↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

110/240

選抜試験の前日1 【カトレアSIDE】

 そうだ、リリーちゃんの秘密を知っているリカステに、投票結果でリリーちゃんの容姿が変わることを伝えておかないといけないわ。

 結果から言うと、引き分けになったので日替わりリリーちゃんになったわ。

 日替わりで大きくなったり、小さくなったりと言うこと。

 十五歳の容姿は三票で、内訳はルビナス君とエレモフィラ君とブルメリアちゃん。

 五歳の容姿も三票で、内訳はバレリアン君とスミレちゃんとアザレアちゃん。

 私は男子三名が十五歳の容姿にすると思っていたのだけれど、ブルメリアちゃんはルビナス君を応援したいようで十五歳に票を入れたみたい。

 で、バレリアン君は元々小さな子が好きなようで、スミレちゃんとアザレアちゃんは妹が欲しいようで五歳の容姿に票を入れたみたい。

 私は本当は五歳のリリーちゃんが良いのだけれど、他校との交流試合は八歳以上という決まり事があるので仕方なく十五歳でも良いかな? 

 どうしよう? と思っていたらリリーちゃんが、



「じゃー、日替わりで容姿を変えるね」



 と、言ってくれたの。

 だから、皆揃って納得した訳なの。

 まあ、その後にユグちゃんに会ったから、皆の心情が分かったのだけれどね。

 夕方、教師用の椅子に座ると



「こんばんはカトレア先生、ドラシルシステムです」



 って急にモニターが話しかけてきたの。



「え? 何? ドラシルシステム?」



 驚いて席を立つと、ユグちゃんが現れたの。



「カトレア先生、驚かせたみたいで済みません。ユグはリリー様に頼まれて、シルちゃんの調節をしていたのです」



 そう言ってユグちゃんが説明してくれたのだけれど、驚いたわ。

 リリーちゃんが私のために、ユグちゃんの薫りで相手の心情を読み取る事ができる能力の一部をドラシルシステムに組み込んでいたそうなの。



「カトレア先生、まだ調整中ですが今日モニターに何か入力された事はありますか?」

「えっと、リリーちゃんの容姿について多数決をしたわよ」

「ユグの権限で、シスちゃんが薫りで心情を読み取ったのか確認してみますね」

「ええ、ユグちゃんに任せるわね」

「カトレア先生? 題名は、第一回リリーちゃんの容姿ですか?」

「そうよ」



 そう言って、ユグちゃんの権限で解錠された心情理由を見てあの子達の気持ちを理解した訳。



 【ドラシルシステム ユグドラシル様の権限により心情調査の内容を開示致します】


 【はい】  【いいえ】



「カトレア先生、開示するのでモニターをご覧ください」

「ユグちゃん、ありがとう」



 私がそう言って確認すると


 

 第一回 リリーちゃん の容姿 変更について

                    

  大 十二歳~十五歳         心情調査 解除

              希望年齢

  ルビナス   一票   十五歳   俺様の美少女妃候補! 

                    絶対に、妃として国に連れて帰る

                    俺様はその為に、遠い南の

                    大陸に来たのだからな。


  エレモフィラ 一票   十五歳   俺は少し年上の美少女が大好きだ

                    リリーちゃんみたいな美少女は

                    見たことがない。

                    侯爵家の妃に最も相応しい。


  ブルメリア  一票   十五歳   私は従者としてルビナス王子

                    の恋を応援したい。

                    ですが、五歳の可愛い容姿の

                    リリーちゃんは私にとって

                    癒やしのような存在なのです。

                    ですが、ルビナス王子の従者

                    として……


  小 五歳~十一歳


  スミレ    一票    五歳   最近怒らなくなりましたが、一つ

                    上のお姉様が怒ると怖いです。

                    いつも癒やされる可愛い五歳の姿

                    をした妹のようなリリーちゃんは

                    絶対に譲れません! 

