第三話 はじめまして よろしく -風と光のかさなり- 二
季節がめぐる。
ある夜。
新しい橋が、
静かに光りはじめた。
「橋が、ひかってる!」
アララが目を細める。
その橋のほうから、
やわらかい光が流れてくる。
スピーダは耳をすます。
「おと、ちがう。
やさしい、おと。」
LEDの光が、
川の上をゆっくり流れる。
その光の中に、
ちいさな粒がひとつ。
橋の欄干の影で、
光が糸のように結ばれ、
ちいさな姿が、
そっと浮かびあがる。
橋の中央では、
丸い影が、
あたたかな気配を
ゆっくりと広げていた。
それが――
ふわり。
そして、
もころん。
ふわりは、
川の上にそっと浮かぶ。
アララが、
やさしく風を送る。
光が、虹のようにひろがる。
スピーダが、
音の輝きを放つ。
そのきらめきを、
もころんの
あたたかな気配が包みこむ。
それは、ほんの一瞬の出来事。
そこにいた人たちには、
ただの夢のひととき。
スピーダが、うれしそうに笑う。
「おと、する。
おなじ、おと。」
アララは、
うなずきながら微笑んだ。
「そっか。
わたしだけじゃ、なかったんだ。」
橋の風が、
川面をなぞる。
橋の光が、
やわらかく照らす。
ひかりと かぜ。
おとと けはい。
やさしくまざりあい、
川の上をすべっていく。
ふたつの橋は
となりあって、
それぞれのやさしさで、
川を見守っている。
川は、
おだやかに流れる。
その流れの中に、
ちいさな光が、
ひとつ、ふえた。
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