封印されていた魔物24
俺は使用可能となった究極神武具を使用する前に、装いを変更する事にした。
究極神武具は、どの装いでも使用可能だ。
だけど、毎日装いを変更する度に僅かでは有るが、それぞれの武器に合う能力向上効果が感じらた。
今までは権限の問題で、究極神武具を使用する事が出来なかった。
なので、試しようはなかった。
だけど、今なら装いにあった専用神武具として試す事が可能だ。
それに澱みの蜘蛛は、糸の色に合った吸収と反射という厄介な能力を持っている。
もし澱みの蜘蛛の身体にも糸と同様の能力があれば、魔法も属性攻撃も迂闊に使用出来ない。
今までの傾向からして、反射ならば問題は無い。
しかし、吸収された場合が不明なのだ。
それにもし、その力で澱みの蜘蛛の能力が向上すれば更に厄介な存在となる。
だからこそ、その装いにあった武器に合う能力向上効果が少しでも感じられる使わない手は無い。
それに、糸の攻撃を多用して来てはいるが攻撃手段がそれだけとは限らない。
夜行性である故に、その一端の能力しか出せていない可能性もある。
出来る限り、澱みの蜘蛛を早期に倒す事を優先したい。
今の装いは、魔法少女服セット。
変更するのなら、双剣はゴスロリ服セット、十束剣は忍者ロリ服セットとなる。
双剣はスノーが使用していて、スノー達の会話の内容から使い勝手は良さそうだ。
だけど十束剣は、様々な日本の神話に登場し名前も使用者も様々だ。
もし、葵達のように真字で更なる高みの究極神武具になるのなら十束剣を使用するべきだろう。
でも一応、葵に確認しておいた方が良いかもしれない。
「葵、私もトゥルー ネイム リベレイションって出来るのかな?」
【「リリー様の場合、お試しして頂かない事には葵では分かりませんの」】
そうか、劣化型神武具は限界突破に付随していた物だった。
だから、葵は知っていた。
けれど、究極神武具は俺の世界の管理者が創った物だ。
つまり、真字で更なる高みの究極神武具になるとは限らないと言うことか。
ならば、試しながら澱みの蜘蛛と戦えば良い。
俺は装いを忍者ロリ服セット(白・黒色)に変更した。
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忍者ロリ服セット (白・黒色) 使用中 ●
-【専用神武具】
十束剣 天之尾羽張
-【専用神武具】
十束剣 天羽々斬
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すると、装いが変わると共に法具が密着する。
「ひゃっ!」
「リリー様、どうされたのです? あっ!」
俺の心情が伝わるユグドラシルは、今の状態分かっちゃったよね。
「はい、リリー様。法具が、直接胸に……」
これは、単なる事故なのか?
それとも、葵の願いが通じたのか?
ただ、忘れていただけとも言うが……。
そこ! ドジっ子って、言わないように!
『リリー様もしかすると、ユグを通じてクレマチス様の御粗末な所が移ったのかもしれません』
と、ユグドラシルから『心情』が伝わって来た。
御粗末って……ユグちゃん?
せめて、ドジっ子って可愛く言ってあげてね。
しかし、葵の思惑通りになってしまった。
「うん、そうなの」
装いを変更すると、下着も変わる。
その下着が、一瞬消えると……即ち、法具が直接胸を包み込むと言うことだ。
しかも、至高の着け心地と至高の柔らかさが密着度を向上させている。
つまり、ジャストフィット。
「リリー様、お気に召したのですか?」
「えっ? ち、違うよユグちゃん」
【「ウフ……」】
しまった。迂闊だった。
テレパシーの回線が、オープンテレパシーのままだった。
そのせいで、俺の今の状況を葵に聞かれた。
「はー、もう良いよ。このまま戦うから」
俺は、少し俯いて天之尾羽張と天羽々斬を手に取った。
すると、天之尾羽張は右手にしっかり持てたが、天羽々斬は宙に浮き俺の背後で刀に形を変えた。
もしかして、これが忍者ロリ服セットの能力?
