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掃除屋さんは心も綺麗?  作者: 黒米 紅子
貧乏神VS貧乏神
20/40

何やってんだか

休憩室へ向かうと ちょうど山川が

休憩室のゴミ回収をしていた。


「すみません…間に合わなくって。」


「仕方ないさ繁忙期なんだから。」


山川は黙って亮子が回収してきた

トイレや風除室のゴミを

自分のゴミと一緒にし 自分のダストカートに入れた。


「一緒に出してきてやるから、ここの清掃済んだら

すぐに休憩に入れ

思ってる以上に顔色良くないぞ。」


そりゃそうだ。

親指貧乏神が憑いてるんだから。


「ありがとう」


素直にそう言って

休憩室の洗面台、歯磨き台、流しの清掃に入る。


全ての水回りを洗剤で洗い、拭きあげ

最後に消毒をしていく。


厄介なのは歯磨き台。

水が渦になって流れていく仕様だ。

ただ歯磨き粉が飛び散っていたり、

…痰とか吐かれていたりする。


黄色のスポンジで磨き上げるのだが、

蛇口にセンサーが付いているため

うっかり反応させると

蛇口からも、洗面台からも同時に水が流れてしまう。


ついうっかりが、自分に跳ね返り

水がかかってしまう。


…綺麗な水ならともかく

洗剤含んだ水は被りたくない。


注意してたつもりが、やっぱりかかってしまった。

それも…面白そうに覗き込んでいた、

姫さまに…


「あれぇ~」


姫さまの上から下までずぶ濡れ

もちろんポケットもずぶ濡れだ。


亮子は慌てて、ハンカチで姫さまを包んで鏡の前に置く。


「姫さん仕事終えちゃうからちょっと我慢してて。」


神さまが風邪をひくとは思わないが、


やはり心配だ。


大慌てで残りの歯磨き台を清掃する。


この際 また濡れてもいいからと大急ぎだ。


実際二度ほどかかってしまったが、

亮子は平気で作業を続けた。


作業が終わり姫さんをグルグル巻きでポケットに入れ

清掃控え室に戻った。


「おまっ!びしょ濡れじゃないか、何やってるんだ。」


山川はタオルを持ってきて

亮子に投げた。


「まず拭け!」


私より姫さんが心配な亮子は、

気もそぞろで答える。


「着替えて休憩します。ちょっと買い物もあるんで。」


「その方が制服も乾くな。


気をつけろよ。」


ロッカールームで着替えた亮子は


制服を乾かすようにハンガーにかけて買い物へ向かった。


向かった先はおもちゃ売り場


「着替えになるようなお人形の洋服って…」


…結局 シルバニアファミリーの


うさぎのお母さんの服とか


キューピーの服とか…


…あった!「セリアドール」とか言うお人形の服だ。


とりあえず買おう


シルバニアのドレスに

セリアドールのワンピースにロンTと短パン

靴はサイズもあると思い

サンダルにした


下着まである…


亮子はなんだかワクワクしてきた。



「なんで??なんで嬉しそうなの?」


ロッカー室で姫さまを着せ替えしていると

…着替えではなく、亮子のなくでは着せ替えになっていた。



「おかしいよ。

あんた貧乏神でしょ、なんで尽くされてるんよ。」



西洋人形の仁王立ちは

ちょっとホラーに近かった。



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