決意
「折紙さん、あなたは爺ちゃんの」
「そう。私はお前のお爺さん、荒海守の助手だったんだ――」
それから折紙さんは爺ちゃんとの事を、俺に話してくれた。
爺ちゃんは元々教師で、その時の高校の教え子に折紙さんがいたらしい。
折紙さんは、高校を出て爺ちゃんの助手としてシスターズの開発を行っていた。
「今お前に教えておくべき事はこれだけだ」
俺は折紙さんに「ついてこい」といわれ、そのまま部屋を出た。
「これから折紙さんの研究所に行くんですよね?」
前を歩く折紙さんの隣に並んで、そんな事聞いた俺に、
「ついたら、お前には悪いが、また少し……つらい話をすることになる」
「あはは、またですか」
笑って誤魔化したが、折紙さんの、どこか悲しい声音を聞いた途端に、全身に鳥肌がっ立った。
「研究所っていうからには、何を研究してると思う?」
「え……それは……今までの話の流れからいうと、俺の事でしょうか?」
もちろんそれが正解だった。
折紙さんは、俺を研究するためだけに、その研究施設を造ったのだといっていた。
「着いたぞ」
地下鉄の入り口のような場所から、地上の方へ上がっていくと、そこには……
「着いたって、どこにも研究所らしきものはないですけど」
ただ、いつもの街の風景が広がっているだけ。
周りには研究所なんて見当たらない。
だが、その瞬間。全身に鳥肌がっ立った。
「どうやら……気が付いたみたいだな」
崩れ落ちる俺に、また、悲しそうな声音で俺にいう。
研究所なんてどこにもない――いや、確かに研究所は存在する。
「君が暴走してから、君をこの学校に隔離……暴走した記憶を消し、一年間お前を監視していた」
この学校は俺を監視するために造られたのか。
今住んでいる寮、今見ている建物、今踏んでいる道路。そのすべてが、俺を研究するため、監視するための施設だというのか!
「この学校は《市立機械科学人妹共同学校》別名、《荒海幸太隔離研究所》」
「この高校の生徒は全員、その事は、しってるんですか」
「ああ……全員知っている」
だから俺の事……あんなに嫌ってんのか。
「俺が暴走する可能性がまだあるから、あいつらはいつも死と隣り合わせって事ですよね」
「そうなるな……」
そんな……今まで俺は、あいつらに恐怖……ただそれだけを与えてたって事か……死にたい死にたい死にたい! 誰か俺を……殺してくれ……。
「実はな、私は《エンジェルバレット》という組織を持っている」
《エンジェルバレット》なんて初めて聞く組織だ。
「対デビルバレット用の組織なんだが、個人では弱いかもしれんが、チームではなかなか強い。大丈夫。あいつらは、デビルバレットや暴走したお前にも、そう簡単には負けんだろう」
折紙さんは俺の前に、手を差し出してくれた。
「お前も狙われている。私の組織に来い。今までは普段の様子を遠くから監視しているだけだったが、お前が組織に来てくれれば、戦力も増えるし、監視がしやすくなる」
「そうですね。俺、デビルバレットと戦います!」
そうして俺は、折紙さんの手をとった。
読んでいただきありがとうございました!
よければ、ブックマークとコメントお願いします!