それとも、天羽々斬の能力?
天羽々斬の形が、俺の思いに答えて、投げ短刀、投げ槍、投擲戦斧、打根、円月輪、飛去来器など様々な形に変化する。
俺は自身の装いを確認して、忍者の武器と言えばクナイや手裏剣だと思い描くと、再びその形を変え三十本のクナイに変化した。
そして、自身の思い描くように宙を舞う。
これでもし、ビームでも出ると遠隔操作が出来る自立型の武装兵器になるな。
そう思い描くと、砲身が付いた短剣になった。
恐らく、魔法を放つ自立型の短剣だろうけど今回は魔法の使用は避けた方が良い。
なので、再びクナイに変化させた。
「十束剣、双剣よりも手数が勝っているわ。これなら」
俺は澱みの蜘蛛を見下ろし聖華の帝城から飛び降りると、澱みの蜘蛛が放ってきた糸を見据える。
すると、眼前に獲物を指し示すポインターが現れた。
そのポインターは、眼を動かす度に蜘蛛の糸や澱みの蜘蛛を捕らえる。
いや、違う。
どうやら、俺が感じた敵対を示す物を指し示しているようだ。
もしかすると、今ならワールドマップに繋げられるかも知れない。
俺は、ワールドマップを開く。
だめだ。
澱みの蜘蛛は表示されているが、糸の表示が無い。
俺はワールドマップを小さく表示しながら、迫り来る糸をクナイに形を変えた天羽々斬で一掃する。
シュン シュン シュン シュン シュン シュン!
ズバ ズバ ズバ ズバ ズバ ズバ!
一掃した事で、糸の能力の弱点を看破した。
どうやら、赤、青、緑の糸は触れても、能力を発動する前に素早く切られると能力を発動しないようだ。
木の枝で切った場合は、一瞬発動しかけるが切れた。
でも、クナイに形を変えた天羽々斬はその速度よりも数段早い。
それに黄色の糸も同様に、くっ付いてしまうという能力を発動される前に切ることが出来た。
なので恐らく、天羽々斬の斬滅速度なら属性を付与させても能力を発動される前に切れる。
ワールドマップとこの忍者ロリ服セットをリンクさせれば、恐らく指し示す物を指定できるはずだ。
しかし、ワールドマップシステムと忍者ロリ服セットのリンクを構築させようとするが蜘蛛の糸の攻撃があまりにも激しくなってきた。
巨体であるのに、糸を吐く動作が素早い。
シュン シュン シュン シュン シュン シュン!
ズバ ズバ ズバ ズバ ズバ ズバ!
ここまで、俺の動きに付いてくる澱みの魔物なんて初めてだ。
俺はワールドマップと忍者ロリ服セットをリンクさせるのを諦め、蜘蛛の糸に対処する。
シュン シュン シュン シュン シュン シュン!
ズバ ズバ ズバ ズバ ズバ ズバ!
クナイに形を変えた天羽々斬でなければ、この異常とも言える糸の攻撃を一掃できなかっただろう。
だけど、後ろがガラ空きだよ。
俺はマウスLV2を使用し、瞬時に澱みの蜘蛛の背後に忍び寄る。
もらった。
ザシュ シュ シュ シュ シュ シュ!
天之尾羽張で澱みの蜘蛛を切り裂き倒したかと思われた瞬間、澱みの蜘蛛がブレた。
「えっ? でも、手応えが……」
確かに、手応えがあって眼前の澱みの蜘蛛は背後から幾重にも切り裂かれている。
しかし、澱みの魔石がどこにも無い。
俺は背後に殺気を感じ、再びマウスLV2を使用して瞬時に距離を取った。
すると、そこに一回り小さな澱みの蜘蛛がいた。
そして、その後ろにもう一体いる。
まさか、分裂して仲間を増やした?
