を蹴った。
グンと加速したアロイスが剣を片手に彼らに迫る。
太った男と老人(多分この人が国王だと思う)を庇って騎士がアロイスを迎え撃とうと前に出た。
ガキッ!!
だけど彼らの前に躍り出てアロイスの剣を受け止めた者がいる。
暗がりから躍り出たその姿に驚いてアロイスが一旦剣を引いた。
「誰だ!?」
アロイスが誰何するが、私はそのシルエットに見覚えがあり過ぎるくらいにあった。
念のために光の魔術を人影のすぐ上に向けて撃って私は確信の声を上げた。
「ディオ!! どうしてここに!?」
ディオは答えなかった。一瞬せつなげな眼を私の向けた後、彼は後ろの老人に向かって声を張り上げた。
「父上! ここは私、アメディオが食い止めます! その隙にお逃げください!」
「アメ......ディオ? ......誰だ?」
老人は一瞬訝し気な顔をした後に笑みを湛えディオに向かって言い放った。
「おおっ、アメディオと申すか。そなたの忠臣、しかと心に刻み込んだぞ、後日そなたにはたんまりと褒美をとらせよう」
そういいながら騎士に守らせながら太った男と共によたよたと逃げ出す。
「待て!」
それを追おうとしたアロイスとの間にディオがまた体を滑り込ませた。
「させない!」
「大人しく武器を捨ててディオ!」
私はディオに向かって呼びかける。
だって、だってこんなの酷過ぎる。
ディオに半年前に襲われた。学院で仲良くしていたと思っていたディオだったから一層ショックが大きかった。その前、シャルロッテ様のお屋敷でディオの正体が分かった時もショックだったけど、ディオが直接私を狙ったこともショックだった。ディオは私を慕ってくれていると思っていたけれど、やっぱりディオの本性はトシュタイン王国の王子なんだと思い知った。
だけど、国王はディオが自分の息子だって気がついていなかったよね? ディオは父上って言ってアメディオって名乗ったのに。
ディオが認められなかった王子だって聞いたことがある。魔力が無いから。
だからディオは腹違いの兄たちの役に立つことで生き延びて来たって、兄たちに蔑まれながらも役に立つことで生き延びて、いつか父である王に自分を認めさせることを虎視眈々と狙っているって。
だけどその父親はディオを認めるどころか、そもそもディオの事を覚えていなかった。名乗ってもわからなかった。なのにあんな国王を庇うの? 国王の言葉なんて何一つ信用できないのに、命を張って逃がすことにどんな意味があるの?
「ディオ! 武器を捨てて投降して! お願い!」
そうしたら私が何とかディオの命は助ける。ヴェルヴァルム王国では色々罪を犯したディオだけど、トシュタイン王国の王子としてはリードヴァルム王国軍が生かしておけないというかもしれないけれど、それでもここで投降してくれたら何とかして私が命だけは助ける。罪を償ってまた学院で笑い合った時のように笑って欲しい。
甘いかもしれないけれど、春に襲われた時にディオの恐ろしさを知った筈なのに、それでも私は学院にいた時のあの人懐っこくて明るいディオもまたディオなんだと諦めきれないのだ。
ディオが私を見て切なそうに笑う。
ディオは構えた剣をポイっと投げた。
「ディオ! わかってくれた——」
「剣は重くて使い辛いや、やっぱりこっちの方が僕にあってるなっ! っと」
一瞬信じかけた。だけどディオは懐からナイフを出すなりアロイスに襲い掛かる。
そのナイフを受け止め、はじき返したアロイスが剣の柄でディオを打とうとした時にまたしても邪魔が入った。
ディオを助けたのはウーゴさん。
ああそうだ、ディオが一人でいる訳がない。ウーゴさんはディオを庇いながら剣を構える。
「アロイス! 私も加勢をするわ!」
「大丈夫です、ヴィヴィ様。無傷で捕えるのは難しいかもしれませんが」
そういいながらアロイスは剣を構えなおした。
私はアロイスがどのくらい強いのかよく知らない。護衛騎士は護衛対象を守ることを優先するものだから、敵を捕らえたり倒したりする強さとは違うと聞いたことがある。
だけど、今この時、アロイスは目の前の敵を倒すことを優先している。
それは私が逃げ出した国王を追うことを諦めないとわかっているから。そして私がちゃんと障壁を張って離れていれば、魔術の無いこの国で、私の障壁を破れる者がいないことをわかっているから。
「ヴィヴィ様、合図を」
そういいながらアロイスが渾身の力でウーゴさんに切りかかった。
私は空に向けて光を三回飛ばすと、一拍置いて国王たちが逃げていった方角にもう一度光を三回飛ばした。
ルーナは今は上空でもう無人になった馬車を見張っているけれど、ジークかエル兄様、フィル兄様が合図に気がついてくれるはず。
合図を飛ばした後は私は私の周りに障壁を張ってアロイスの戦いを見守る。
私が無事にここにいることでアロイスは全力で戦える。私が一人で国王を追おうとしたり、アロイスから離れるようなことがあったらアロイスに隙が出来る。だから私はアロイスがウーゴさんとディオを倒すまで安全な場所で戦いを見守る。
