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異世界人の友達と日本を旅しよう  作者: マノイ
2章 上高地・黒部立山「生きる」
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15. 準備

「すみれさんも復帰したことだし、恒例の準備タイムだね」

「おう、待たせたな」

「曲は完成したの?」

「いんや、まだだ。気長にやることにしたよ」


 曲作りに没頭していたときのすみれさんは焦っていたような雰囲気があったけど、今は普段のすみれさんに戻ってる。何か吹っ切れたのかな。


「うん、楽しみにしてるね」

「おうよ、楽しみにしてな」


 絶好調って感じだね。良かった良かった。


「それでは横石玲菜様、よろしくお願いします」

「何よそれ」


 ただのノリに冷静に突っ込まないでよ。


「今回の旅行は事前に内容を細かく伝えてあるから、主に復習になるわね」

「うふふ、避暑だよ」


 とんでもない猛暑の連続に耐えられなくなったので避暑するのだ。


「行き先は覚えてるわよね?」

「……上高地と……黒部立山」


 避暑を考えたときに最初に思い浮かんだのは北海道だ。でも、北海道でも札幌は気温が 30度越えてるし、どこでも涼しいわけじゃない。それならもっと近場で手軽で観光にもなる避暑地は無いかって調べて見つかったのが黒部だ。どうせなら近くの立山も、少し離れてるけど上高地も、全部行こう、ってな感じで行き先が決まった。


「今回は散策がメインだからいつもとは違った服装が必要となるわ。全員準備は出来たかしら」

「パステルちゃんのコーディネート力を借りて万全の準備を整えたよ」


 このために先日、登山用品を揃えに出かけたんだ。立山はハイキングレベルの準備で登れるらしいけど、せっかくだから登山装備で登るよ。上高地は登山と言うよりも森の中の散策だから、そっちはそっちに適した服装を用意した。山ガールと森ガールだ。まだガールだもんっ!


「服装以外の準備も大丈夫かしら」

「わたしはまだリュックに詰めてないよ。漏れが無いようにみんなで一緒に詰めたいと思ってたんだけど、みんなもう準備しちゃった?」

「うふふ、まだだよ」

「弓弦も時間無くてまだ出来てない」

「私もまだね」


 他の人はもう準備完了してるみたい。玲菜がまだで助かった。


「玲菜が準備してないって珍しいね。一番早く準備終わらせそうなイメージがあるのに」

「ふふ、そうね」


 ……まさか、わたしの考えを読んで敢えて準備しなかったとか?

 じ、自意識過剰だよね、あはは。


「問題児が失敗しないように一緒にやろうと思ってたのよ」

「問題児!?」

「なんでよー!」

「あらあらうふふ」


 ぐすん、酷いよぅ。わたしは普段変なミスしないのにシャモアちゃんと同じ扱いになってるなんて。まぁちょっとした冗談だってのは分かってるけど。


「というか、なんでシャモアちゃんは『自分じゃない』風な顔してるの!?」

「あらあら、当然よ」


 ああ、うん。玲菜が頭抑えてる。気持ち分かるよ。そういうときは最終手段を使うんだ。


「パステルちゃんお願い」

「……うん……後で……矯正……する」

「うふふ、ひいいいいい」


 この双子、徐々に変な関係になりつつある気がするけど気のせいだろうか。


「シャモアの話が出たついでにアレも確認しましょう」

「うわぁ、聞いちゃうんだ」

「ちょっとみ~ちゃん。うわぁって何よ~」


 お弁当のことだよね。昨日、一日かけて下ごしらえしてたけど大丈夫かなぁ。


「当日の朝に完成させるのよね。大丈夫なの?」


 色々な意味を含めての『大丈夫なの?』なんだけど、理解してくれるのだろうか。


「もっちろん大丈夫よ。弓弦たちに任せなさい!」

「うふふ、自信作よ」


 チラっとパステルちゃんを見ると、『大丈夫です』って感じで頷いてくれたから安心はしてるけど。


「内容はともかく、シャモアは朝ちゃんと起きれるのよね」

「うふふふふふふふふふ」


 うわぁ、露骨な焦りようだ。シャモアちゃんって朝起きるの苦手だからなぁ。

 ちなみにゆ~ちゃんは早起きは得意だ。以前は苦手だったけど、ハードな練習の毎日で体が慣れちゃったらしい。わたしと玲菜の早朝トレーニングにも平気でついてくるようになっている。


「ちょっと、ちゃんと来なさいよ!」

「……大丈夫……絶対……送り届ける」


 パステルちゃんの目が鋭く光った。なんという心強さ。シャモアちゃんがブルブルと震えているのが逆に何故か信頼できる。


 ほんと、なんだこの姉妹。


「それじゃあパステルを信じるとして、移動手段の確認よ」

「今回は俺も一緒に行くぜ」

「ということなので、一台の車で行きましょう」


 富士宮発で全員同じ車に乗って旅行するのって久しぶりな気がする。楽しみだ。


「初日は松本に泊まるんだっけ?」

「ええ、翌日に上高地に向かって散策して一泊。黒部入口まで移動して一泊。朝一で黒部ダムに向かって立山観光まで済ませたら富山側に降りて一泊って感じかしら」


 残念なのは立山にある観光ホテルに宿泊できないことだ。予約で一杯なんだよ。大人気らしくて満室御礼。ここに泊まることが出来ればもう少しゆとりのある日程が組めたかもしれないんだけどね。


「無理の無い行程になってるから大丈夫だと思うわ。後は天気が良いことを祈るだけね」

「避暑とはいえ、雨が降ったら最悪だもんね」

「ちゃんと雨用の準備も忘れないようにしておくこと」


 玲菜の指摘にも問題ないと反応する準備済みメンバーたち。うんうん、心強いなぁ。


「そうだ、忘れるところだったわ。今回はライブ先を探さなくて良いのよね」

「うん、今回行くところはライブやるようなところじゃないからね」


 避暑目的の森の中や山の中でライブなんてやられたら迷惑だし危険だもん。場所が珍しければ良いってわけでは無い。


「その分、旅行後の野外ライブで盛り上がろう」


 旅行の後に大阪で大きな野外ライブを企画しているから、そっちに注力する。そのころの予報を見た感じ気温は少し下がっているみたいだから、雷雨が来ない限りは程よい夏の野外ライブになりそうだ。


「そのためにも怪我しないように気をつけましょう」


 という玲菜の言葉に返事をして、避暑旅行の準備会はお開きとなった。


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