美少女仮面モフモフレンジャー爆誕! 2
俺は獣人の子供二人の保護を、スノーと葵とクレマチス達が行ったのを確認した。
なので、誘拐犯達の幻惑魔法と幻聴魔法を解いた。
そして、誘拐犯達を動けないようにして眼を回復させる。
さらに『「眷属間テレパシー」』を行いスノー、葵、クレマチスに指示を出す。
『「スノー、悪いけれど誘拐犯達が武器を持っていないか確認してくれるかな?」』
『「はい、リリー様ぅにゃん」』
「グヒー!」「ケラー!」「ブヒッー!」「ケヘッー!」「ぞよー!」
スノーは一瞬で誘拐犯の元に行くと、手刀? いや、違うな? 爪で上半身の服を切り裂いた。
スノー、ニャン子みたいに爪出し入れ出来たのね。
今度、スノーの肉球プニプニして確認しよう。
誘拐犯達が悲鳴をあげ、自身の胸を両手で隠す。
いや、男なんだから隠さなくても良いだろ。っと突っ込みたいが葵がさらに
『「スノー様、まだ甘いですの」』
そう言って、誘拐犯達のズボンをスノーと同じように爪で切り裂く。
「イヤン、グヒー!」
「イヤン、ケラー!」
「イヤン、ブヒッー!」
「イヤン、ケヘッー!」
「イヤンだ、ぞよー!」
葵の場合はスノーのように爪をプニプニ確認しようとすると、俺の違う所をプニプニされそうなので止めておこう。
パンツいっちょになった誘拐犯達は、内股になり両手で胸を押さえ両膝をついた。
これ、どうするの? 葵、ちょっとやり過ぎ。
こんなの見ても、誰も得しないんだからね。
しかも、イヤンって女の子じゃないでしょ?
『「もぉー! 葵、やり過ぎよ」』
『「これ位しないと、武器を持っているか分かりませんの!」』
『「リリー様、私は最後の一枚ですか?」』
いやいやいや、ユグドラシル早く止めて。
どうにか、ユグドラシルが止めてくれたので誘拐犯達は真っ裸にならずに済んだ。
やれやれ、だ。
『「クレマチスちゃんは、葵みたいなことしたらダメよ?」』
『「はい、リリー様」』
『「ユグがクレマチス様を見張っているので大丈夫です」』
クレマチスに言い聞かせていると、ユグドラシルから『心情』が伝わってきた。
俺はユグドラシルに『心情』でお礼を伝える。
『「ユグちゃん、ありがとっ」』
『「何か、私だけリリー様に叱られた気がしますの」』
葵が少し頬を膨らませていたが、あれ以上は流石にダメ絶対である。
『「後は、私が少し犯人達に脅しをかけたら騎士達に引き渡すから準備しててね」』
『「はいぅにゃん! はいですの! 承りました。リリー様」』
そして、俺は誘拐犯達に被害が出ない様に強固な防壁を張る。
「【【グレートダブルシールド】】」
【システム エクストラダブルシールドが展開されました】
そして、念のために更に上級障壁を張る。
防壁はかなり強固だとは言え、やはり人に対して使うので有れば……
「【【絶対領域】】」
【システム ピピー! 結界の最大許容魔力を越えました】
【システム 無事限界突破しました】
【システム これより結界は自動で神結界に変換されます】
俺は結界を無詠唱で唱え、言葉では【絶対領域】と言った。
すると、自動で神結界に変換され展開された。
システムさん分かっているじゃない。
神結界はすなわち【少女の、何人にも侵されざる聖なる領域の事】だからね。
当然、神の領域と言うわけよ。
それに上級障壁である神結界は、最上級の魔法、物理攻撃、衝撃波、それに音やそれらの光景をも全て遮断するので、王国の遙か彼方の上空……この世界に存在するかは不明であるが外気圏辺りまで筒状に展開させたのだ。
防壁や障壁により動きを完全に制限させて、逃げ出そうとしている誘拐犯を閉じ込める。
そして、防壁に衝突した誘拐犯を防壁で地面に押しつける様に仰向けにさせた。
「貴方達は、可愛いモフモフな子達を誘拐した。それは私にとって、万死に値するわ。貴方達にモフモフな子達の悲しみを……倍返しよ」
そう言葉を発した瞬間、女神システムが起動。
【システム 女神システム起動】
【システム 対象者に、天罰を行いますか?】
【はい】 【いいえ】
システムさんが、物騒な事を言い出した。
流石に女神の天罰は、仰々し過ぎる。
恐らく、俺が万死に値すると進言した事で、発動した可能性がある。
