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封印されていた魔物23

 皆が叫んだ瞬間、俺が貸し与えている武器の名が輝いたかと思うと名前が変化し劣化という文字が消えた。


  使用可能 眷属

       スノー・フレーク(白銀虎)装備中●

       【真字(シンジ)神武具】

         神器 白銀虎の双剣 スノーフレーク


       葵(天狐と八尾狐の王女)装備中●

       【真字(シンジ)神武具】

         神器 天弧の矛   アオイ

            八尾狐の弓  アオイ


       クレマチス(悠久の時を支配する神名を司る女王)装備中●

       【真字(シンジ)神武具】

         神器 白龍の刀   クレマチス

            白龍の弓   クレマチス


  使用可能 使徒

       スミレ(フォレストムーン王国 第三王女)装備中●

          【パープル・パンジー・フォレストムーン】

       【真字(シンジ)神武具】

         神器   聖剣   スミレ

              聖盾   スミレ


       レモン(キノットとライムの娘)装備中●

       【真字(シンジ)神武具】

         神器   聖杖   レモン


       杏(アンズ)  (兎獣人とドライアドとのハーフ)装備中●

       【真字(シンジ)神武具】

         神器 聖なる手(テ)っ甲(コウ) アンズ

            聖なる脚絆(キャハン)  アンズ


       シルク・ジャスミン (妖精国 第一王女)装備中●

       【真字(シンジ)神武具】

         神器  妖精王の杖 シルクジャスミン


       アイビー・ゼラニウム

          (迷いの森の守護者 妖精狼(フェアリーウルフ)の王)装備中●

       【真字(シンジ)神武具】

         神器  月狼王の爪 アイビーゼラニウム


  使用可能 召喚精霊

       ユグドラシル (花の中偉聖霊第一王女)装備中●

       【真字(シンジ)神神武具】

         神器  聖霊王の杖 ユグドラシル



 同時にユグドラシルが手している杖が光り輝き、光りが治まった瞬間に形が変化し花の文様が現れ淡い光りが杖を覆った。

 刹那、ユグドラシルの魔力が急激に向上し、巨大な盾持ち騎士の鎧と盾が一新され三体から一気に十五体になり、他の騎士達も数が増え装備が一新され重装備となり、持っている武器も鋭くなったようだ。


 これで、澱みの蜘蛛との攻城戦が楽になった。

 この数なら、城に近づいて来ていた澱みの蜘蛛をも押し返せる。

 そう思った瞬間、ユグドラシルが澱みの蜘蛛に向け杖で指し示す。



「フラワー キャッスル パラディンよ、聖華(セイカ)の盾で押し返せ! ホーリー フラワー フル ブルーム!」



 巨大な盾を持った巨大な聖騎士が盾を掲げると、盾が満開した花の様になる。

 刹那、聖騎士が澱みの蜘蛛に盾で体当たりをして吹き飛ばした。

 聖騎士の盾も神結界に覆われているので、一度の体当たりでは浸潤されない。


 だからかもしれないが、ユグドラシルの魔力で力を増した聖騎士は赤、青、緑の糸の攻撃をも吹き飛ばしていた。

 ユグドラシルの能力に驚き、貸し与えた神武具を確認していると、スミレちゃんの驚く声が聞こえ来る。



『「凄い! スミレ、今ならこの武器を扱える」』

『「スミレちゃん、杏もです」』



 スミレちゃんの驚く声に、杏ちゃんも同じように感じたようだ。



『「レモンも、ホワホワしていても扱えるようになったよ。ねー、ケットちゃん? ミィー!」』



 レモンちゃんも、溢れてくる魔力が思うように使える様になったようだ。



『「確かに、進化した私でも分かるわ。凄まじい魔力が溢れてくるけれど、それが私自身の手や足のように感じられる。これなら炎龍の傷も、早く治癒できそうよ」』



 進化って、シルクいつの間に? 

 貸し与えた神武具の表示も、いつの間にか従者の表示から使徒の枠に切り替わっていた。

 アイビーも使徒の枠にいると言うことは、アイビーも進化したんだ。


 だけど、炎龍の傷を治す? 

 レモンちゃんや葵が言っていたが、スミレちゃん達では炎龍に傷を付ける事が出来なかった筈だ。

 ならスミレちゃん達を助けた時に、シルクもしくはアイビーが炎龍に傷を負わせた? 



「シルク? そっちって、どういう状況になっているの? 状況が、全然見えてこないのだけど?」

『「えーと、話が長くなるから後で話すわ。とりあえず簡潔に言うと、炎龍の赤ちゃんはカトレア先生とロベリアさんに懐いて、炎龍は私とアイビーに懐いちゃった」』



 ますます、意味が分からなくなってきた。

 アイビーが、炎龍を平伏させた事で懐いた? 

 それとも、シルクが炎龍を魔法で攻撃して? 