だが、俺の切り裂いた巨大な澱みの蜘蛛は? ……抜け殻?
幾重にも切られた抜け殻のような物は、崩れて土となった。
やはり、澱みの魔物は俺の知る常識が通用しないようだ。
俺は再度マウスLV2を使用して、瞬時に肉薄。
二体になった澱みの蜘蛛を、幾重にも切り裂く。
ザザシュッ シュッ シュッ シュッ シュッ シュッ!
しかし、またも澱みの魔石がどこにも無い。
「嘘でしょ?」
すると幾重にも切り裂いた澱みの蜘蛛が抜け殻に変わって土となり、一回り小さな澱みの蜘蛛が俺の後方に四体に増えた。
これは、不味い。
俺は再びマウスLV2を使用して、瞬時に距離を取った。
そして、自身の名であるリリー・ヴァリーを究極神武具に込め叫ぶ。
「トゥルー ネイム リベレイション!」
――――何も、起こらない?
もしや、花楓院 鈴?
俺は再び、究極神武具に花楓院 鈴の名を込めて叫んだ。
しかし、究極神武具に変化は無かった。
究極神武具の真字による強化が出来ないのであれば、このまま戦うしかない。
考えを巡らせていると、澱みの蜘蛛が攻撃を仕掛けてきた。
その攻撃を、大きく宙返りして躱す。
ダン シャッ!
躱しているとき、澱みの蜘蛛の背中が見えた。
「えっ?」
一体だけ、背中の色が違う?
俺が空中で躱している状態で、天羽々斬で同時に攻撃する。
シュイン シュイン シュイン シュイン!
すると一体のお尻から糸が吐かれ、糸と共に色が移動して地面に達すると、更に一回り小さな澱みの蜘蛛が地面から八体現れた。
そして、抜け殻となった物は土となり崩れた。
これらの事から分かったのは、本体は背中に色が付いており、澱みの魔石が破壊される攻撃を喰らうと糸を伝って本体が脱出。
そして脱出した後は、土で更なる偽物を作り出す。
しかも厄介なことに、糸で脱出する速度が尋常ではない。
これでは、攻撃速度が足りてない?
いや、俺は今まで剣神の技を出していなかった。
ただ、天羽々斬の能力で飛ばしていただけだ。
俺の思惑に気づいたかは不明だが、澱みの蜘蛛が四色の糸を上空にばら撒いた。
「蜘蛛さん、どこを狙っているの?」
そんな所に蜘蛛の糸を吐いても、誰もいないよ?
有るのは、山を覆っている貴方の糸だけ。
グギィギギャー!
澱みの蜘蛛が、上空に向かって何かを発したと思うと糸で魔法陣を描いた。
「魔法陣?」
刹那、当たりが暗闇に覆われた。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
誤字脱字をご報告下さる皆様方も、本当に感謝致します。
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シルク「炎龍、貴方大きいからこちらに来なさい」
炎龍「グルルル」
炎龍ちゃん「ママ」
カトレア「シルクちゃん、炎龍ちゃんも貴女について行っているわよ?」
シルク「……ややこしいわね。カトレア先生、その子の名前、付けていないの?」
カトレア「私は、炎龍ちゃんの名前を、リリーちゃんにつけてもらおうと
思っているの」
炎龍ちゃん「ママ」
炎龍「グルルル」
シルク「あっ! 炎龍まで、カトレア先生の方へ行ったわ。だけど確かに、
リリーに名前を付けてもらう方が良いかもね」
炎龍ちゃん「ママ?」
炎龍「グルル?」
カトレア「シルクちゃん、リリーちゃんが来るまでは取りあえず炎龍ちゃん達
は、このまま闘技場にいてもらいましょ」
シルク「ですね。はぁー、こっちに来たと思ったらまたカトレア先生の所に
行ったわ」
炎龍と言う名前を呼ばれる度に、ウロウロとする炎龍一家であった。