俺の選択は、勿論【いいえ】だ。
介入したのは、犯罪者達を自身で裁くためではない。
それに、先ほど誘拐犯の幻惑魔法と幻聴魔法を解いたのには訳がある。
大好きなモフモフ達を害した犯罪者達に対して神のような存在を見せつけて、もう悪さをしないようにさせたかったのだ。
俺が介入して、反省しないまま裁きを受けさせたくないのも正直有った。
それに、犯罪者を裁くのは国の役目だ。俺が、決めるべき事では無い。
俺は誘拐犯に見える様に、先ずは右拳を上に掲げて神気を集めると拳に光と雷の様な閃光が走る。
「純粋な、モフモフ達を愛する心よ私に力を! 私のこの手が、光って踊る」
踊ると表現したのには、訳がある。
俺の手に宿る光が、モフモフ達を表すような形で可愛く踊っているのだ。
このモフモフ達を表す光りを見て、誘拐犯達がどのように感じたかは不明だ。
ユグドラシルを通して心情で受け取れば分かる事だが、ユグドラシルがそうしないのは俺の事を思っての事だろう。
俺の力強い言葉に対し、その光景を目にした誘拐犯は仰向けで一切動けない。
逃げる事も不可能である為、叫び声すら上げず、もの凄い形相でその光景を見ているだけだ。
俺は、左手で押し込む様に負荷をかけ更に圧縮をかける。
拳付近から広がって行くように空間が歪み、その拳を右腰まで持って来る。
そして言葉を発しようとした瞬間に、思わず方言が出る。
「モフモフな子ばこなす奴は好かんけん、ふとかトウキビでケチョンケチョンにくらすっちゃ。……コホン、失礼。続きを言うわね」
可愛い獣人の子二人が脅えていた事を思い出し、思わず方言が出たのだ。
誘拐犯達が、引きつりながらであるが俺の言葉を待ってくれている。
ただたんに、魔法で押さえつけられて動けないとも言うが……。
「この手が、お灸を据えなさいと言っているわ! モフモフな子達にはね、ラブアンドピースは必須事項なの! だから、大きなお兄ちゃん達にはプンスカプンプンなのぉー」
結局、途中から格好いい言葉が出てこなくなり、わやくちゃになったが誘拐犯達は最後まで俺の言葉を聞いてくれた。
まあ、お約束だからね。って言うか、動けないし当然かっ!
「【【花楓院流 役枝 使の型 神雷撃 天地暴風 破壊拳】】」
いつものように、花楓院流の役枝と適当な技名を付ける。
そして、怒りと共にコークスクリューアッパーを一気に、犯人達が見える様にして斜め上方向に解き放った。
刹那、雷を纏う渦が俺の拳から放たれた。
あっ! まさか? 花楓院流と言った事で、ユグドラシルの力で適当な技名でも威力が上がっちゃった?
ヤバイ。そう思った俺は、更に追加で絶対領域を誘拐犯の周りに張り巡らせる。
事前に誘拐犯達を寝ころばせ、囲み捕らえる様に防壁を張っているけれど防壁だけでは防ぎきれないと思ったのだ。
現に、中にある防壁にピシピシと亀裂が入っている。
まあ、誘拐犯とその周りには角度的にも考えて直接攻撃が当たらない様にしているのだけれどね。
そうしないと、誘拐犯が跡形もなく消滅してしまうからだ。
しかし、思っていたよりもユグドラシルの能力で向上してしまっていたので思わずなのだ。
言葉を発してからスキルを口にすると、大きな宿屋の天井を天災級の竜巻が幾つも蠢き圧縮され、俺の防御壁に亀裂を入れながら神結界の間を抜ける様に上空に突き抜けて行った。
衝撃が異常すぎて、上空に伸びる筒状の絶対領域内に幾つもの竜巻と青い炎と雷が発生し、絶対領域が途切れている王国の上空の遙か彼方に有る夜の暗闇を太陽のような光と炎で辺りを昼間の様に照らした。
衝撃がどこまで行ったかは不明であるが、俺は軌道上に何も無いことを祈った。
今のは軌道上に衛星があったら、恐らく破壊してしまうだろう。
注意しないと、破壊の女神とか言われそうだ。
ユグドラシルから
『「済みません、済みません、済みません、済みません、済みません、リリー様ー」』
と何度も連呼する『心情』が伝わってきた。
いや、今のは俺が悪い。
なので、ユグドラシルに『心情』で俺の方からも謝った。
まあ、何か有ればスノーが言ってくるだろう。
スノーも、上空を見ているし……スノー? いつまで見ているの?
