なんでこうなる?
相変わらず…実花子の話はクドイ、ナガイ、イミフメイの三拍子だ。
「ね、あの学祭の時の彼ってさ~今じゃ全く別人よ別人!」
「あの時あんなに燃え上がっていたのに、続けてなくって良かったわって思っちゃった。」
…それって付き合ってないパターンだったよね?
「亮子は相変わらずボッチ生活なの?」
「昔っから一匹狼だったよね」
…友人は君よりたくさんいるが?
「ほら、星見サークルで一緒だった陽平だっけ?」
…涼太だろ。星見じゃなく天文学サークルだし。
「亮子と二股かけようとしるなんて酷いよね」
…実花子が勝手に惚れて勘違いしてただけでしょ?
「あの頃の亮子と今も変わってないね~
洋服はダサいけどさ」
…制服ですが何か??
「聞いてる?」
「聞いてはいるよ。」
亮子はコーヒーはそのままに
ドリンクバーからオレンジジュースを持って来た。
「喉乾いてるのね~仕事してたもんね。」
…いい加減にコーヒー好きって思い込みからは外れようよ。
この会話の感じは
昔と全く変わっていないパターンだ。
言いたい事だけ言い
聞きたい言葉だけ聞く…
思い込んだら一直線。
「私ってさ~昔っから家事ってしないタイプじゃん。」
…ほらもう話の向きが変わった。
「すぐに手荒れしちゃうしね。」
…手袋って知ってる?
「最近じゃお湯すら沸かせ…沸かさないわ。」
「そんなんで身体大丈夫なの?」
「今は食べ物は溢れかえってるから
買えばなんでもあるしね。大丈夫よ。」
…大量のキャベツの千切りを清掃したのを思い浮かべて、
そういう事かと納得した。
亮子自身も1人暮らしなので、食材は少しで良いが、
さすがにあのキャベツの量は、多すぎるんじゃないかと思った。
「買い込み多すぎない?」
「買い込み行くのも面倒なんだもん。夜中とか不意に食べたくなるとコンビニ行くより、手軽だし」
…キャベツの千切りを夜中に食べるのか?
ダイエットのつもりなのか?
その割りに以前よりコロコロしているが。
「行かんせん、上司がさ~面倒な仕事ばっか
押し付けてくるわけよ。エコ贔屓ってやつ。
自分の派閥の人には軽い仕事ばっかやらせるから
こっちの仕事が忙しくて…」
「もう嫌になって来て転職しようかって思ってるわけ。
その時に色々と暴露するけどね。」
そう言っていやーな笑顔を見せた。
『ヤバい奴だな此奴。』
『そうだな、貧乏神どころではない。
餓鬼…もしくは犬神か?…』
自販機の上に並んで座って
屋船さまと唐変木(亮子の中で定着してしまった)が言い合っている。
『このままでは生成となるか…』
『果ては般若か…』
『犬神でも厄神でも、自身の澱み…が原因だからな』
『亮子、此奴とは間をおけ』
屋船様がそう言った途端、綾子がにこやかにお願いして来た。
「明後日からしばらくさ~海外へ行くのよ。
悪いけど、うちの中の様子を見に行ってくれる?」
「はぁ?無理よ」
「ウチに猫がいるからさ、留守中心配なの!
お願い、可哀想でしょ猫。名前も猫なんだけど」
「仕事あるから無理よ。」
「これが住所
で、セキュリティロック番号と…」
実花子がメモとカードが入ったジプロックを取り出し
テーブルに載せる。
「ねぇ 無理だって言ってるでしょ?」
「カードキーは無くさないようにね。」
そういうともう亮子の顔すら見ずに、
もうスピードで立ち去って行った。




