表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

幕間:狂犬のワルツ

――昔から、こうだったわけじゃない。

小学生の頃は、クラスの人気者だったし。スポーツは、得意だったし。

将来の夢は……なんだったかな……。


中学に入って、“世界“が変わった。

他の小学校から来た人気者に席を奪われ。

両親は、弟の世話を焼く。

俺の話を最後まで聞く奴がいなくなっていた。


何をしても、反応が変わらない。

笑わせても、怒らせても、驚かせても。

一度見られたあと、もう同じ強さでは返ってこない。


なんでだったかは覚えてない。

数学だったと思う。

先生が何か言っていて。

隣の奴が笑っていて。

たぶん、それだけだった。

俺は机を蹴り上げた。

耳が痛くなるような沈黙。

でも、クラス中の視線は、

俺に向いていた。

悪くなかった。


高校には、進学した。

バイトを始めた。

新人の頃は、みんなが声をかけてくれた。

仕事を教えてくれた。

失敗すると笑われた。

それが少し嬉しかった。

半年もすると、

誰も話しかけてこなくなった。


ある日、コンビニの商品を変な並べ方にした。

動画を撮った。

投稿した。

翌朝には、

知らない誰かが怒っていた。

笑っている奴もいた。

通知が止まらなかった。


嬉しかった。

楽しかった。

もっと、もっと反応が欲しかった。

次の動画は、前より少しだけ過激にした。

その次は、もう少し。

また通知が鳴った。

 

バイトは、クビになった。

学校は、退学になった。


ネットニュースに載った。

街を歩けば、誰かが気付く。

指をさされる。

写真を撮られる。

笑われる。

怒鳴られる。

  

あぁ、生きてる。生きてる。


だから、今日もカメラを片手に“俺“にエサをやる。


「生配信してまーす!!藤堂社長!!ビルの前まで来たぜ!!コラボしようやー!!」


ほら、俺を見ろ。          


       

  

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