 だけど、炎龍の赤ちゃんがカトレア先生とロベリアさんに懐いた? 

 やっぱり、俺には状況が見えてこない。



【「シルク様、龍種が懐くのは珍しいです。私の事も、炎龍に宜しくお伝え下さい」】



 シルクが言っていたことを整理していると、クレマチスちゃんが口を挟んだ。



『「クレマチスちゃん、貴女の事は伝えたわよ。すると、炎龍が貴女を助けに行くって言うからアイビーがまた押さえつけているわ。まっ、そういう事だから。リリー、こちらは解決済みよ」』

「何だかよく分からないけれど、分かったわ。シルク、アイビーお疲れ様。スミレちゃん、杏ちゃん、レモンちゃん、まだ回復しきれていないと思うからそこで待機ね」

『「リリーちゃん、スミレはまだ戦えます。ですので、今からリリーちゃんの元へ加勢しに行きます」』



 確かに今の力を持ったスミレちゃんが来れば、一気に戦力が増加する。

 しかしスミレちゃんの息遣いが、炎龍との激闘を物語っていた。

 恐らく、まだ万全ではないはずだ。



『「シルク、アイビー、スミレちゃん達のこと宜しくね」』

『「リリー、心配しなくても良いわよ。スミレちゃんの事は、私とアイビーに任せなさい」』

『「シルクちゃん?」』

『「リリー様、僕にお任せ下さい」』



 スミレちゃんは、俺の事になると無理をする傾向がある。

 でもこの様子だと、シルク達がスミレちゃんを止めてくれるだろう。

 気がかりだった炎龍の問題が解決したのなら、残りは澱みの魔物達だけだ。


 ユグドラシルの魔力が増して、澱みの蜘蛛の攻撃に耐える力は増えたが、やはりジワジワとこちらに迫ってくる。

 投石用の石と魔虫蜜をユグドラシルの眷属達が取ってきてくれたが、俺の投石攻撃に澱みの蜘蛛が糸で対応しだした。



【「リリー様、シルク様達とのお話は済んだようですわね。ですので、私達もソロソロ澱みの海牛と決着をつけますわ。ですが、まさかここまで神武具の能力が上がるとは思いもしませんでしたの。刃元に花の印が付き、刃のオーラが先ほどとは比べものにならないほど増大しましたわ。これでしたら、容易く澱みの海牛を滅ぼす事ができますの。スノー様、クレマチスちゃん、リリー様の技で一気に澱みの海牛を消滅させますわよ。スノー様は北側から、クレマチスちゃんは神武具を刀にして西側から接近して頂けるかしら? 私は、南側から参りますの」】



 ユグドラシルの騎士達の攻撃を隠れ蓑(ミノ)に、投げる早さを調節した投石攻撃をしていると、葵から澱みの海牛を攻撃する連絡が入った。

 だけど、俺の技? 

 確かに剣神や拳神などの技が有るけれど、スノー達の技の方がよっぽど威力がある気がするのだけれど? 



【「スノー様、クレマチスちゃん、スリー フォーメーション ゼットで行きますわよ!」】

【「はいぅにゃん」】

【「はい、葵様」】



 あのー、もしもし葵ちゃん? 

 もしかして俺の、厨二病的な技の事言っているの? 

 それ、人に言われるとかなり恥ずかしいのですけど。



【【【「「「花楓院(カフウイン)流(リュウ)・役枝(ヤクシ)・民(タミ)の型(カタ)」」」】】】



 キィィィィィィン! 



【「真氷(シンヒョウ)紫電(シデン)ぅにゃん!」】



 キィ――――! 



【「悠久の時を支配する」】



 キィ――――! 



【「超絶美少女達の!」】



 キィ――――! 



 俺が巨大ゴーレムと、戦ったときの技か。

 それにリンクで繋がっている今は、ユグドラシルの能力で花の名前が有ると威力が向上する。

 適当な技名だったけれど、スノー達は自身の技に俺の技を織り込んだのか。



 ザザシュ! 



【「アブソリュート ゼロ スラッシュぅにゃん!」】



 ザザザシュシュ! 



【「ドラゴン ブレス スラッシュ!」】



 スノーとクレマチスちゃんの声が、全然揃ってないよ。



 ザザザザシュシュシュシュシュ! 



【「略して、絶龍(ゼツリュウ)神楽(カグラ)ですの!」】



 最後に、葵が無理矢理二人に合わせたようだ。

 その瞬間、アイテムボックスに澱みの海牛を倒した証のようなものが入ってきた。

 葵達とリンクした事で、俺のアイテムボックスにも影響が有ったようだ。


 まだ三体目なので不明ではあるが、澱みの魔石が魔物に宿ると、魔石が消え失せた瞬間元の魔物に戻るようだ。

 それは、先ほどアイテムボックスに入ってきた物が、スノーが説明してくれた封印されていた海の悪魔ニューディブランクの身体(カラダ)だったからだ。


 巨大ゴーレムはそのまま残ったが、あれは恐らく例外だったのだろう。

 変な物も、入っていたしね。

 刹那、レベルアップのファンファーレが、鳴り響く。



【♪♪、♪~♪♪、♪♪、♪♪♪♪~♪】



 スノー達は、もう澱みの海牛を倒したのか? 

