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異世界人の友達と日本を旅しよう  作者: マノイ
3章 三重「個性」
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35. 国府の浜~御座白浜

 鵜方で一泊しての翌朝。早めに就寝して体力回復したので、長かった三重県の旅最終日を全力で楽しもう。朝一で宿を出発して太平洋側へ一直線に向かうとすぐに最初の目的地に到着する。


『国府の浜』

 志摩地方は美しい白浜が多く、その中でも太平洋に面する国府の浜は3kmの長さの白浜を見ることができる。砂の質は粒度が細かくてサラサラしていて、太平洋側から海風が吹くため浜の頂上には防風林が植えられている。そしてこの浜の名物が……


「ええ!?波の上に乗ってる!?」


 車窓からハイテンションモードになって海を眺めるパステルちゃんの目に入ったのはサーファーの姿。国府の浜はサーフィンの有名どころであり、大会が行われることもある場所だ。わたしもサーフィンする姿を生で見るのはじめてだけど、本当に波の上に乗ってるんだね。朝早くだけどやってる人が居て良かった。


「あれが忍者ですか?」

「いやいや、違う違う。アレはスポーツだよ。詳しい原理は知らないけど」


 サーフィンする姿を見てみたかったのと、異世界組も物珍しくて食いつくかもと思ったのでここに立ち寄ったんだ。思った通り興味津々だね。


「やってみたい~!」

「う~ん、じゃあやり方調べて今度やってみようか」

「うん~!」


 中でもミカンの食いつきが抜群だった。誰か教えてくれる知り合い居たかなぁ……


「すみれさんはサーフィン出来ます?」

「やったことねぇなぁ。なんで俺?」

「前にプールで泳ぎが上手かったのを見たので、海のスポーツが得意かなぁと思って」

「ははは、残念ながらやる機会が無かったんでな」


 仕方ない。プロのインストラクターの人を探してお願いするしかないかな。帰ってから考えよう。


「さぁさぁ、次行くよ~」




 路肩に停めていた車を発車させ、最終目的地へと向かう。国府の浜から道なりに南下して西へ向かうと、これまたすぐに岬の先端にたどり着く。志摩地方の英虞湾を取り囲むような地形の最先端。そこもまた美しい白浜が見られる場所だ。


『御座白浜海水浴場』

 志摩地方の有名な海水浴場。白浜の美しさはもちろんのこと、海そのものも綺麗なエメラルドブルーであり、まるで南国の島々に訪れたかのような景色の中、海水浴を楽しむことができる。


「海水浴だ!」


 照りつける太陽の元、水着でおしゃれして海水浴するなんて……


「まるでリア充!」

「まるでじゃなくて普通にリア充だと思うわ」


 水着に着替え終わった横石さんがいつの間にか横にやってきていた。


「う~ん、横石さん相変わらず水着似合ってるよ~」

「ちょっとジロジロ見ないで……恥ずかしいじゃない」


 うんうん、この恥じらいが横石さんだよね。可愛いのう。

 この日のために全員水着を持って来ている。もちろん富士宮市民プールで着ていた水着だ。


「み~ちゃん泳ごう!」

「わっゆ~ちゃんちょっと待って!」


 わたしの手を取って駆けだそうとするゆ~ちゃん。でもこのままじゃダメっ!


「あつっ!あつっ!」


 熱を吸った白浜がわたしの足の裏にダメージを与えてきて、変なダンスを踊ってしまう。


「ははは、ビーチサンダル履かないからそうなるんだよ」

「あつっ、あつっ、ってあれ?すみれさんは競泳水着じゃないんだ」

「そりゃあそうさ。あの時はたっぷり泳ぎたかったからアレを着てただけ。せっかくのビーチなんだ、おめかししたぜ」


 そういっていつの間にかかけていたグラサンを指でくいっと持ち上げてニヤリと笑うすみれさんは、シックな黒いビキニが似合っていて大人っぽくて格好良かった。


「シンプルなビキニなのにスタイル良いから大人っぽく見える……なんかずるい」

「ゆ~ちゃん?」

「わ、私はそういう路線のアイドルじゃないから良いもんっ!」


 似たような形の色違いの白いビキニを着ているゆ~ちゃんは、すみれさんと比べると確かに子供っぽく見え……


「み~ちゃん?」

「な、なんでもない。いこっ!」


 ミカンたちはもう砂浜に走り出して遊んでる。早く綺麗な海で泳ぎたい。


「おう、行ってこい。俺はビーチチェアーで横になってるぜ」


 うっわ、すみれさん、ビーチチェアーで寝ている姿も様になってる。これでトロピカルドリンクでも手にしていたら完璧だよ。




「シャモアちゃ~ん!」

「うきゃあっ!」


 海でプカプカ浮いているシャモアちゃんに特攻して海水を思いっきりかけちゃった。


「けほっけほっ、何すんのよ~!」

「へへへ~」

「くぉら~待ちなさ~い!」


 泳ぎは結構得意だからね、簡単に追いつかれないよ~だ。ってシャモアちゃん早っ!


