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異世界人の友達と日本を旅しよう  作者: マノイ
2章 上高地・黒部立山「生きる」
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18. 蕎麦

 浜松でうなぎを堪能した後は新東名高速道路に乗って名古屋方面に移動する。豊田東ジャンクションで東海環状自動車道に乗り換え、その先にある土岐ジャンクションで中央自動車道に乗り換える。すると、徐々に北上して長野方面へ向かうことになる。その後、更になが~く山の中を走り続けると、岡谷ジャンクションにぶつかるので今度は長野自動車道に乗り換える。


 ちなみに岡谷ジャンクションのすぐそばに諏訪湖があって以前観光に来たことがある。その時は自動車じゃなくて電車だったけどね。何故なら日本酒を飲みたかったからだ。酒造が沢山あるんだよ。


「諏訪の日本酒、美味しかったなぁ」

「飲むのは松本まで我慢しなさい」

「いやいや、松本でも飲まないよ」


 美味しくてどんどん飲んで2日酔いになる未来しかみえないもん。


 長野自動車道に入ってしまえば今日の目的地はすぐ。松本インターで降りて松本駅方面に向かう。

 流石に時間かかったなぁ。もう夜だよ。


「み~ちゃん、ずっと運転してたけど大丈夫?疲れてない?」

「う~ん、大分疲れてるかな。運転してるときは全く気にならなかったんだけどね」


 途中で何度も休憩したから大丈夫だと思ってたんだけど、自分で思ってた以上に疲れが溜まってたみたい。車から降りて着いた!って思ったら一気に疲れがやってきたよ。


「だから交代しなさいって言ったのよ、もう」

「えへへ、ごめんね」


 みんなの命を預かってるわけだからちゃんと気を使ってたんだけどなぁ。うぐぐ、もっと注意しないと。反省だ。


「御影様、マッサージ致しましょうか?」

「うん、ねこにゃんお願い」

「マッサージなら弓弦が!」

「今日はそういう気分じゃないから」

「なんで……ってそういう意味じゃないからー!」


 おうおう、真っ赤になっちゃって。


「ごめんごめん、冗談だって。久しぶりにねこにゃんの超絶テクを味わいたくなったんだって」


 万能ねこにゃんはマッサージも得意なのだ。資格は持ってないって言ってたけど、かなり上手いよ。


「根古のマッサージはホント気持ち良いものね」

「弓弦もまだまだ頑張らないと」

「ゆ~ちゃんのも気持ち良いよ」


 わたしのマッサージ役になりたいのか、ゆ~ちゃんはマッサージの練習中。練習台はもちろんわたしだ。マッサージで人の体に触れることでアイドルとしての体の動かし方の勉強になるとも言ってたけど、わたしはその意味が未だに理解できていない。


「ごはん~」

「ああ、ごめんごめん、いこっか」


 今日泊まる駅近くのビジネスホテルに車を停めてチェックインし、夕飯を食べに出かける。


「松本市って大きな街……だよね」

「駅近くはそこそこ高い建物が多いでござる」

「ですが違和感がございます」


 辺りを見ると学生やサラリーマンが駅から出入りして帰宅の途につこうとしている。平日夜のよくある風景だ。富士宮駅前よりも人の数は多い。


「人の数がすくねぇんじゃねーか?」


 富士宮人としては少ないなんて言えな……って違うか。街の規模や駅前の発展具合で考えなきゃダメだ。松本駅前は高い建物の会社がたくさんあって道路も駅前広場も広い。都会とまでは言えないけど、地方都市であることは間違いないんだ。


「確かにもう少し人が多ければ違和感無くなるかも」

「みんな駅前には来ないでござるか」

「でも会社が多いなら来るんじゃないの~?」

「車社会だからかもな」


 そっか、そもそも通勤が車だからみんな車で帰っちゃうんだ。だから駅前に人が少ないんだね。


「ありえるわね。案外駅前の会社で働いている人は他の地方の人が多いのかもしれないわ」

「電車で来るってことだね」


 そういえばお土産持ったサラリーマンの人がチラホラ。これから東京に帰るのかな。お疲れ様です。


 歩きながら松本駅に着いての感想を話していたら夕飯を食べる蕎麦屋に到着した。

 長野県と言えば蕎麦だからね。


「天ざる~」

「海老天おろし蕎麦でござる」

「あまりお腹が空いて無いから普通のざるそばにするわ」


 お、十割と二八があるんだ。せっかくだから十割……でも二八の方がツルツルしてて食感が良いんだよね。風味を取るか食感を取るか……悩むなぁ。


「玲菜は二八にするの?じゃあわたしは十割にするから分けて食べよう」

「ええ、良いわよ」

「あ~!玲菜ずるい~!」

「じゃあ弓弦には薬味をあげるわ」

「それじゃあわたしからは七味を」

「なんでよー!」


 お蕎麦は頼んだら早く来るのも良いよね。天ぷらセットにすると少し時間がかかるけど。


「さて、それじゃあ先に来たから食べてるね……ってパステルちゃん何してるの?」


 ざるそばを頼んだパステルちゃんが七味をツユの中では無くて直接お蕎麦の上にかけていた。


「……これ」


 パステルちゃんが指さしたのは壁に張られていた紙。そこには七味を蕎麦の上にかけるのが長野県でのメジャーな食べ方だって書いてあった。


「へぇ~こんな食べ方があるんだ。知らなかったなぁ」

「七味を蕎麦にしっかりと絡めて風味をちゃんと味わうためかしら。ほら、ツユに入れると蕎麦にあまり絡まないでツユの中に多く残るかもしれないじゃない」

「ほうほう、じゃあわたしもやってみようかな」


 と思って七味を手に取ろうとしたその時のこと。


「あらあらうふ……あ」


 粉末が大量に流れ落ちる音がシャモアちゃんの方から聞こえてきた。

 大体何が起きたか想像出来る。


 チラっ、真っ赤、うん。


「……だから……ダメだって……言ったのに」


 どうやら沢山かけたかったから蓋の部分を完全に取り外したらしい。そして手が滑った、と。


「うふふふふふふふ、大丈夫よ」

「あ、ちょっとシャモアちゃ」


 止める間もなくシャモアちゃんは真っ赤なお蕎麦を勢いよくツユにつけて口に入れちゃった。


「ごふぁぶふぉあっ!」


 うわぁ、これは酷い。アイドルにあるまじき光景だ。

 見かねたねこにゃんがササっと片付けてくれた。ありがとう、食欲が無くなるところだったよ。


「……お姉ちゃん」


 パステルちゃんが怒ってる目をしてる。


「……はい、食べて」

「はひぃはひぃ……ハステ……え?」

「……はい、食べて」

「あの……辛くて……」

「……はい、食べて」

「だから無」

「……はい、食べて」


 残った真っ赤なお蕎麦を食べさせるよう圧力をかけるパステルちゃん。怖い、怖いよ!

 シャモアちゃんが涙目なのは七味で辛いからだけじゃないでしょ!







 あ、自分のお蕎麦は大変美味しくいただきました。


松本駅付近をディスってるわけじゃないですよ。そこで働いてる人に『人が少ないって良く言われる』って言われた経験があるのです。


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