そんなに長時間上空を見つめていると、俺不安になるから。
「スノー? 今の大丈夫?」
「はいぅにゃん。上手く球体を避けながら……黒い穴に吸い込まれたようですぅにゃん」
「えっ? ブラックホール?」
「そのようですぅにゃん」
この世界にも、そんなもの存在したのね。
と言うか、衝撃飛びすぎ。
俺の攻撃もユグドラシルがいる場合は、花の名前を入れないように調整して力も弱くしないと危ない。
でも、口癖で花楓院流って言っちゃうんだよね。
門下生を教える時に、これは 花楓院流 役枝 神の型です。基本ですので、必ず覚えてくださいね。と、何度も言い聞かせていたからね。職業病とも言うけれど……。
「あっ! この国の結界は?」
「リリー様の結界で一部に穴が開いていましたが、修復されたようですぅにゃん」
「ほっ……スノー教えてくれてありがとっ」
後に他国の遠方で、この光景を見た者は神の神罰だと噂する事になる。
俺とスノーと葵とクレマチスは大きな宿屋の屋根の上に瞬時に移動して、少し前に打ち合わせていた四人でのポーズを取る。
そして四人で順番に言葉を発する。
「この世界に蔓延る、モフモフ達を虐める悪い奴はぅにゃん」
「この美少女仮面モフモフレンジャーが」
「ユグちゃん? 私はどうすれば……」
「クレマチス様、小さなユグのように口パクしてください」
クレマチスが慌てていたようなので、葵が前に出る。
ユグドラシルも、葵の機転が分かったようで素直に従った。
「天に代わって、お仕置きですの」
葵がクレマチスの分の言葉と、最後の決め台詞を言うと俺が仕込んでいた魔法で色とりどりの光と煙を放つ爆破効果的な物が後ろで爆発効果音と共に解き放った。
所謂、戦隊ものの……あれだ。
俺達は煙に紛れ元の服に戻ってから、スノーと葵には助けた獣人の子供達を引き連れてもらい、俺は髪を黒にして年齢を五歳に変更してから、下で防御壁と結界に囚われて気絶している誘拐犯をクレマチスと一緒に外に連れ出した。
そして、シレっと皆の前に行って言う。
「私達、美少女仮面モフモフレンジャーに助けられたの。この人たちは誘拐犯だそうよ」
カトレア先生が呆然として口を開く。
「……リリーちゃん、何言ってるの?」
シルクが呆れた顔で口を開く。
「リリー貴女可愛いのに、モフモフが絡むとバカね。分からないとでも思った?」
最後に、スミレちゃんまで呆れた顔で口を開いた。
「リリーちゃん、流石に分かるよ。それに耳と尻尾も、まだ付いてるから……」
俺の知り合いには、バレていたようだ。と言うか、騎士達も苦笑いしている。
「テヘッ、ペロ」
あれ? おかしいな。確か、知人でも特定できないと説明書きがあったのに。
ん? あっ……説明の詳細に但し書きがある。
自身が、認識されてもよいと判断したものには適用なし。
成る程ね、カトレア先生やスミレちゃん達、それに女神だと知っている騎士達には適用されなかったわけだ。
せっかく、容姿を十二歳に変更し髪の色まで変更していたのに意味なかったよ。
と言うか、エレモフィラ君達にも見られている……あっ! リカステさんもいる。
小さくなれたり大きくなれたりするの……どう、言い訳しよう。
エレモフィラ君達三人組から、何かいつもと違う視線を感じる。
ユグドラシルから
『「あの三人組から、恋のような愛情のような憧れのような崇拝のような寵愛のような何かを感じます」』
と『心情』が伝わってきた。ん? 何それ?
