↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
30/35

㉚実技授業の始まり



 俺たちは今、入学初日のように、実技棟のグラウンドに集合している。今日からいよいよ、才能の実技授業が始まるのだ。


 この世には人の数だけの才能があり、その数だけの成長方法がある。この授業は、その成長方法を見つけるために行われる。


「では皆さん!早速、実技の授業を始めていきますね!まずは、皆さんタイプ別に別れましょうか。私の方に向かって右から、身体系、干渉系、創造系、で集まってください!」


 わらわらと動き出す。俺の才能は干渉系だから真ん中だ。アイナは誰がどう見ても身体系で、ジャックは創造系だな。そして、リリは俺と同じ干渉系。



 この偶然を逃す手はない。



 ここでリリの信頼を得ることができたら、調査対象である彼女の姉、エルレイナについて、なにか情報が得られるかもしれない。地道に1歩ずつ進めていこう。


 さりげなく、リリの近くに寄る。さて、どうしようかな。


「あ!ゼルノくんも干渉系なんだね!一緒に頑張ろうね~。」


 なんて話しかけようか色々考えていたが、そんな必要はなかった。あれだな。天然なんだろう、リリは。異性に話しかける時、普通は緊張するだろう。


「やあリリ。うん、頑張ろうね。リリは干渉系の中でもコントロールの難しい治癒の才能だよね。制御できるようになるといいね。」


 心の中ではいくら緊張していようとも、表には一切出さない。「影」での厳しい訓練の賜物だな。


「ゼルノくん、よく知ってるね。そうなんだよ...。本当に全然うまく出来なくて...。でもあたし、頑張るって決めたんだ。この授業を通して、ちゃんと制御できるようになってみせるから!」


 前向きなのはいいことだ。進み続けることができるのならば、いつかゴールにたどり着けるだろう。何があっても進み続けることができれば、だが。


「リリならきっとできるよ!僕は応援しているから。」


「ありがと!一緒に頑張ろうね~。」


 さあ、ここからどう進めていこうか。まずはリリの信頼を得る必要がある。そのためのプランを頭の中で組み立てていく。



「身体系が8人、干渉系と創造系がそれぞれ6人になりましたね。それでは、ちょうど偶数なので、皆さん2人ペアを作ってください!」


 ニナ先生の掛け声で、皆が一斉に話し始めた。これは...明らかなチャンスだ!是非ともリリとペアを組みたい。だがしかし、男女でペアを組むとなると、それはハードルが高い。上手くペアを組める方法は無いのか...



 俺の頭が高速で回転し始める。



 彼女はクラスの中心的人物。モタモタしていると、直ぐにペアを組んでしまうだろう。普通に声をかけようか。いや、逆にさっきみたいに声をかけてもらうのを待つのもありか?


 いやいやそれだと、彼女から俺にペアの声がかかるわけが無い。ただ話しかけるのとは訳が違うのだ。



 この間わずか1秒に満たず。



 だがリミットはすぐそこまで来ているだろう。急いでなにかいい方法を考えねば...



「あ、リリちゃん私とペア組も〜。」



 ...終わった。



 まだ1秒くらいしか経ってないだろ...



 多すぎるだろ友達...



「ペア組もうぜ。」

「ペア組みましょ。」

「一緒に頑張ろう。」



 俺が軽く絶望している間に、周りではペアがどんどん出来て行く。これはまずい、俺も早くペアを作らなければ。人数は偶数だから、絶対に誰かとペアを組めるはずだ。



 急いで周囲を見渡す。



 そして俺は、さらに絶望した。



 そこにはもう既に、1人を残して誰もいなかった...



 そう、1人で偉そうにふんぞり返っている、ニックを残して...

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。