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第十話 みちが あい わかれる ところ はじまりの物語 ニ
やがて
そこに
橋が架けられた
三方向に
つながる
不思議な橋
小さな光は
その橋と
重なり
やがて
羽衣をまとった
小さな妖精の姿になった
三つの色を
まとった妖精。
その名を
三つ路の精
ミツル。
橋の上では
まだ
三つの風が
ゆらいでいた
そのすべてをまといながら
はじめて
橋の中央に立つ
「……ここが、
あうところ」
ミツルがそうつぶやいたとき――
橋の下から、
低い音がした。
ごう……と、
水が
ひとつ、深く鳴る。
流れが
わずかに変わる。
ミツルは
ふわりと
欄干の上に立ち
水面をのぞきこんだ。
その奥に、
ゆっくりと
動くものがある。
はじめは
ただの影だった。
けれどそれは、
川の流れそのものを
まといながら
静かに
かたちを持ちはじめる。
渡し場の記憶。
人の流れ。
荷の重み。
舟の音。
それらすべてを
支えてきた
そのものは
三つの角。
三つの尾。
体には
三つの流れが
宿っている
新町川の流れ
助任川の流れ
それらが合わさった流れ
橋獣は
静かに
橋へと進む
その名は
三叉の守
トリガミ
ミツルは、
静かに
迎えた
少し
風が揺れた




