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異世界人の友達と日本を旅しよう  作者: マノイ
2章 上高地・黒部立山「生きる」
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2. 暑い夏(物理)

「あっづい~」

「シャモアちゃん、みっともないよ」


 眼福だけど。


 なんて言ってられない。胸元をパタパタやって少しでも風が通るようにしているシャモアちゃんをはじめとした仲間たちのことなんか気にもせずに早くエアコンの効いた建物に入らないと。


 7月初旬、今年の夏は非常に暑い。

 連日35度を越えて、毎日どこかしらで40度を越えているってニュースが目に入る。こんなに暑いんじゃ外に長時間出てたらバターみたいに溶けちゃうよ。


「……お姉ちゃん……カキ氷……食べたい」


 ううん、パステルちゃんも結構グロッキーだ。

 わたしもかなりしんどいから早く建物の中に入りたいよぅ。


 日本特有のサウナの夏、高校球児みたいにわたしたちも絶賛炎天下の中ライブの練習中。


 なわけない。『カラフル@すくらんぶる』はブラックじゃあないのです。

 単なるお買い物で、駐車場が建物から遠いところしか空いて無かったから少し歩く距離があるだけ。その程度で文句言うなって?


 あはは、今年の夏、その程度で倒れそうになるほど暑いんだってー!


「わたしはソフトクリーム食べたいなぁ」

「弓弦はフラッペで~」


 甘くて冷たいものを想像して頑張って歩かねば。

 車に戻るときも辛いって?

 それは禁句です。


「やっと中に入れたよ~」


 流石のミカンもこの暑さはキツイみたいだね。シャツの裾をもってパタパタやってる。

 ゆ~ちゃんはもちろんのこと、玲菜ですらかなりの薄着でうちわであおいでる。


 建物の中の冷房で少し落ち着いたわたしの頭は、夏堪能モードに切り替わる。

 ぐへへ、みんな薄着で肌色多いのぅ。

 それに汗でシャツが透けて見え


「さ、みんな中はエアコン強いから上着を着るわよ」


 ぐっ……流石玲菜、ガードが堅い。

 あ、わたしも寒いから着ます。


「うふふ、それじゃあ私は食べに行くよ」

「こらこら、先に買い物でしょ」

「……トモさん……今回は……先が良いです」


 およよ、パステルちゃんが珍しくお姉ちゃん側だ。


「そうだよみ~ちゃん、体がまだ火照ってる間に食べたいじゃん」

「ううん、じゃ今日は先に食べよっか」


 それなら外で食べた方がもっと美味しいのでは、というツッコミはできないわたしだったのである。

 最早拷問でネタにすらならない、そのくらい辛いのだから。


「来週もずっと同じくらい暑いんだってさ」

「そろそろ外で遊びたい~」

「これだけ暑いといつもの公会堂で練習もできないからなぁ」


 日陰の下であっても辛いことには変わりはない。

 そんな状況でダンスをやるとか頭が狂ってると言われてもおかしくない。


 部屋を借りてエアコンの効いた室内で練習してるけど、やっぱり外でやる方がなんとなく気持ち良いんだよね。


「そういえば2人は今日は家のお手伝いは良いの?」


 シャモアちゃんとパステルちゃんは今もお世話になっている下田の喫茶店でお手伝いをしている。それがあってここしばらく富士宮には来てなかったんだ。


「うふふ、しばらくはお休みだよ」

「……臨時休業」

「臨時休業?何かあったの?」


 といっても、普段どれだけの頻度でお店を開けているのか知らないんだけどね。なんとなく週6くらいでやってるイメージがあった。


「……親戚の人……体調悪くて……お見舞い」

「あら、それは大変だ。夏だから心配だね」

「あらあら、それは口実で少し疲れたから休みたいんだって言ってたよ」


 う~ん……どういうことだ?


「……お客さん……最近……多いから」


 なるほどね、そりゃあそうだ。2人が下田に住んでいることはもう各所にバレてるので、お客としてくる人が多くて繁盛してるって聞いたことがある。元々が細々とやっていこうとしていた店なので、人手不足でてんてこ舞い。わたしたちもヘルプとして入ったことがあるんだよ。逆効果になったから止めたけど……


「今は落ち着いて来たって言ってたけど、それでも通常より来客が多くて疲れることは変わらないだろうからね。この灼熱の中だとエアコンが効いてる部屋で普通に生活してても疲れるし、思い切って休むのはアリだと思う」


 年をとって引退して裏路地にある喫茶店のマスターとして静かに生きる。


 こんな生活を憧れたこともあったけど、こういう話を聞くとやっぱり大変なんだろうなぁって思っちゃう。余程好きなことじゃないとやってけないね。そもそも『引退』するにはその前に何かしらの仕事に就いてなきゃダメなんだけどね。アハハハハハ。


「流石の弓弦も最近はあんまりハードな練習ができてないんだよね。そもそもこの状況でライブやったら下手したら死人が出るからすごい気を遣うんだよ」

「ゆ~ちゃんのライブってお客さんもハードだもんねぇ」

「そうそう、少し暑いくらいなら色々と煽ったりもするんだけど……」


 この程度でへばってんじゃねーよー!とかかな。確かにそんなこと言ったら大炎上しそう。色々な意味で。


 と、そういう話をしているうちにフードコートに着いたので各々好きなものを食べることに。


「うふふ、パステル頂戴」

「……はい」

「ん~!ちめたい!」

「……私も……ん~!」


 双子がカキ氷を食べさせ合いっこしてる。相変わらず仲が良いのぅ。


「あ、み~ちゃんのソフトクリーム頂戴。うん、やっぱり朝霧牧場のソフトは濃厚で美味しいね」

「私も貰うわ」


 あらら、わたしのソフトクリームも人気だね。


「なんで玲菜はスプーン使ってるのかな?ゆ~ちゃんみたいにパクってやって良いんだよ?」

「そうしたら朋がその場所を念入りに味わって食べるでしょう?」

「もちろん」

「う~ん、さすがみ~ちゃん、いつもの変態っぷりだね」

「失礼な、2人ともわたしが口にしたところを敢えて食べたくせに!」

「「なんのことかな(かしら)」」


 まったく、最近は割とこの2人の方が押せ押せでわたしの方が引き気味な時もあるくらいなんだぞ。だから少しばかり薄着のままのミカンで目の保養をしても問題ないよね。


「ペロペロ」


 うっひゃああああ、ソフトクリームを丁寧にペロペロしながら食べてるの可愛すぎるうううう。


「朋」

「み~ちゃん」


 わたしは絶対尻になんか敷かれないぞ。気にせず鑑賞継続だ!

 ってあれ、わたしのソフトクリームが解けて持ち手の方に垂れてきた。


「んっ、ペロペロっ。えへへ、これで良しっと」


 早く残りを食べちゃおうっと。


「「……」」


 どういうわけか、凄かったです。いつどこで何がとは言いませんが。


特に意味は無いお話です。

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