絶望への抗い
グリーンライン周辺の森
城から出て、急いで森に向かった二人
はぁはぁ。王様一体どこに……
もっと……奥でしょうか……?
おそらくそうですね……
道が塞がれているところが多いので、
気をつけて行きましょう。
はい……了解です。
二人はさらに奥地の霧のかかった方へ進む
グリーンライン周辺の霧が濃い森
はぁはぁ……しぶといな……こいつ。
おぉう!!さっすが騎士団長!!
霧なんて関係なく戦えるなんてぇ。
まさか、不意打ちが失敗するとは
思わなかったよー。
どこかのダメダメ騎士たちとはちがうねぇー。
今度はこっちの番だ。お前に未来はないぞ。
ふーん、そうなんだ。でもでもぉ、
そろそろボクチンとのお遊びも終わりだゾ。
……どういうことだ?
……!!なんだ、あれは……
ガスマスクの男の背後にもう一人の影があった
タダイマモドリマシタ。ホーク様。
次の指令を。
あぁ!!ボクチンの名前がバレちゃったゾ。
まあいいか……
どう?いい名前だろう?
くそっ……新手か!!
待て……嘘だろ……!?
オートマタが王様を抱えていた
さぁて、ここからはお前に任せるゾ。
騎士団の面々は、あとあいつだけだ。
さらってきた王様とそこの騎士団長共々殺してしまえ!頼んだゾ。
了解シマシタ。すぐに実行します。
バーイ!騎士団長!!ウヒャヒャヒャヒャ!!
待て!!くそっ!!
ホークは急いで霧の中へと消えた
アナタノ相手はワタシダ。
王様を抱えたまま
勢いよく騎士団長に詰め寄り、足技を叩き込む
それを騎士団長は、上手く剣で受けて押し返そうとする
うっ!!こいつ……硬すぎる……
ドウシタ?腕がプルプルシテイルゾ?
……そこだ!!せいっ!!
ナ、ニッ!?
思いっきり、オートマタの腹部に自らの拳を押し込んだ
決して、効いているとは思わなかったが
確実に隙をつくことはできた
さらに剣で追撃を仕掛ける
なっ!?まずい!!!!
イイノカ?トドメを刺さなくて。
ぐあ!!
オートマタは抱えていた王様を盾にして、
騎士団長の攻撃を
キャンセルさせ、さらにオートマタの足技が
騎士団長を襲った
くっ……そ……まだだ……
ツギハコウダ!
オートマタの体から異常なほどの煙が噴出する
この煙……例の汚染と関係ありそうだな。
まずいぞ……どうする……?
グリーンライン周辺の霧が濃い森近く
はぁはぁ……だいぶ奥まで来ましたね……
でも、全く人の気配がしないような……
黒羽、大丈夫?
はい、大丈夫です。
それより急がないと。
ですね。次は向こうにある、ここより霧が濃い
ところに行きませんか?もしかしたら手がかりがあるかもしれないですし。
はい。行きましょう。
ウヒョーイ!!ハハハ!!
ガスマスクの男ホークは、二人が目指している
さらに霧の濃い場所から突然現れ、スキップをしながらこちらに向かって来る
あれは!?
明らかに怪しいですね……
んお?なになに?君たちもボクチンを止めにきたのかーい?
何なんだお前……
チッ。面倒だが、二人程度余裕だゾ。
ほぉら。いくゾ!
黒羽!!下がって!!
は、はい……
ホークは、騎士団長と戦っていたときに使った
小瓶を使い、辺りを真っ白に染め上げた
これは!?煙か?
何、これ……
ウッフフフ。それじゃ始めるゾ。
(まずは簡単に殺せそうなあのエルフにしよう!)
黒羽!気をつけて!!やつの気配は消えてない。
いつ襲ってくるか分からないから、俺から離れないように!
は、はい!
一体どこに……
(こんなに日当たりが悪いと
俺の能力が使えない。どうすれば……)
っ!?
黒羽は何となくだが、気配を察知し、後ろを振り返る
遅いゾ。
あっ……
気づいた頃には遅かったが、ホークの攻撃は反射され、遠くに吹っ飛んだ
黒羽!!大丈夫?(今のは……黒羽の能力?)
は、はい……何とか。
あまりの恐怖体験に、腰が抜けた黒羽
とりあえず無事で良かった。
そこにいて待ってて下さい。
ぐぉ……痛ぇ。痛ぇぇ!!
なんだよぉ!!くそっ!!
ボクチンの短剣がグニャグニャに!?
畜生!
諦めろ!ここで終わりだ!
フッフフ アッハハ ギャッハハ ヒャハハハハ。
まだ、終わったと思うな。
これからだゾ。
させるか!
ジークは日頃から鍛えている体を最大限に活かし、ホークに近づき、持っていたナイフで
斬りかかる
チッ!邪魔するな!