【システム 一部の熱狂的な信者が増えました】
なんだ、このシステムの言い草は……。
まるで、熱狂的なファンが増えたアイドルと勘違いしてるのではなかろうか?
まあ、いいけれど。でも、明日から学校で心配事が増えた様な気がする。
俺がそんな事を考えていると、最後に助けた猫と犬の獣人幼女二人が俺の元に来た。
「「美少女仮面モフモフレンジャーさん、ありがとう」」
あっ……この子達にもバレてる。
モフモフな子達には、俺の深層心理上心許してしまうからね。
ありがとうと言って抱きついて来たので、タップリとモフモフのケモミミ尻尾を触ってモフモフを楽しんだ。これって、ウィンウィンだよね?
「クゥゥゥゥゥゥ! モフモフ、ハッピィー・フェスティバール!」
モフモフな獣人幼女達と戯れていると、馬車に乗った王と王妃がやって来た。
「リリーよ、誘拐事件を即座に解決するとは、大儀であった」
王が話しかけてきたので、獣人幼女達と戯れるのを止めてから王の元に近づいた。
「王様、誘拐犯達の処罰はお任せ致しますが宜しいでしょうか?」
「うむ。騎士団副団長、後の事は任せるぞ」
「はっ!」
「宰相、私達は今からリリーに事情を聞く為いつものホテルに向かう」
王が、いつものホテルと言っている。
キノットさんのホテルが、王族達にご贔屓にしてもらえるのは嬉しいが宰相の顔が少し引きつっているよ?
「リリー殿に、城に来てもらう訳にはいきませんか? 公務が未だ溜まっておりますゆえ」
宰相が、小声で王に進言した。
うん。宰相さんの言うことは、ご尤もですよ王様。
この場合、俺が行くのが普通だと俺でも分かるよ。
王が事情を聞くのに、王の間ではなくてホテルでって聞いたことが無いしね。
そんなに、キノットさんのホテルに行きたいのかな? 確かに、快適だけれどね。
「むむっ! ……そうであるな。リリーよ、よいか?」
王様、俺に聞かないで。普通、王が命令権を持っているでしょ?
ここ、城じゃなくて町の中だよ?
騎士達が、民達にできるだけ見えないようにしているけれどね。
「はい」
俺とスミレちゃんとカトレア先生は王に呼ばれた為、城に向かう事になった。
スノーと葵とクレマチスが、俺の元に来た。
「スノー、葵、クレマチスちゃん、皆の食事は任せるわね。ユグちゃん、クレマチスちゃんの補助はお願いね。アイビー、食事をバスケットに入れるからスノー達と一緒に持ってね。それと食いしん坊のシルクと自宅の事は、皆頼んだわね」
「はい、リリー様ぅにゃん」
「賜わりましたの」
「はい、私頑張ります」
「ユグにクレマチス様のことはお任せください」
「ワン」
『はい』
「誰が食いしん坊よ!」
スノーと葵とクレマチスとユグドラシル、それにシルクとアイビーには、俺がさっと作った夕食と明日の分の朝食をバスケットに入れて自宅に帰ってもらう事にした。
この分だと、夕食を城で頂き説明をすることになりそうだからだ。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
誤字脱字をご報告下さる皆様方も、本当に感謝致します。
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シルク「ねえ、リリー?」
リリー「何、シルク?」
シルク「どうして、マスクしていたの?」
リリー「身元が分からないようにだけれど……」
シルク「でも、騎士団の皆にも知られていたわよ?」
リリー「それはね、慌てて創ったからマスクの機能性について考えが
甘かったからなの」
シルク「ふーん。でも、カフェバー&レストランで給仕していたのがリリー
ってあの三人組に知られちゃったわね」
リリー「そこが問題なのよ」
二人して勘考する、リリー達であった。




