良いところで?
「貧乏神…さま…ですか…」
『そう…貧乏神なのは彼女のせいじゃないけど、
彼女もね~一般人な格好で遊び呆けてるから。』
貧乏神様が遊び人って…
かなりイメージと違うんだけど。
『貧乏神ってね、取り憑かれると貧乏になるから
貧乏神じゃないのよ』
「そうなんですか?」
亮子は、結露で濡れたグラスとテーブルが、
許せず、店員にカウンタークロスを頼んだ。
届いたクロスで、屋船さまのグラスと自分のグラスを拭き
テーブルまでつい拭いてしまう。
コロコロと笑いながら屋船さまが言う。
『ほらまた浄化してる』
「これ職業病ですよ。浄化なんかじゃ…」
『あー流石に人間にはそこまで見えないのね」
「…何かいるんですか??」
『今はいないわ。
でも気づいても気づかないフリをしちゃったり、
放置しちゃえば、
ただの汚れも不浄になっちゃう。
そんなとこに寄って来るのが餓鬼とか貧乏神よ』
「え!貧乏神って一人じゃないんですか?」
ダスターでテーブルの水滴を拭く手を止めて亮子が聞いた。
『そうよ、幾柱もいるわね。
貧乏神だって好きで貧乏神になるんじゃなく、
八百万の神の中で
人々に忘れてられ自分が不浄になってものもいるわ』
『他にも…』
「まだあるんですか?」
『…ウフフ、もう少しなんか食べない?』
…もっと聞きたいところで
その提案はズルいと思った。
『あのね…ランチプレートってのを食べたいの!
プレートって地盤って事でしょ?楽しみぃ』
「…地盤ではなく平らなものの事ですよ。」
『溶岩でできたお皿って事?』
「地盤から離れてください…」
やれやれと思いながらスタバを出て、
2軒先のパスタ屋へ移動した。
タッチパネルに大興奮する屋船を
一瞬でも可愛いと思った自分を呪いたくなった。
「どーすんですか、こんなに頼んで!」
幾ら亮子のとってタダとはいえ
6皿もランチプレートやパスタ ピザが並ぶ。
『デザートもあるの』
と声だけは、申し訳なさそうに屋船さまが笑う。
はぁぁとため息が出た。
お持ち帰り用のパックを頼もうぁとした時
「おい 亮子…そんなに食うのか?」
後ろから声がかかった。