よっと!……
くそ!何て跳躍力だ……
ホークはジークの攻撃を回避して
木の上に着地した
ふぅ。ビックリしたぁ。色々と。
さてと、(あのエルフは面倒だし、さっさと殺しておくか……)
えぇい!!!!
今度はなんだ?
ホークは再び小瓶を叩きつけて割り、
今度は黒い煙が噴出した
色的にもまずいなこれ……
(一度黒羽を抱えて逃げるのが正解だな)
何、あれ?
腰が抜けたままの黒羽は必死に立とうとするが、
勇気と恐怖が葛藤して体が動かない
フフフ。もがき苦しめ!
うっ……なんだ、これ……
ぐっ……うぅ……ゲホッ!ゲホッ!
ヒャハハハハヒヒヒ。(一般的なガスマスクじゃ
対応できないクラスだ。ボクチンクラスのマスクじゃないとな。)
くそっ。ゴホッ!ゴホッ!黒羽……ガスマスクを取って!!このままじゃ、すぐに死んじゃう……
はい……ゲホッ!ゲホッ!はぁはぁ。
イヒヒヒヒヒ!!取っても苦しいだけだゾ?
二人ともガスマスクを取ったが、
苦しいのは変わらない
ジークは、
一段と苦しそうな黒羽を見て、
急いで黒羽のもとへ向かう
黒羽!一旦逃げましょう!!
待てよぉ!なぁ?
なにっ!?
非常識な跳躍力を使い、ジークに追いつき、
さらに非常識な怪力でジークを殴り飛ばす
ぐぁ……がぁ。
ジー、ク!!
ギャヒヒヒヒヒ!!あ、き、ら、め、ろ
くっ……
お前に攻撃しても、意味ないことは
分かってるゾ。
どうやら煙を弾くことはできないみたいだしな。
だからこのままじっと
屍になるのを待ってねー!!
く、そ……黒羽!!
その時、突然騎士団長とオートマタが戦闘中の方向から大きな爆発音がした
なんだ?爆撃なんて搭載してないゾ?
おらぁ!!
うぉ!?しまっ!!いつの間に!?
ボロボロのジークは、ホークに近づき、殺す勢いで腹に突き刺した
痛ぇ……この、野郎!!
くっ、こいつ……しぶとい……ゴホッ!ゴホッ!
ボクチンもうキレたゾ!!
じっくり殺すより、サクッと殺す!!
くっ……
ぐぉ!?今度は、なん、だ!?
空からヘリコプターらしき影が霧の中から見えた
ヘリコプターから無数の矢がホークに突き刺さる
そこまでだ!変態ガスマスク!!
二人ともガスマスクをしてないからすぐに見分けがついたよ!
それにしても、しぶといやつだな……
俺は先に
二人を救出する準備をしておく!
了解!!
五人くらいの騎士たちがジーク達を助けに来た
騎士……達だ!助けが、来たのか……ゴホッゴホッ
うぅ……あれ、は!?
ホークに攻撃しながら、
ヘリコプターをギリギリまで下降運転し、風圧で
毒霧を吹き飛ばす
痛ぇ!!あいつら、好き勝手やりやがってぇ!
……なら、こいつで……
お前らを吹き飛ばしてやる!!
うぅ……ゲホッ!あれは……
くそ、またか!?
矢の攻撃を受けながら、
再びホークは小瓶を取り出し、さらに
ライターを取り出した
何をする気だ!?あいつ!
矢をくらいながら、動けるなんて異常だぞ!?
あいつ……まさか、ここら一帯を火の海にするつもりか!?
これじゃ、二人を救出する時間が、
いっくぜぇ!!フォォーー!!!!
小瓶を割り、ライターを着火状態にして、
それも叩きつけた
グリーンライン城下町 公共施設避難所
な、なんだ!?
嘘!!なに!?なんなの?
やべぇって!!
俺たちどうなるんだよぉ!!
くそ!!何なんだ!!
耳を塞ぎたくなるくらいの大きな
爆発音が鳴り響いた
黒羽たちがいる森では
爆発が終わり、辺りは殆ど焼けて木が無くなっていた
……生き、てる……!?
ジークは当然怪我を負ったが、
立てることは出来た
な、んだ……!?やつの気配はない、な……
それより、皆は……
爆発後の煙を掻き分けながら辺りを見回す
そ、んな……嘘、だろ!?
ジークが目の当たりにしたのは
前に転がっている、ひどい怪我の黒羽、
そして、爆発でヘリコプターの下敷きになり、
そこから血が溢れ出ている様子だった
ゴホッ!ゴホッ!そんな……
あれじゃ、もう……
黒羽!!黒羽!!
(まさか、黒羽は俺を庇って?とにかく、
病院に……
くそ!!ここから連絡して呼んでもすぐには来てくれない……どうすれば……)
ここから近い所は一つだけある……いや、行くしかない……エルフの森に!!助けを……




