エルフの森
はぁはぁ。とりあえず黒羽を運ばないと……
ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ!
解毒もしな、いと、まずいな……
黒羽を優しく抱き抱えようとするが、
一瞬、弾かれ、
静電気のような痛みが指先に走った
痛て!何だ?と、とにかく急がなきゃ!
すぐさま、黒羽をお姫様抱っこして、現在地から近い、エルフの森へと向かう
そして
森で戦闘中だった騎士団長は
……はぁはぁ。何とか、倒したが……
さっきの爆発は一体……
近くにいた倒れている騎士たちと王様を起こし、
城下町へ戻る準備をした
助かった、騎士団長。だが……
はい。やつらに何人もの……仲間が……
あぁ。とりあえず……
一度私が城に連絡をしよう。
そこから、今後を考えないとな。
……はい。……騎士の皆、それぞれ、帰還準備だ。
「「はい……」」
グリーンライン城内
……!?王様から連絡が!!もしもし、
えぇ!?王様から?
(黒羽達も大丈夫かしらぁ。急いで連絡しよう。)
王様から連絡をもらい、現場の状況を伝えられ、
それから帰還の仕方を話し合い、
危険だが、城下町に残っている騎士たちが向かうことに
……出ない……わねぇ。
なら、援軍に行った騎士たちに……
……こっちも、出ない……そんな……
何があったの……
エルフの森に向かうジークは
はぁはぁ。……
(王様の行方も気になるが……まずは黒羽を……
助けないと……それからミア様に連絡しよう……)
黒羽を抱き抱え、フラフラとなりながら
エルフの住む森へと向かい、
なんとか入り口らしきところに近づいた
おい、貴様!!そこで何をしている!!
二人の門番が険しい表情でジークを見つめる
えっと、……ゴホッ!ゴホッ!
この人を助けてもらいたくて!ここに来ました。
ん?おい!あれ見ろ!
エルフじゃないか!!何があった?
実は……近頃の汚染事件の関連で、犯人が
この地帯にまで来てて、それでその事件に
巻き込まれてしまって……!?
うわぁ!!!!……
門番のエルフがジークの肩目掛けて矢を放ち、
ジークは咄嗟に背中を向けて矢を受けた
悪いな。俺たちは同族以外信用ならないんでね。
試させてもらった。
ぐぁ……ぐっ……はぁはぁ……
これくらいのことは……
承知の上でここに来たんだ……
だから、お願い……します!!
ジークは目に涙を浮かべながら必死に訴える
あぁ。分かった!!
それに、同族の危機とあらば助けないわけには
いかないしな。
おい!とりあえず王様に報告してこい!急げ!
わ、わかりました。
門番はジークを警戒しつつ、
もう一人の門番の報告を待った
エルフの森城内
ローガン様。この森に侵入者、というかその、
どうした?そんなに慌てて。ゆっくり話せ。
実は、例の汚染事件関連でどうやら城下町の地帯にまで来ていたようで、それでその事件に巻き込まれ、負傷した二人組が救助の頼みを。
なるほど。それで、その二人組の種族は?
エルフとヒューマンです。
ふむ。そうか……例の汚染事件の話も聞きたい
ことだし、即刻通す!!
我が出迎えよう。
エルフの森 門
待つこと五分
待たせたな少年。我はローガン。この森の管理を勤める者だ。
早速救助の手配をしよう。こっちだ。
は、はい。ありがとうございます!!
ジークと申します。
よろしく。
二人とも、何かあればまた報告頼むぞ。
「「はい。了解です!」」
さて、こちらに乗ってくれ。
ありがとうございます。
ローガンの側近二人が操縦する人力車に乗り、
エルフの森にある病院へ向かう
町並みはミアたちがいる城下町とはまた違う自然が多めで、、神秘的な建物が広がっていた
(これが、エルフの住む森……)
その子はかなりの重傷だな。
君も相当重傷だが……それに、肩に刺さったその矢……門番が射ったのか……悪い。
彼らも悪気があって射った訳じゃないんだが、
本当に申し訳ない。
はい、それは分かってます。
それより、助けてもらえるだけで
ありがたいです。
うむ。もうすぐで着くぞ。
少し進んだところにある
商店街の裏通りの民家に降りた
ご苦労様。君たちは先に城へ戻っておいてくれ。
「了解しました」
「失礼します」
ここだ。さぁ入ってくれ。
失礼します。
中は病院特有の薬品臭が漂っているが
清潔感のある内装だった
ありゃ、ローガンじゃないの!
それに、なんだい?その子達は?
簡単に言うと
この二人は例の汚染事件の被害者だ。
詳しい話は後で聞く。
とにかく、この二人を頼む。
分かったわ。とりあえず少年。
その子を手術室へ運ぶよ!!
は、はい。お願いします。
あんたも怪我してるみたいだし、とりあえずこれを飲んで待ってなさい。
は、はい。これは……
黒羽を手術室へ運び、
医師が慌てて薬品ケースに置いてある
缶ジュース?みたいなものを渡された
それは解毒作用と回復作用の両方を兼ね備えた
飲み物で、
この森で採れた治癒草を使ったものよ。
とにかく飲んで待ってて頂戴。
はい。いただきます……
……心配なのは分かるが、あの医師なら必ず治して戻ってくる。大丈夫だ。
だから今は自分を治すことを優先だ。
そう、ですね。……んぐ………………ふぅ。
味は治癒草の苦味をほんのり甘めの桃味で軽減され、飲みやすくなっていて、とても薬品とは思えない物だった
手術室の前でただただ祈るばかりのジーク
手術の時間が長くなることを理解していたローガンは城に連絡をし、事情を伝えてそのままジークと長い長い沈黙を共にした
(俺がもっともっと強ければ……
もっとまともな武器を持っていれば……黒羽は)
……(どう話しかけていいか分からんな……今のところ彼らの事情も知らないから仕方ないか。)
「あのー……」
手術室の前でそれぞれ考え込む二人の前に、
綺麗に整った顔立ちの水色の髪と紫の瞳を持つ
白いワンピースを着た幼女が現れた
背中には真っ白で、一切の汚れがない小さな翼が生えていた
この場所に絶対いるはずがない珍しい種族、
間違いなく天使族だ
あまりのイレギュラーに王様の表情は強張り、
瞬きもせず、ずっとその幼女を見つめた
え、えと。君は?
ひ!?え、えと、おじさん……
ちょ、ちょっと怖いかも……うぅ。
お、王様……顔が怖いですよ。ほら、この子が怖がってますし。
あっ!ごめんよ。怒ってるわけじゃないんだが。
その、ビックリしてな。
とりあえずその……どうしてここにいるんだ?
それはですね……私は人類の救済を導く為に来た
天からの使いの一人。ガブリエルです。
どうぞよろしくお願いしますね。
それから少し沈黙が続き、
「「ガ、ガブリエル!?」」