                    それに、可愛いリリーちゃんの

                    寝顔を見ていつも額にキスをして

                    いるのは皆に内緒です。


  アザレア   一票    五歳   私にお姉様はいるけれど、膝の上

                    に乗るような可愛い妹が以前から

                    欲しいと思っていたの。

                    すると、冒険者学校でリリーちゃん

                    と運命の出会いをしたわ。

                    リリーちゃんの容姿は、五歳一択よ。


  バレリアン  一票    五歳   僕は可愛い幼女と年上の

                    美女が大好きなのさ。

                    年上の美女として、エロい姿を

                    いつも見せてくれるカトレア先生

                    は僕の目の保養になる。

                    それに、可愛い幼女の

                    リリーちゃんならムフフ。



「ユグ、バレリアン君を張り倒してきます」

「ユグちゃん止めて、バレリアン君が死んじゃうから」



 この後、ユグちゃんを説得するのにリリーちゃんを呼び出すことになったの。

 そして、ユグちゃんを説得してくれたリリーちゃんにドラシルシステムの事を聞こうとして、ユグちゃんの様にドラシルシステムを少し縮めて言ってみたの。



「リリーちゃん、ユグちゃん、ドラちゃんの事今度詳しく教えてね」



 私がそう言うと、リリーちゃんがホッペを可愛く膨らませたわ。

 どうしたのかしら? と、思ったら



「カトレア先生、シルちゃんです。間違えないで下さい」



 と言ってきたの。



「カトレア先生、ユグもリリー様にそう注意されたのでシルちゃんと言っています」



 ユグちゃんも、私と同じように初めドラちゃんと言ったようでリリーちゃんが頬を膨らましたそうよ。

 でも、怒り方もリリーちゃん可愛いのよね。全然、怖くないし。

 いつもリリーちゃんが、ユグドラシルちゃんの事をユグちゃんと言っていたから、ドラシルシステムの事も同じようにドラちゃんと呼ぶのかと思っていたけれど違ったみたい。

 何か、拘りが有るのかもね。

 でも、本当にシルちゃんは凄いシステムだったわ。

 まさか、生徒の心情を読み取り記憶する何てね。

 まあそんなことも有ったけれど、次の日リリーちゃんの日替わりの件を、私は冒険者ギルドにいつも飲んだくれているリカステに伝えたの。

 リカステにリリーちゃんの事を伝えていると、王国騎士達が冒険者ギルドからリカステを連行して城に帰って行ったわ。


 ついにリカステ、何かしちゃったの? 

 強面な顔に、似合わない紳士な事をいつもしていると思っていたのに私がっかりよ。

 そう思っていたら、リカステはこの冒険者学校の教師に国王陛下の勅命でさせられたみたい。

 つまり、冒険者学校の校長である私の部下みたいな関係なのかな? 

 未だに、リカステが人形(ドール)姫(プリンセス)って私のことを揶揄ってくるけれどね。

 冒険者学校の教師は、普通の職場の上下関係とは違い冒険者としての実力を最も重視している。

 つまり、ランクの高い職員がいれば例え立場的に新人教師であっても上に見られる。

 だから、Sランク冒険者のリカステは新人教師だけれど他の教職員からは副校長だと思われているみたい。

 でも私、他の男教師達と飲みに行くとカトレア校長先生ではなくて、カトレアちゃんと呼ばれて飲み代の支払いもいつも彼らがしてくれる不思議な関係なのよね。


 この学校の上下関係、やっぱり変よね? 

 自身の趣味にお金が使えるから、助かるのだけれどね。

 リリーちゃんに縫いぐるみ人形をもらってからは、専ら人形の洋服作りに励むようになったの。

 でも、リリーちゃんが日替わりで十五歳の容姿で来ると、抱きついてリリーちゃんの身体の大きさを覚えてリリーちゃんに似合いそうな可愛い洋服も作るようになったのよ。

 それが毎日楽しくて、リリーちゃんのお家にも何度も泊まらせてもらって、あっという間に十一日が過ぎて選抜試験の前日になっちゃった。

 そうして、私は今闘技場の監視モニター室で椅子に腰掛けている。

 その私の隣で、生徒たちの様子をリカステが見ているから少し揶揄ってやるわ。



「見た目と違って、可愛い花の大技を持つリカステさん? 貴方がなぜ私の学校の生徒に、昨日武器の指導を行っていたのかな?」



 強面のリカステの顔が、茹で蛸のようになっている。



「うるせえよ、人形(ドール)姫(プリンセス)。俺は、ここの教師に無理矢理させられたんだ」

「ぷっ! 私その二つ名言われても、もう全然平気だもん」

「そりゃー、リリーちゃんの縫いぐるみ人形持って戦って、その人形が巨大化して氷眼のサイクロプスを一人で倒せるようになった疾風迅雷の人形(ドール)姫(プリンセス)カトレア校長先生を揶揄えるやつはもういねえよ」