 神武具が、真の能力を発揮した後のあまりにも早い討伐。

 恐らく、澱みの海牛の弱点を早くから看破し真字(シンジ)で神武具が予想以上に向上した事。

 そして、三人の結びつきが今以上に繋がった事で技さえも強力になった事が理由だろう。



【システム 下位管理者案件を解決しました】

【ピピッ! 限界突破スキルにより中位管理者案件に進化しました】

【システム 中位管理者案件を解決しました】

【ピピッ! 女神システムサービスのランクシステムサービスが、限界突破しました】

【ピピッ! 女神システムサービスのランクシステムサービスポイントアップ加算が、10割となります】

【ピピッ! 限界突破スキルにより女神システムサービス加算が向上しました】

【ピピッ! 第3級中位管理者の魂が、新たに進化しました】

【おめでとうございます】

【管理者LV5にup致しました】

【第2級中位管理者になりました】

【第2級中位管理者権限取得により能力の一部が解放されました】

【究極神武具の使用が条件を満たし、封印が解除されました。使用可能です】



 ファンファーレが止むと、レベルアップのシステムの説明が眼前を流れた。

 ユグちゃんに迷惑をかけたけれど、ここからは俺の出番だ。

 俺のレベルが上がった事で、澱みの蜘蛛とは権限的に同等になったはずだ。


 それに、究極神武具も使用出来るようになった。

 ユグドラシルも真の力を発揮した神武具を使用した事で、その強さを知ったはずだ。

 この究極神武具は、真の能力を発揮した神武具よりも遥かに優れている。


 だから皆、安心してね。

 それに、俺は今まで澱みの魔物達を素手か普通の武器で攻撃して倒してきた。

 つまり、権限が同等でも究極神武具を使用すれば負ける事はまず有り得ない。



「リリー様、ですが呉々もお気をつけ下さい。過信は、禁物です」

「うん。ユグちゃん、ありがと」



 俺は華の城から、澱みの蜘蛛を見下ろした。

 ユグドラシルの騎士達が突撃する度に、澱みの蜘蛛は糸の攻撃を多用している。

 究極神武具を使用するのなら、手数の多い双剣または十束剣(トツカノツルギ)を使用した方が良いだろう。



「リリー様、聖華(セイカ)の帝城(テイジョウ)はこのまま出して援護致します」

「ユグちゃん、ありがと。でも、ユグちゃん達は休んでいて。ここからは、私のターンだからね」

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

誤字脱字をご報告下さる皆様方も、本当に感謝致します。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

シルク「カトレア先生、炎龍ちゃんを母親の前にお願いします」

カトレア「ええ。炎龍ちゃん、貴女のママよ」

炎龍ちゃん「ママ……ママ……ママ?」

 炎龍ちゃんは、私とカトレア先生と炎龍の元を行ったり来たりしていた。

シルク「私はママじゃ無いわよ?」

炎龍ちゃん「ママ?」

カトレア「炎龍ちゃん、貴女のママはそこにいるわ。悪いけれど、今までの事を

     お話ししてくれるかな?」

炎龍ちゃん「ママ……」

 炎龍ちゃんは、カトレア先生に頷くと龍の姿に戻り炎龍の元へ行った。

炎龍ちゃん「キュウ、キュウ」

炎龍「グルルルル。グルルル」

炎龍ちゃん「キュ、キュウ。キューキュウ」

炎龍「グルルルルル? グルル」

 炎龍ちゃんは再び人の姿に戻ると、私の腕にしがみ付いてきた。

炎龍ちゃん「ママ」

 そして、炎龍ちゃんの指さす方向を見ると、炎龍の表情が先ほどよりも穏やか

な表情に変わっていた。

シルク「ええ、分かったわ。貴女のママを、回復させたら良いのね」

 私が回復の光りで炎龍の傷を回復していくと、炎龍が頬を寄せて来た。

シルク「あれ? そう言えば、貴女さっきより熱くないわね」

 私がそう言って、顔を向けると炎龍の口が私の唇に触れた。

シルク「痛っ……何これ?」

カトレア「ウフフ。シルクちゃんも、炎龍に認められたようね。それが、

     炎龍と交わす血の契約よ」

シルク「へ?」

炎龍「グルルル」

 この後、私が食べられると思って慌てた表情で駆けつけたアイビーにも

炎龍は血の契約を交わした。

シルク「貴女との、血の契約は分かったけれど……何でアイビーにまで、キスを

    するのよ!」

炎龍「グルルルル?」

 こうして、シルクとアイビーは炎龍と血の契約を交わし炎龍に懐かれた。

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