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「ホノカ!!」
呼べど叫べどホノカは帰って来ない。
目の前で雛から一気に成長したホノカは体に炎を纏う不死鳥となって僕の手の届かない遥か遠い空に消えていった。
「ホノカ………」
僕には何も出来ない。
ただ彼女の名前を呼ぶ以外には……
やっちゃった!!
一羽になってから冷製じゃない冷静になって考えてみたら何も逃げる事なかったんじゃない?って気がついて穴があったら入りたいと思うぐらい落ち込んだ。
でもやってしまったモノは仕方ないって割り切って、さてどうしましょう?
何もなかった様な顔で帰るのはちょっとさすがに恥ずかしいので、なんとか帰る口実?を考える。
う~ん…………
ダメだ!何も思い付かない!!
どうしよう?どうしよう?どうしよう?!
《先程から何を騒いでいるのだ?》
《好きで騒いでる訳じゃないわよ!どんな顔して帰れば良いのか悩んでるのよ……》
《ふむ。事情は分からんが自分が悪い事をしたと思っているなら素直に謝れば良いのではないかね?》
《失礼ね!別に悪い事なんてしてないわよ。ただちょっと恥ずかしさのあまり逃げ出しただけよ》
《恥ずかしいと逃げ出すのか?》
《勢いよ!》
《なるほど。それは恥ずかしいな》
《…………ところで、あなた誰?》
自分しかいないと思っていたらいつの間にか見知らぬ鳥が………
あれ?この鳥、知ってる。
《!!正真正銘の不死鳥!!》
《………ふむ。その様な呼ばわれ方をしたのは初めてだ。面白い》
何が面白いのか謎です………
《えっとえっと………はじめまして?》
《ふむ。確かにはじめましてだな》
なんか変な人もとい鳥。
《あの、私は不死鳥(珍種)でホノカって言います。その……よろしく?》
《ふむ。我は正真正銘の不死鳥だ。よろしく》
気に入ったんですか?その呼び方(・・;)
《………名前は?》
《必要なかろう?世界に不死鳥は我のみなのだから》
《今は私も居ますよ?(珍種)だけど……》
《ふむ。確かに……名前……か………》
う~んと唸りながら正真正銘の不死鳥さんは考えこんだ。
マジで名前無いのかな?
いくら世界に一羽しか居ないって言っても名前がないのは酷いと思う。
歌にもあるじゃないですか!
名前それは燃える命!って!!
なぜに燃える命なのか聞いた当時から謎なんだけどね(笑)
《かつて……世界神から……賜った…………………様な気がする》
気がするって(;^∀^)
《しかし……呼ばれたのは名をつけられた一度のみ…………》
つけた意味が無いってか、それじゃ忘れるのも仕方ないっていうか……うじゃうじゃ。
《名前無いのって不便。まさか毎度毎度、正真正銘の不死鳥って呼べとか?変よ変!》
《ふむ。確かに…》
《覚えてないなら好きな名前を名乗れば?思い出したら世界神から貰った名前名乗れば良いじゃない♪》
《…………そういうものか?》
《そういうものよ?》
《ふむ。興味深い》
何が?
《名前か………》
なんかループしてる?
《良ければ私がつけてあげましょうか?袖振り合うも多生の縁って言うし》
《??それはソナタが元々いた世界の言葉か?》
《うんそうだよ。格言とか諺って言われるの》
《ふむ。実に面白い》
面白い……かな?
《ホノカと言ったか?我に名をつけるのは構わんが《あそっ、んじゃホムラってどう?》人の話は最後まで聞くものだ》
人じゃなくて鳥でしょって言う私のツッコミは突然の光によって遮られた。
えっと……この光は何?
なんか物凄く嫌な予感がするんだけど………
《どうやら承認されたようだな》
《証人?》
《分かってて下らぬボケをかますのか?》
《いやいや。なんの事?》
《ホノカは召喚獣であろう?ならば今の光に見覚えがあるはず》
えっと……召喚獣で見覚えがある光って………
あっ!思い出した!!
《リアンと契約した時の光!》
《リアン?もしや勇者の曾孫の事か?》
《曾孫?!それは知らないけど勇者で魔王の子孫だよ》
《では間違いない現行の勇者の曾孫で魔王の又従兄弟だな》
子孫どころかバリバリ血縁でしたか!!
《知らなかった………》
《まぁ無理もない本人も未だ知らされていないようだからな》
《そうなんだ?でも貴方はなんで知ってるの?》
《我……私?……僕?…?……俺!うむ》
何一人称の羅列してるの?
《俺は不死鳥だ。この世界の出来事で知らぬ事はない》
《………さっきと口調が著しく違いますが……なして?》
《ホノカに合わせた。俺はもうホノカのモノだからな合わせるのは当然だろう?》
私のモノって何!?
《な!えっ!!》
《名付によってホノカは俺のマスターというか………連れ合いになった》
《連れ合い!!》
《番の方がいいか?》
《いやいや!番って不死鳥には必要無いでしょ?!》
《子孫繁栄的には必要無いな。だから連れ合いと表現したのだが?》
《えっとちょっと待って……連れ合いってもしかして漫才とかで言う所の相方的な意味かな?》
《相方…………ああ、まぁそんな感じだな》
《一瞬の空白は何?》
《ホノカの世界と少し繋いで言葉の意味を確認していた》
《そんな事出来るの?》
《伊達に異世界間を飛び回っている訳ではない》
反則だ!こんな事ならグッサンとでも名付けてやればよかった!!
でも名付けの意味とか聞かれたら答えらんないし、よく考えたら呼ぶの私だ!
絶対、グッサンなんて名付けたら恥ずかしくて落ち込むわ(T-T)
待てよ?!
《私の元いた世界と繋がるって事は、もしかしてカレーのスパイスとか分かる?》
《スパイス?………少し時間がかかるが調べておこうか?》
《是非!》
《ラジャーで良いのか?》
《………普通に了解でお願いします》
《了解した》
なんか疲れる!
《所でこれからどうするのだ?》
《どうするって?》
《リアンの所に戻るのなら早い方が良いぞ》
《なんで?》
《多分だがあと一時間程でホノカを構成しているリアンの魔力が消える。ホノカはまだこの世界で正式に生まれていないから召喚獣のいる世界に強制的に連れ戻される。だがホノカは本来、召喚獣ではないのでその世界で意識と体が保てるかは分からない。そうなるとリアンが再度召喚しても拒否される可能性が高い》
《えっ!そんな事無いでしょ?だってはじめに召喚された時、一回還されたよ?再度召喚したら魔力がごっそり奪われたから、それ以来ずっとこっちにいるけど………》
《それはリアンの魔力に守られていたからだな。そうでなければ再度召喚など出来る筈がない》
《そんな!このままじゃ私、消えちゃうの?》
消えたらリアンはどうなるの?!
《俺と縁を結んだから消えたりはしない。リアンの魔力が切れたらあらためて俺がホノカをこの世界で正式に生まれさせる。そうすればホノカは俺の幼妻だな》
《帰る!今すぐリアンの元に帰る!》
《俺の妻になるのは嫌か?》
《はじめて合った鳥にプロポーズすっ飛ばして結婚ってあり得ない!アプローチもされた覚えないしね!!》
《嫌ではないと?》
《ノーコメント!》
《了解だ。ではリアンの所に帰ろう》
《貴方も?》
《忘れたのか?俺はホノカのモノだ》
でしたね………
ああ!リアンになんて説明したら良いのかな?
どうか修羅場になりません様に!!
本文中の《》は鳥語です(笑)
ピヨピヨかしましく鳴いてます( ̄▽ ̄;)