「まぁてええええええええ」


 しかもバタフライだからめっちゃ怖っ!いつの間にバタフライマスターしたのよ!こうなったらっ


「ゆ~ちゃんガード!」

「え?み~ちゃん!ぐほっ!」

「隠れてないで出てきなさいよ!」

「ふふふ、ゆ~ちゃんがわたしを守ってくれるもんね」

「え?そ、そりゃあもちろぐほっ、ちょっとダメ人間、ぐふっ手加減しっ……ああもう~!!!」

「うきゃあっ!ぐぬぬぬ」


 シャモアちゃんとゆ~ちゃんが遊んでる間に逃~げよっと。


「あんた後で謝りなさいよ」

「うわ、横石さん見てたの!?」

「もう、それより海の中見た?澄んでいてお魚も見えるわよ」

「ほうほう、どれどれ」


 水中眼鏡装着!と。おお、確かにお魚が泳いでるのが見える。水が綺麗だから底まで見える。面白~い。ってあれ?ミカンが素潜りで水中を自由に泳いでる。もうそこまで泳ぎをマスターしたのかぁ。


 ぶはっと顔を上げると、ミカンも上がってきた。


「ぷはぁっ、トモちんトモちん~。海ってすごい綺麗だね~!しょっぱいから飲まないようにするのが大変だけど~」


 にっこり笑顔が眩しいのう。トレードマークのイヌ耳も濡れてぐっしょりしている。もうしばらく海中探索をするようなので、沖に出すぎないように注意して一旦浜の方に戻った。


 浜ではプラムがお約束の砂遊び中。意外な才能で巨大な城が!みたいな漫画的展開は無く、根古ちゃんと一緒に山を作ったりして遊んでいる。


「根古ちゃんは泳がないの?」

「プラム様と砂遊びしていたら熱中してしまって……もう少し遊んだら入ろうと思います」

「海すごい綺麗だったから絶対泳ぐべきだよ。とまぁそれはそれとして、これは何?」


 二人の横で、これまたお約束の埋められているシェルフ。パステルちゃんがせっせと砂をシェルフの上にかけて固めている。


「私がパステル様に教えたら夢中になってしまって……」

「助けてくれでござる~」

「う~ん、あ、そこもっとかけないと」

「朋殿!?」

「根古ちゃん、一枚お願いね」

「かしこまりました!」


 パステルちゃんが気合入れて埋めてるから、せっかくなので写真に残しておきたいな。ここまで綺麗に埋まってるのは中々見たことがないもん。




「はぁ~楽しい~」

「もう、はしゃぎすぎですわ」

「えへへ、みんなと一緒に遊べるのが嬉しくてつい」


 ここまで無邪気にはしゃいだのって久しぶりな気がする。解放感!ってやつの仕業だね、きっと。


「お昼はやっぱり焼きそばかなぁ」

「あら、焼きそばはこだわり無いのかしら」

「うん。というか富士宮にいると富士宮焼きそば以外の焼きそば食べる機会ってほとんど無いから、逆に貴重な機会だもん」

「そういえばそうですわね」


 というか、むしろ外出して焼きそばを食べることがあまりない。富士宮市としては焼きそばを推しているけど、わたしとしては焼きそばは家庭料理なので外で食べるイメージが湧かないんだ。駄菓子屋で売ってる焼きそばを買うことが時々あるくらいかなぁ。


「うんうん、この適当な大雑把な味付けが良いんだよね」


 蒸し麺じゃないから別の食べ物みたいな感じがする。


「横石さんのイカ焼きも美味しそう。一口頂戴?」

「え……ええええええええ!?」

「そ、そんなに驚くの?嫌?」

「い……嫌じゃないですわ。ほ、ほらお食べなしゃい」

「うん、それじゃあ一口」


 差し出されたイカ焼きにそのままパクリとかぶりつく


「え……そのまま?」


 おお、思ったより柔らかい。醤油の香りが良いなぁ。


「美味しいね、ありがとう。焼きそば食べる?」

「え?……そ、それじゃあいただこうかしら」


 といっても、イカ焼き持ってるから箸持てないか。


「はいどうぞ」

「え……!」


 わたしが食べさせてあげれば良いんだ。


「ほらほら、あ~んして」

「あ…………あ~ん」

「ほいっと」


 横石さんすするのゆっくりだなぁ。豪快にすすっちゃって良いのに。


「どう、美味しい?」

「お、美味しかったですわ……多分。味なんて……」


 最後なんて言ったんだろう。小さすぎて聞こえなかったよ。

 あれ?よく見ると横石さんの顔真っ赤だ。


「横石さん顔真っ赤だけど大丈夫?」

「ふえっ!?」

「日焼け止めもう少し塗った方が良いんじゃない?」

「あ……ああ、そ、そうね。そうするわ……」


 いや~焼きそばにイカ焼き、海の家に来たって感じがするなぁ。あとは焼きとうもろこしとかカキ氷かな。




 お昼を食べた後はこれまた定番のビーチバレー。運動神経が良いメンバーばかりだから白熱した戦いになったね。


 海水浴の定番の一つ、スイカ割りだけは旅先なのでスイカが用意できず断念。いつか必ずやろう。


 一日中みんなと海で遊び尽くした。いやぁ楽しかったぁ大満足だよ。陽が暮れるまで遊んでいたかったけど、これから富士宮まで帰らなければならないので早めに海水浴場を後にすることになった。またいつかこうやってふざけあって全力で遊べると良いな。


 車で鵜方まで戻り、レンタカーを乗り捨てで返却し、電車で時間をかけて帰る道のり。全員が疲れ果てて、名古屋駅で新幹線に乗り換えた後に爆睡してしまったのは当然のこと。バイブレーターのスマホ目覚ましかけて、すみれさんだけなんとか起きられて乗り過ごさずに済みました。

サーフィンについては全く詳しくないのでこの先書く予定はありません。

白浜といえば南紀白浜ですが、ここもそこにも負けず劣らずの絶景です。

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