続・屠竜王大征編
「ティレイ、ティレイ」
「なに?」
「さっきの秒読み、燃やしていいよってことじゃなくて」
「え?」
〜しばらくお待ちください〜
「気を取り直して、第二回のスタートです!ご挨拶とか事故る未来しか見えないのでさっさと進めましょう」
「ちょっと」
「では早速最初の質問」
「ちょっと!」
「……なんですか」
「いきなり人のこと危険物扱いはひどくない?」
「いきなり人のこと燃やすよりはひどくないと思いますよ?ねぇ」
「さすがにこれはティレイに非があると言わざるを得ませんね」
「ほら」
「ピオ?」
「なんですか?」
「ごめんなさい」
「はいよく出来ました」
「……どういう力関係なんです?」
「ティレイはいい子なんです」
「ピオ、もう黙って」
「はーい」
「さて、そのピオネーシュさんなんですが」
「はい?」
「何者なんですか?」
「あ、これはご挨拶が遅れまして。わたくし、ティレイのお世話係のピオネーシュです。骸骨です。よろしくお願いします」
「これはご丁寧にどうも。はい。で。魔物?」
「そうですね。はい、そうだと思います」
「曖昧な」
「だって、作られてからこの方、お前は魔物だと言われたことがある訳でもないですし」
「ないの?マ?」
「ないですねぇ。ですよね?ティレイ」
「ないわね。人前に出ることもないし。それならあんた、お前は人間だ、って言われたことあるの?」
「ないですね」
「そういうこと」
「いやまぁ、それは分かりました。で、魔物というと本編で登場したのは暴竜を除けばヴァドステンからメルクドネアにかけてですが。実はモブ登場してたり?」
「ないない、この子矢面に立つなって言われてたし」
「はい。戦いの役には立たないから、自分の仕事をなさい、とだけ」
「自分の仕事とは?」
「ティレイのお世話です」
「それはまた大変な」
「なに」
「いえいえげふんげふん。えーと。そもそも、魔物ってどうやって生まれる?作られる?んですか?」
「ピオはメリーシャヤに作られた魔物。というかメルクドネア関連は全部そう。あとはマナ溜まりとかマナの澱みとかで、その辺のものに憑依したり変異したりして自然発生したり、ってとこかしら」
「おお、解説っぽい」
「解説で呼んだのあんたでしょ」
「……前回のこと気にしてらっしゃる?」
「ティレイ、燃やしちゃダメですよ?」
「ち」
「舌打ち?なんで?」
「あんたが茶化すからでしょうが」
「それはだってほら不可抗力」
「ピオ、こいつこんなこと言ってるんだけど?」
「まぁ、これは燃やしちゃっても仕方ないですかねぇ」
「待って、許可しないで!?」
「とはいえ。話が進まないので、燃やすのはあとにしましょうか」
「そうね、それがよさそう」
「ひぃっ!?」
「ほら、進行なさい。司会でしょ?」
「はい。ひっひっふー。自然発生って言いましたけど、マナ枯れてますよね?」
「枯れかけ」
「ああ、稀によくある的な」
「まぁだいたいそんな感じ。どっかの流れの傭兵とかが食いっぱぐれない程度には、ってとこかしら」
「流れの傭兵ってすぐ盗賊になるような雰囲気」
「食うに困ればそうなるでしょうね」
「ダメじゃん」
「国が戦争やってれば治安はお察し」
「なるほど」
「国軍が機能してるならそもそも傭兵の需要がないでしょ。逆に不安材料として扱われるから、取り込むか排除するかの二択?」
「そうなの?」
「国が武力で弱みを見せたら終わりでしょうが」
「まぁ、確かに?」
「なんか腑に落ちない顔してるわね。国は民を守る。民は対価として税を払う。弱くて守ってくれなさそうって思ったらあんたならどうする?」
「税を払わない」
「そういうこと」
「でも、戦争してて守ってないじゃん」
「戦争で殺気立ってるところに税払わないとかほざくやついたらどうする?」
「そりゃ見せしめに。あ」
「そういうこと」
「怖……」
「いや、普通でしょ」
「世界が違うってよく分かった気がする」
「あっそ。ていうか、魔物の話じゃなかったの?」
「おっしゃる通り。マナが濃くなると魔物が増える。楔が抜かれてマナが活性化する。つまりこういうこと?」
「あら、分かってるじゃない」
「ヤバいじゃないですか」
「そうね」
「他人事ェ……」
「他人事だもの」
「あ、でも魔法とか魔術とかも使えるように?」
「バカなの?」
「え?」
「使えないわよ?使わせないように知識を取り上げたんだもの」
「そうだったー」
「まぁ王国が磐石なら対処出来るんじゃない?人間同士で潰し合いしたりしなければ、よっぽどのが出てこない限りはね」
「よっぽど、とは」
「暴竜クルヴォレクとか」
「あれが野放しになったら目も当てられない。とはいえ、討伐出来た相手だしあれくらいならなんとか」
「なるほど、バカなのね」
「What?」
「片翼をもがれゾミウ山という檻に閉じ込められ、楔として繋がれたあれは抜け殻みたいなもんよ。本領発揮なんてされたらあっという間に国が滅んだでしょうね」
「……うーわー……」
「まぁ、楔が抜かれたからってすぐにどうこうじゃないし、魔術に関してはどうせ……」
「どうせ?」
「ネタバレ嫌なんでしょ?言わないでおいてあげる」
「あ、ありがとう?」
「じゃあ今日はこの辺でいい?」
「そうですね、キリがいいのか悪いのかもうよく分かりませんが」
「じゃあ燃やすわね」
「覚えてたぎゃーーーー!」