 リリーちゃんの縫いぐるみ人形と一緒に氷眼のサイクロプスを闘技場の機能を使って倒してみたけれど、この前苦戦した時よりも確実に強くなった気がする。

 恐らく、リリーちゃんに教えて貰った魔法の詠唱方法や、アクセサリーから出てくるこの武器と大きな縫いぐるみ人形のお陰ね。



「牡丹ちゃんが、いるじゃない」

「カトレア校長大先生、頼むからその名前だけは止めてくれ。技名を、調子こいて冒険者ギルドに登録しちまった俺が悲しくなる」



 いつも揶揄われていたから、リカステの強面の顔が可笑しいくらいに面白くて思わず笑っちゃうわ。



「うふふふ。どうしようかしら? リカステが、私みたいに一人で氷眼のサイクロプスを倒せるようになったら考えてあげても良いわよ?」

「うう……」



 リカステ、困ってる。

 リカステも、リリーちゃんに武器作って貰ったら良いのに。

 これだけ近隣地域で色々と起こっているのだから、これからも何が起こるか予想できないし。

 リカステもリリーちゃんのお陰で、魔法もかなり上達したのだけれど相変わらず力業なのよね。

 恐らく、武器さえ属性が付いたらリカステも氷眼のサイクロプスくらいは倒せると思う。

 本当に、リリーちゃんの魔法の教え方といい武器の使い方といい変わっている教え方だったけれど……まるで、大賢者や剣聖に教えられているみたいだもの。

 私やリカステも近接武器攻撃だけじゃなくて、遠距離武器攻撃の技まで習得しちゃったし……。

 あっ! 考え事してたらリカステを揶揄いすぎたかな? 



「カトレアちゃーん? リカステさんをー、揶揄うのはーその辺にしてあげてくださいねー」



 今日は、私の友人のロベリアちゃんが遊びに来ているの。

 でも、フロックスが来られなくて寂しがっていたわ。



「だって、ロベリアちゃん? 前までいつも、私リカステに会う度揶揄われてたのよ?」

「カトレアちゃーん? リカステさんとー、揶揄いあっていたら明日見に来る国王陛下に叱られますよー?」

「ロベリアちゃん、そうなんだけれどねー」

「おい、カトレア、ロベリア嬢ちゃん? そろそろ時間的にZクラスの子達が、訓練で闘技場に出てくるんだろ?」

「ええ」

「リリーちゃんは、いないのー?」

「ロベリアちゃん、リリーちゃんとスミレちゃんは既に代表メンバーに決まっているの。だから、Zクラスの子達が訓練のために闘技場にソロソロ来るということは、いつもは監視モニターで確認しているからこちらに来ると思うのだけれどね? どうしたのかしら? 来ないわね?」

「おい、カトレア。リリーちゃんとスミレちゃんが、闘技場の方に出てきたぞ?」



 ロベリアがえっ? 何処と言って瞬きしている。



「えっ? 誰ー? あの綺麗な女の子?」

「リリーちゃんよ? 隣にいるのは、スミレちゃんね」

「スミレちゃんが、パープル様なのは分かったけれどー……あの子がリリーちゃんなのー? 育ち盛りでもー、成長しすぎじゃなーい?」



 あれ? ロベリアちゃんは、あの騒ぎの中外に出てなかったの? 

