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異世界人の友達と日本を旅しよう  作者: マノイ
2章 上高地・黒部立山「生きる」
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16. 出発(迂回じゃないよ)

長野は遠いなぁ(棒


「それじゃあみんな準備はできたかな。車に乗って乗って」


 初日は移動してご飯食べてビジネスホテルにお泊まりするだけなので軽い手荷物だけあれば良い。準備した諸々は明日からなので、今日はファッション性豊かな服装だ。わたしは運転手だから足元は運転しやすいスニーカーだけどね。


「そういえばシャモアちゃんとパステルちゃんが……いた」


 見当たらないなぁって思ったら、車の中でぐっすり寝てた。肩を寄せ合って、仲の良い姉妹のようだ。いや、実際仲良いんだけどね。


「今朝ちゃんと来てたもんね。早起きして疲れちゃったのかな」

「その気持ち、弓弦も分かるよぉ。移動中少し寝るね」

「どうぞどうぞ」


 人数分のお弁当を作ってたんだから大変だったでしょうに。いや、そういえばキッチンから楽しそうな声が聞こえて来たからそうでもなかったのかな。


「それにしても、パステルは良くシャモアを元気なまま連れてこれたわね」

「ほんとほんと、って元気なまま?」

「ええ、てっきり眠そうなシャモアを無理やり引っ張ってくるのかと思ったら、昼間みたいに元気だったわ」

「確かに不思議だねぇ。もしかして一睡もしてなくてハイだったりして」

「ありえるのが怖いわ。本当にちゃんと料理できたのかしら」


 一緒にお弁当を作ったゆ~ちゃんが何も言わないから大丈夫だと信じるしかないね。


「こうやって寝てると、こっちの世界の物語にでてくる妖精のようでござるな」

「微笑ましいです」

「つんつんしたい~」


 口開けてだらしなく寝ているシャモアちゃんと、小さな寝息を立てて静かに寝ているパステルちゃん。対照的だからこそ、お似合いに見えるんだよなぁ。手を握り合っちゃって、可愛いなぁ。


「さ、行きましょう」

「あいよ~」


 目的地は長野県松本市。東名高速道路を西に向かい、愛知県に入ってから北上して長野県へ入る。


 え?遠回りじゃないのかって?


 群馬県を経由するルートも考えたんだけど、東京は色々な旅行先に行くのに良く通るから今回は逆側から行こうって思ったんだ。所要時間もあんまり変わらないし。


 え?そうじゃないって?なんのこと?


 ないよ。他に近道なんかない。


「何険しい顔してるのよ」

「なんか変な声が聞こえた気がして」

「何よそれ、また富士山が語りかけて来たとか言うんじゃないわよね」


 玲菜から富士山ネタ振ってくるなんて珍しいね。わたしが語りだすと面倒臭いかなって思うので最近は話題にしてなかったんだけど。


 よし、そっちがその気ならたまには……ってまぁいっかな。いつもの通り心の中で行ってきますの挨拶をするに止めておこう。


「……」

「……」


 朝だからまだみんなのテンションが低いのかな。旅行なんだから何か話でも……ってそうだ。


「最近ねこにゃんって以前と比べてあまりバイトやってないよね」

「そうでしょうか?」

「うん、前みたいに徹夜してまでバイトを詰め込むってことやらなくなったよ」


 その状態で車を運転しようとするから危なくて何度も止めたんだよね。あの感覚を最近全く味わってない。


「自分ではあまり意識しておりませんでしたが、もしかすると波なのかもしれません」

「波?」

「はい。新しいことにチャレンジしたくなる気持ちの波でございます。最近はそちらよりもカメラやねこ……ボランティアを丁寧に集中してやりたいという気持ちの方が強い気がします」

「ふ~ん、そういうものなんだ」

「おそらくまた新しくて珍しいものを見つけたら、気持ちが変わるのではないでしょうか」


 その波はしばらく来ないで欲しいな。今のねこにゃんの方が安心して見ていられる。

 ……はずなのに、なんか違和感がある。なんでだろ。


「ねこにゃんの写真、かなり良くなったもんね」

「美しい構図が多いでござる」

「漫画の参考にさせて頂いてます」

「きれいきれい~」


 最初のころと何が違うのか、わたしは技術的なことは全く分からないけど、明らかに良くなったってことだけは感覚的に分かるんだ。


「ありがとうございます。努力したかいがございました」

「今度コツを教えてよ」

「はい、喜んで!」


 お、定番台詞いただきました。こうやって使うとホワイトな印象になるんだなぁ。


「今度俺と単車を撮ってくれよ」

「すみれさんが写真撮って欲しいなんて珍しいね」


 これまで写真の話をしてたの聞いたこと無かったもん。


「そうか?朋には言ってなかったが、以前は料理の写真とか結構撮ってもらってたんだぜ」

「え?そうなの?」

「最近はシェルフがネットで公開するために撮ってもらってる印象の方が強いからかもな」


 そう言われると、確かに一時期ねこにゃんが料理の写真を撮るのにはまってた時期があった気がする。あれってすみれさんの依頼だったんだ。


「料理の写真を何に使うの?」


 単に記録しておきたいだけならスマホのカメラで十分だろうし、何か特別な用途があったのかなって思ったんだ。


「ん~どうだったかな」


 あ、はぐらかそうとしてるね。これを秘密にするって変な感じ。秘密にしたいってことだからもちろん無理には聞かないけどね。


「……お姉ちゃん……起きて」

「……パステル……もう少し……だけ」


 どう話を逸らそうかなって思ってたら、後ろから可愛らしい寝言が聞こえてきてほんわか空気になった。しばらくはこのまま無言でこの雰囲気を味わってようかな。


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