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第十話 みちが あい わかれる ところ はじまりの物語 一

二つの川が

出会う場所に、

小さな渡し場があった。


舟は、

川のこちらとあちらを

忙しく行き来していた。


朝には、

市場へ向かう舟。


昼には、

商人の荷を運ぶ舟。


夕方には、

帰る人々を。


その場所には、

いつも

人と物の流れが集まっていた。


けれど、

渡し場には

もう一つの流れがあった。


それは――


風の流れ。


ひとつではない


北から

西から

町から


それぞれが

他へと

渡そうとする


人は、

ここで

立ち止まった。


北へ行くか。

西へ行くか。

町へ戻るか。


心は

三つに分かれ

迷っていた


渡し場の石は、

長いあいだ

その迷いを見つめていた。


ある静かな夜。


川の水が

ゆっくりと

合わさる。


そのとき――


風が

三つの道から

同時に吹いた。


北の風。

町の風。

川の風。


三つの風は

橋の真ん中で

くるりと出会い、


ひとつの

小さな光になった。

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