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第九話 ねむりの橋 一
その橋は
今
眠っている
いや
眠っていると言っていいのか
新しい橋に
架け替えられるのだ
工事中の
橋のまわりは
騒がしい
だが
深夜
まわりの灯りが
ほとんど消え
月の明かりが
鮮やかさを取り戻す頃
二つの気配が
静かに
近づいた
「やっぱり
感じられないね」
「おと きこえない」
そのまま
しばらく
まわりを
ただよっていたが
ひとつの気配が
ふうっとためいきをついた
「そんなに
がっかりするでない」
ふいに
声を
かけられ
ふたつの気配は
声のした方を
見た
「コスタクルス!」