 全く。この話し方もそうだけれど、この子行動が遅くて鈍感なのよね。



「ロベリア嬢ちゃん、知らんかったんか? そりゃ驚くわな。リリーちゃんはな、小さくなったり大きくなったり出来るんだぞ。確か五歳から十五歳って言ってたよな?」



 リカステったら、私が教えてあげた事をペラペラと話して……。



「……で、カトレア? 何で、リリーちゃんとスミレちゃんはお姫様みたいなドレスを身に纏って、虎のケモミミ尻尾をつけているんだ?」

「今日はルビナス君が指定した服とケモミミ尻尾みたいね。ほら、リリーちゃんが手を振っているわ」



 リカステが、執拗に私の服を引っ張る。



「こら、リカステ! 私の服が、脱げるでしょ! この変態!」



 私は、リカステを引っ叩いた。

 だって、もう少し引っ張られると服が脱げる所だったもの。



「痛! スッ、スマン! リリーちゃんの姿を見てて気がつかんかった」

「まあ、脱げなかったから良いけど」

「カトレアちゃーん、もう少しでポロリだったねー」

「ロベリアちゃん、変なこと言わないでよ」

「エヘヘー」



 もうー、ロベリアちゃんがいると調子が狂うわ。

 そう言えば、リリーちゃんの衣装の経緯をリカステに話してなかったわね。



「実はね、リリーちゃんあの三人組からいつもプレゼントを無理矢理受け取らされて困ってたの。だから、受け取らない代わりにあの三人組が指定する衣装を着てくることになったのよ。そうしてたら、スミレちゃんとアザレアちゃんとブルメリアちゃん女の子三人組も参戦してきて、結局日替わりであの子達から指定された衣装とケモミミ尻尾を着ることになった訳。スミレちゃんは、リリーちゃんが着飾っている服で気に入っているものが有ればペアルックで来るみたい」

「なんだ、よそれ。カトレアは指定しなかったのかよ?」

「え? ……私は違う件で、だから良いのよ!」

「カトレア、お前も何かリリーちゃんに頼んだんだな」

「牡丹ちゃん、黙りなさい!」

「グヘッ! カトレア、頼むから止めてくれ」

「あれ? そんなことより、Zクラスの子達も来たわよ? リリーちゃんが椅子に腰掛けて、スミレちゃんも腰掛けたわ。可笑しいわね? 魔物と戦わないのかしら? リカステ、どう思う?」



 あれ? リリーちゃんが、魔物を構築させる魔道具を操作しているわ。

 そんな事したら、魔物が現れてリリーちゃんを襲うわよ? 

 あっ! 操作した。



「おいおい、冗談はよせよ! 何て魔物を、出したんだ。ぶっ!」



 リリーちゃんが魔道具を操作したと思うと、魔物が地面から出てきてリリーちゃんの大人っぽい純白の下着姿が露わになった。



「リカステ、見るな!」

「いや、あれは不可抗力だろ?」



 刹那、スミレちゃんが一瞬にしてその魔物を倒した。

 その光景を見ていたルビナス君とエレモフィラ君とバレリアン君が、リリーちゃんのその姿に釘付けになりバレリアンくだけが前屈みになった。

 そして、はっ! と、我に返ったかと思うとリリーちゃんの側に行った。

 ぷっ! リリーちゃん、ルビナス君とエレモフィラ君とバレリアン君にまた何か渡されてるわ。

 あの子達、リリーちゃんと約束したのに懲りないわね。

 ほら調子に乗っていると、アザレアちゃんと、ブルメリアちゃんがやって来たわ。

 ぷっ! あの三人組、二人の女子に罵られてる。

 私が笑ってお腹を抱えていると、リカステが肩を叩く。



「おい、カトレア見ろ。今度は男共が……リリーちゃんと、スミレちゃんが戦うのなら分かるが、腰を掛けている様子から見て戦う気はないんだよな? Zクラスの六名で、あれを倒すのか? 嘘だろ? 何で、リリーちゃんは女の子二名を座らせたままなんだ? 男共三人だけで、戦わせるつもりか? おい、カトレア!」



 それにしても、リカステ慌てすぎよ。

 今なら、私でもあんな魔物一人で倒せるのにリカステ考えすぎよ。

 でも、見物かもしれないわね。

 私達が、Bランク冒険者になりたての時の魔物。



「リカステ、五月蠅いわね。私達の授業が終わっても、リリーちゃんがZクラスの皆を鍛え上げてたのを知っていたわよね? リリーちゃんが、エレモフィラ君とルビナス君とバレリアン君にどういう戦い方を教えたか見物よ? 私達Bランク冒険者になりたてだったけれど、私達が苦戦した魔物。土竜を……」

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

誤字脱字をご報告下さる皆様方も、本当に感謝致します。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

シルク「リリー、何しているの?」

リリー「今ね、新しいケモミミ尻尾作成しているの。この前の角兎のモフモフ

    した耳と尻尾とか、ブルメリアちゃんの耳と尻尾とかね」

シルク「へー」

リリー「シルクも、気に入ったでしょ? そのケモミミと尻尾」

シルク「ギクッ! えっ? 何のこと?」

    思わず、狼のケモミミ尻尾を隠したシルクであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。