もちろんアロイスがピンチになったら私だってウォンドで加勢するつもりだけど……今はちょっと無理。
アロイスとウーゴさんの戦いは熾烈だった。
アロイスが切りかかる、ウーゴさんが払う、ウーゴさんが反転してアロイスに突きを入れる、アロイスがいなす。それは物凄いスピードで、両者の立ち位置は目まぐるしく入れ替わる。
私が光線を放ったらその瞬間に立ち位置が変わってアロイスに当たっちゃった、なんてことになりかねない。だから私はハラハラしながら二人の攻防を眺めていた。
そしてそれは二人の向こう側でウーゴさんに加勢しようとしているディオも同じみたいだ。
だけどディオは少しづつ立ち位置を変えてアロイスの隙を狙っている。そして二人の戦いはじりじりとアロイスが優勢になってきていた。素人の私の目にも歴然とウーゴさんが押され始めている。
「あっ!」
何合か打ち合ってアロイスとウーゴさんがパッと飛び退った時ディオがアロイスにナイフを投げようとした。
私はディオに向かって光線を放つ。
今まで人に向けて光線を放つのは怖かった。だけど躊躇っている暇はない。
その光線の軌道上に躍り出たのはウーゴさん。
「ウーゴ!!」
ディオの叫び声。私の放った光線はウーゴさんに当たってウーゴさんが吹き飛んだように見えた。
素早くアロイスが駆け寄ろうとするその一瞬早く、ディオがアロイスにナイフを投げつける。
アロイスは難なくそのナイフを剣で弾き落したけれど、ディオにはその一瞬で十分だった。
堀にかかる橋の半ばまで飛ばされたウーゴさんを抱きかかえるようにしてディオが堀に身を躍らせた。
——ザッパ――ン!
少し遅れて聞こえてきた水音。
アロイスが橋の半ばで堀を見下ろしている。
私は障壁を消してアロイスに駆け寄った。
「アロイス、ディオは?」
「わかりません。ここから水面まではかなり高さがあります。それにこの暗さでは......。しかしあの男は深手を負って気を失っていた、無事だとは思えませんが……」
アロイスの言葉では私はウーゴさんを殺した訳ではないみたいだ。それともアロイスが震える私に気を使ってくれたのかもしれない。
「ヴィヴィ様、国王を追いかけましょう」
私が一つ頭を振って気持ちを立て直し、アロイスと共に駆けだそうとした時、前方から数人のバタバタという足音が聞こえた。
咄嗟にアロイスが私を庇う、が直ぐに警戒を解く。
現れたのはジークとラーシュさんを筆頭にリードヴァルム王国軍の人達だった。もちろんジークの後ろにはエル兄様がいる。
「ジーク!!」
「ヴィヴィ! ああよかった。怪我は無い?」
ジークが駆け寄って私を抱きしめる。
「大丈夫、どこも怪我していないわ」
私の言葉を信じていないのか、ジークがアロイスを見る。アロイスが頷いたのを見てほうっと息を吐いた。
「ジークこそどうしてここに? 上で見張っていなくていいの?」
私を抱きしめるジークの腕の中から何とか顔だけ出して私が訊ねるとジークが憮然とした表情をした。
「あのね、ヴィヴィ、勝手に地上に降りただろう?」
私を抱きしめるジークの腕に力が入ったので、しまった! と思いながら必死に言い訳をする。
「だだだって怪しい馬車がいたのよ」
「……」
「アロイスが一緒だったし」
「……」
「こ......国王陛下が逃げていたの! 捕まえなくちゃ!」
「……」
無言の圧に負けました。
「……......心配かけてごめんなさい」
「ジークハルト殿下、そのくらいに。結果的にヴィヴィアーネ殿下のあの合図のおかげで俺たちはトシュタイン王国の国王を捕らえることが出来たので」
助け舟を出してくれたのはラーシュさんだ。
ジークは「後でゆっくりね」と言いながらやっと私を離してくれたので私はラーシュさんの後ろを見ると、あの太ったおじさんと老人が縄で縛られて兵士に引っ立てられていた。
ああ、ジークもラーシュさんもあの合図に気がついてくれたんだ、とホッと胸をなでおろすとともに、ジークの「後でゆっくりね」のゆっくりはお説教なんだろうな、とちょっと震えた。
シュンとした私の頭をポンポンと叩いてエル兄様が慰めてくれたけど、エル兄様が小声で「上でジークはかなりやきもきしていたんだぞ。イグナーツが同じところをグルグル何回も回るから俺もオリーヴも目が回りそうだった。お説教ぐらい真摯に聞いてやれ」というので改めてジークに心配かけたんだなあともう一回シュンとした。アロイスが報告するだろうけど、ディオに会ったって聞いたらもう一度心配をかけるんだろうなと申し訳なさも倍増だった。
その後ラーシュさん達は喚き散らす太ったおじさん(内務大臣のフィガッツォ伯爵だと後から聞いた)と老人(やっぱり国王だった)を引っ立てて王宮に戻り、私たちは市街地の公園を見つけて竜を呼び、もう一度王都上空に戻った。
王都上空では地上にジーク、エル兄様を下ろしたイグナーツとオリーヴ、そしてウルバンに乗ったフィル兄様が目を光らせていてくれた。




